【MotoGP】 ヤマハ:オーストラリアGP フリー走行 レポート
フィリップアイランドでのオーストラリアGP初日は雨に見舞われ、Movistar Yamaha MotoGPのホルヘ・ロレンソとバレンティーノ・ロッシは第1セッションで19番手と20番手。第2セッションは悪コンディションのため走行は途中でキャンセルされた。
フィリップアイランドでのGP初日、フリープラクティスは両セッションともウエット・コンディションとなり、各チーム、思うような成果を得られないまま一日を終えた。Movistar Yamaha MotoGPのふたりも第2セッションはほとんど走行することができず、データ収集もままならなかった。
第1セッション、ロレンソはウエット・タイヤの感触を確かめながら、それに適合するセッティングを追求。コースの所々に大量の水が出ていたため、なかなかペースを上げられないなかで、チームクルーたちはマシンの安定性向上を目指して懸命に作業に取り組んだ。タイヤが暖まらず、グリップ不足もあり、ロレンソは1分45秒651のベストラップで19番手に留まった。
チームメイトのロッシは序盤、ウエット用のセッティングが決まってほとんどの時間帯で上位をキープ。全11ラップの最終ラップで1分40秒998のベストタイムを記録した。しかし、このとき装着していた超ソフト・コンパウンドのタイヤは10ラップ以上の使用を禁じられているため、第1セッションでのすべての記録がキャンセルされて20番手となった。
第2セッションはコンディション悪化のためにスタートを遅らせ、路面が乾き始めた現地時間15時45分に再開。ロッシは勇んでピットを離れたが、まもなくコンディションが再び悪化したため赤旗が提示されて中断。その後も回復の見通しが立たなかったため、16時45分、31分の走行時間を残したままセッションを切り上げた。
これによってロレンソ、ロッシともにラップタイムを更新することができず、それぞれ19番手と20番手でフリープラクティス初日を終了することとなった。
Monster Yamaha Tech 3、雨のプラクティスで健闘
Monster Yamaha Tech 3のポル・エスパルガロは、悪天候に苦しみながらも初日総合7番手と健闘した。
冷たい雨のなかで行われた第1セッションで、ウエット・セッティングのデータを収集しながら7番手を獲得。第2セッションではさらに作業を進めようと意気込んでいたが、コンディション悪化を考慮して走行を取りやめた。明日の午前中に予定されているフリープラクティス第3セッションに照準を合わせている。
一方、ブラッドリー・スミスは怪我からの回復中。レースの勘を取り戻すために少しでも多く周回を重ねたいところだが、残念ながら悪天候に阻まれてしまった。第1セッションは最後の10分間走行して、ハイスピード・コースとミシュラン製ウエット・タイヤの感触を確認。雨の量が増した第2セッションは、賢明にも走行を取りやめた。リスクを最小限に抑えるため、わずか7ラップだけの走行となったが、明日はセッティング作業を進めるために天気の回復を期待している。
Movistar Yamaha MotoGP
ホルヘ・ロレンソ (フリー走行総合19番手/1分45秒651)
「第1セッションは後方からスタート。少しずつ調子が上がってきていたが、早めにピットに戻って2台目のマシンに乗り換えることにしたんだ。でもそのタイミングがちょっと早すぎたようだ。コースに戻った時にはもう水が大量に出ていたので、1ラップしただけで止めてしまった。このようなコンディションのなかでは、どちらのマシンがいいのかさえわからなかったよ」
バレンティーノ・ロッシ (フリー走行総合20番手/1分47秒225)
「非常に難しいコンディションだった。まったくひどい天気で、雨だけじゃなくて寒さにも苦しめられたんだ。そんななかでも午前中のセッションでは20分ほど走行。そのとき僕自身は調子もまずまずで、いい走りができていたと思う。ところが午後になると気温が下がり、コース上の雨の量も増したため、残念ながら走行は不可能だった。マシンのフィーリングに関することは作業が進まなかったので、最初の好感触がそのまま残っている状態。でも明日はまた状況が変わるだろうから、明日を楽しみに待つだけ」
マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)
