日産 ル・マン
日産は、ル・マンの公式テストデーで、大規模なテストプログラムを消化した。

午前のセッションが始まると同時にコースに飛びだしたのは、3台のNissan GT-R LM NISMO。ル・マン独特のコースにマシンを合わせるため、大掛かりなテストプログラムに臨んだ。

マシン開発の現段階で求められる膨大な作業をこなすために、3台はそれぞれ異なる内容のテストを進めていった。

この日はほとんどがウェットコンディションでの走行となり、23号車、22号車、レトロなカラーリングを施した21号車は、いずれもドライでのタイムを記録することができなかった。

マシンの開発に専念するため、日産からル・マン初参戦を果たすSUPER GT王者の松田次生、元F1パイロットのマックス・チルトン、日産が誇るGTレーサー、アレックス・バンコムは、75号車のジネッタ・ニッサンLM P3でル・マン初参戦のドライバーに義務づけられる10周の走行を完遂した。

「ル・マンの走行は、子どもの頃からテレビで何十周と観てきました」とマックス・チルトンは述べました。

「今日は、ドライバーの視点で見ることが出来たのです。本当に楽しかったですね。路面コンディションはベストではありませんでしたが、ここでのレースを心から楽しみにしています」

この日の終盤には、インターミディエイトタイヤを履いて走行したヤン・マーデンボローが好タイムをマーク。4分を切ったのはこの他に1台しかいなかったこともあり、Nissan GT-R LM NISMOが見せた周回ペースにチームも満足を見せた。

「今日はトップを狙っていたわけではありませんでした。私たちのル・マン初陣に向けての準備として、とにかく学ぶこととデータを集めることに専念していました」と、チーム代表兼テクニカル・ディレクターのベン・ボウルビーは述べました。

「一日を終えて、ウェットコンディションでの私たちのタイムはコンペティティブで、午前の走行ではストレートでの総合ベストタイムのトップ2を私たちがマークしました」

「フロントエンジン・前輪駆動と、ル・マンで走行するには斬新なマシンを投入するチーム陣は課題が山積みであることは覚悟していましたが、ここでの初日を終えて3台のマシンが無事に走行を終えてガレージに戻り、エンジニアの手元には山のようなデータが集まりました」

日産のチーム陣営は来週もこのル・マンに拠点を構え、日曜日には3台のNissan GT-R LM NISMOが公式車検を迎えます。

クリス・ホイ、幼少の頃からの夢をル・マンで実現
今回のル・マン公式テストデーには、LM P3マシンの参加も含まれた。このため、2016年のル・マン参戦意向を表明し、日産のドライバー育成プログラムのA級研修生として研鑽を積んでいる、自転車競技メダリストのクリス・ホイも、この日初めてル・マンのサーキットでの走行を果たした。

「何もかもが予想していた通り、いえ、それ以上でした」とクリス・ホイは述べた。

「最初の2周は“ワオ! 自分がミュルザンヌ・ストレートを走っている”、“ワオ! ポルシェ・カーブだ”という感じでしたが、そこからは自分の仕事に戻り、タイムを考えるようになりました。ドライでの走行ではチームメイトに4秒遅れでしたが、プッシュはせずコースに慣れるための走りをしていたので、満足のタイムです。ウェットでも走行できたおかげで、コースのどこがよく滑るのかも知ることができました。素晴らしいコーナーがたくさんあって、最高のコースです。ドライブしていると本当に興奮しますね」

GTアカデミーのフランス人勝者もル・マンを初走行
この日は、フランス出身のドライバーにとっても夢を実現させた一日となった。2014年GTアカデミー・ヨーロッパの勝者、ゲイタン・パレトウも、自身初となるル・マンの走行に臨んだ。レーシングドライバーとしてまだ10ヶ月というパレトウだが、この日のテストデーではグリーブス・ギブソン・ニッサン LM P2マシンを駆り、プロフェッショナルな走りを披露した。

「グリーブスのマシンをテストしたのは2回目ですが、ル・マンを走るのは生まれて初めてです」とパルトウは述べた。

「ル・マンでテストできることになったと聞いた時、本当に興奮しました。その気持ちは間違っていませんでした。このコースは魔法のようです! 最も難しいコースという訳ではありませんが、本当に感動します。コースのどの部分が一番いいかを挙げるのは難しいのですが、私はポルシェ・カーブが好きです。最終コーナーも、うまく攻略をするのが難しく楽しいです。LM P2マシンのドライビングは大好きですし、ここではP3マシンよりも一周当たり20秒ほど速いのです。最大の違いは、ブレーキのパフォーマンスとダウンフォースですね」

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カテゴリー: F1 / 日産 / ル・マン24時間レース