「理想とはほど遠い状況。そう言うだけで精いっぱいだ。路面コンディションは最悪で、ライダーたちにとってはフィーリングを見つけ出すのも難しかった。モトGPマシンをセットアップするには最悪のコンディションと言っていいだろう。それでも我々は、午前中のセッションでいくつかのセッティングを試した。そしてバレンティーノはマシン・バランスに非常に満足していたのだ。ホルヘのほうは不必要なリスクを避け、コースと彼の2台のマシンの感触を確かめるために数ラップだけ走行した。明日は好天を期待したい。プラクティスを長めに行って今日の分を取り戻し、QP2への進出を目指す」
Monster Yamaha Tech 3
ポル・エスパルガロ (フリー走行総合7番手/1分42秒465)
「今日は天気にすっかり翻弄されてしまったが、海に面したフィリップアイランドがそのような特別な場所だということは誰もがわかっていること。とくに第2セッションはコース上の水の量が多過ぎて走行不可能だったけれど、第1セッションは何とか最後まで走り切って、納得のいくパフォーマンスもできた。今日のおもな課題は、このコースの感触を思い出すこと。それはしっかり達成できたし、マシンのフィーリングもとても良かったんだ。もちろんまだ多くの伸びしろが残っていて、タイヤについては超ソフト・コンパウンドのテストがまだ終わっていない。供給量が多くはないので、明日のためにとっておいたほうがいいと判断したためだ。難しい状況のなかでも1日目を10番手以内で終了。トップからもそんなに大きく離されてはいないので、まずまずのスタートと言っていいと思う。明日のフリープラクティス第3セッションも一生懸命、がんばるよ」
ブラッドリー・スミス(1分19秒008)
「フィリップアイランドの初日は最高のコンディションとはいかなかった。雨だけじゃなくて気温の低さにも悩まされることになり、こうした厳しいコンディションによって、この世界有数の高速コースは非常に危険な場所にもなってしまう。だからこそ僕らは、安全に走るようにしなければならないと思うんだ。僕は午前中のセッションで数ラップだけ走行。タイミングが悪くて、コースに出たときはコンディションが悪化していたんだけれど、それを考慮しても僕のラップタイムは決して劣っていなかったと思う。午後はさらにひどくなってコース上の水も増加。セッション・スタートが遅らされ、結局は赤旗中断になったわけだけれど、もしそうでなかったとしても、僕は自分の判断で走行を取りやめていただろう。膝の怪我の状態をさらに悪化させるようなリスクやストレスを、わざわざ作り出すようなことはしたくなかったからね。それよりは明日を待ち、また、明後日のために少しでもパワーを残しておきたかったんだ」
※ トップタイムの107%以内を記録していないため順位つかず
カテゴリー: F1 / MotoGP
フィリップアイランドでのGP初日、フリープラクティスは両セッションともウエット・コンディションとなり、各チーム、思うような成果を得られないまま一日を終えた。Movistar Yamaha MotoGPのふたりも第2セッションはほとんど走行することができず、データ収集もままならなかった。
第1セッション、ロレンソはウエット・タイヤの感触を確かめながら、それに適合するセッティングを追求。コースの所々に大量の水が出ていたため、なかなかペースを上げられないなかで、チームクルーたちはマシンの安定性向上を目指して懸命に作業に取り組んだ。タイヤが暖まらず、グリップ不足もあり、ロレンソは1分45秒651のベストラップで19番手に留まった。
チームメイトのロッシは序盤、ウエット用のセッティングが決まってほとんどの時間帯で上位をキープ。全11ラップの最終ラップで1分40秒998のベストタイムを記録した。しかし、このとき装着していた超ソフト・コンパウンドのタイヤは10ラップ以上の使用を禁じられているため、第1セッションでのすべての記録がキャンセルされて20番手となった。
第2セッションはコンディション悪化のためにスタートを遅らせ、路面が乾き始めた現地時間15時45分に再開。ロッシは勇んでピットを離れたが、まもなくコンディションが再び悪化したため赤旗が提示されて中断。その後も回復の見通しが立たなかったため、16時45分、31分の走行時間を残したままセッションを切り上げた。
これによってロレンソ、ロッシともにラップタイムを更新することができず、それぞれ19番手と20番手でフリープラクティス初日を終了することとなった。
Monster Yamaha Tech 3、雨のプラクティスで健闘
Monster Yamaha Tech 3のポル・エスパルガロは、悪天候に苦しみながらも初日総合7番手と健闘した。
冷たい雨のなかで行われた第1セッションで、ウエット・セッティングのデータを収集しながら7番手を獲得。第2セッションではさらに作業を進めようと意気込んでいたが、コンディション悪化を考慮して走行を取りやめた。明日の午前中に予定されているフリープラクティス第3セッションに照準を合わせている。
一方、ブラッドリー・スミスは怪我からの回復中。レースの勘を取り戻すために少しでも多く周回を重ねたいところだが、残念ながら悪天候に阻まれてしまった。第1セッションは最後の10分間走行して、ハイスピード・コースとミシュラン製ウエット・タイヤの感触を確認。雨の量が増した第2セッションは、賢明にも走行を取りやめた。リスクを最小限に抑えるため、わずか7ラップだけの走行となったが、明日はセッティング作業を進めるために天気の回復を期待している。
Movistar Yamaha MotoGP
ホルヘ・ロレンソ (フリー走行総合19番手/1分45秒651)
「第1セッションは後方からスタート。少しずつ調子が上がってきていたが、早めにピットに戻って2台目のマシンに乗り換えることにしたんだ。でもそのタイミングがちょっと早すぎたようだ。コースに戻った時にはもう水が大量に出ていたので、1ラップしただけで止めてしまった。このようなコンディションのなかでは、どちらのマシンがいいのかさえわからなかったよ」
バレンティーノ・ロッシ (フリー走行総合20番手/1分47秒225)
「非常に難しいコンディションだった。まったくひどい天気で、雨だけじゃなくて寒さにも苦しめられたんだ。そんななかでも午前中のセッションでは20分ほど走行。そのとき僕自身は調子もまずまずで、いい走りができていたと思う。ところが午後になると気温が下がり、コース上の雨の量も増したため、残念ながら走行は不可能だった。マシンのフィーリングに関することは作業が進まなかったので、最初の好感触がそのまま残っている状態。でも明日はまた状況が変わるだろうから、明日を楽しみに待つだけ」
マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)
「理想とはほど遠い状況。そう言うだけで精いっぱいだ。路面コンディションは最悪で、ライダーたちにとってはフィーリングを見つけ出すのも難しかった。モトGPマシンをセットアップするには最悪のコンディションと言っていいだろう。それでも我々は、午前中のセッションでいくつかのセッティングを試した。そしてバレンティーノはマシン・バランスに非常に満足していたのだ。ホルヘのほうは不必要なリスクを避け、コースと彼の2台のマシンの感触を確かめるために数ラップだけ走行した。明日は好天を期待したい。プラクティスを長めに行って今日の分を取り戻し、QP2への進出を目指す」
Monster Yamaha Tech 3
ポル・エスパルガロ (フリー走行総合7番手/1分42秒465)
「今日は天気にすっかり翻弄されてしまったが、海に面したフィリップアイランドがそのような特別な場所だということは誰もがわかっていること。とくに第2セッションはコース上の水の量が多過ぎて走行不可能だったけれど、第1セッションは何とか最後まで走り切って、納得のいくパフォーマンスもできた。今日のおもな課題は、このコースの感触を思い出すこと。それはしっかり達成できたし、マシンのフィーリングもとても良かったんだ。もちろんまだ多くの伸びしろが残っていて、タイヤについては超ソフト・コンパウンドのテストがまだ終わっていない。供給量が多くはないので、明日のためにとっておいたほうがいいと判断したためだ。難しい状況のなかでも1日目を10番手以内で終了。トップからもそんなに大きく離されてはいないので、まずまずのスタートと言っていいと思う。明日のフリープラクティス第3セッションも一生懸命、がんばるよ」
ブラッドリー・スミス(1分19秒008)
「フィリップアイランドの初日は最高のコンディションとはいかなかった。雨だけじゃなくて気温の低さにも悩まされることになり、こうした厳しいコンディションによって、この世界有数の高速コースは非常に危険な場所にもなってしまう。だからこそ僕らは、安全に走るようにしなければならないと思うんだ。僕は午前中のセッションで数ラップだけ走行。タイミングが悪くて、コースに出たときはコンディションが悪化していたんだけれど、それを考慮しても僕のラップタイムは決して劣っていなかったと思う。午後はさらにひどくなってコース上の水も増加。セッション・スタートが遅らされ、結局は赤旗中断になったわけだけれど、もしそうでなかったとしても、僕は自分の判断で走行を取りやめていただろう。膝の怪我の状態をさらに悪化させるようなリスクやストレスを、わざわざ作り出すようなことはしたくなかったからね。それよりは明日を待ち、また、明後日のために少しでもパワーを残しておきたかったんだ」
※ トップタイムの107%以内を記録していないため順位つかず
カテゴリー: F1 / MotoGP