MotoGP | ホンダ 第12戦 イギリスGP プレビュー
MotoGP 第12戦 イギリスGPが、8月24日(金)~26日(日)の3日間、ノーザンプトン郊外のシルバーストン・サーキットで開催される。後半戦のスタートとなった第10戦チェコGP、そして第11戦オーストリアGPと続いた2連戦の後に開催されるのはこれで2年連続。シルバーストンでイギリスGPが開催されるのは、これで9年連続となる。
イギリスGPは、1949年から1976年までは「Tourist Trophy」として、マン島の公道コースで開催されていた。マン島は、ホンダが世界に初挑戦した舞台で、最高峰クラスでは、1966年と67年にマイク・ヘイルウッドが優勝している。その後、77年~1986年の10年間はシルバーストンへと舞台を移し、84年にはランディ・マモラ、85年にはフレディ・スペンサー、そして86年にワイン・ガードナーと、グランプリの歴史に名を刻む名選手たちが、Hondaのマシンで優勝した。
87年~2009年の23年間は、ドニントンパークで開催された。そして、2010年には再び、コースの全面改修を終えたシルバーストンで、グランプリが開催されるようになった。
シルバーストンは、1周5.9km。現在、グランプリが開催されているサーキットでは、最も長いコース。アベレージスピードは時速175km前後。オーストリアGPのレッドブル・リンク、イタリアGPの開催地であるムジェロ、オーストラリアGPが行われるフィリップアイランドと並び、カレンダー屈指の高速サーキット。ホンダは過去8度の大会では、11年にケーシー・ストーナーが、14年にマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が優勝している。それ以降、優勝がないホンダ勢としては、今年は4年ぶりの大会制覇を目指す。
過去、シルバーストンでマルク・マルケスは、10年に125cc(現Moto3)クラスで優勝、12年にはMoto2クラスで3位。MotoGPクラスにステップアップした13年は2位になり、14年の大会では優勝した。以後、雨のレースとなった15年は優勝争いに加わるも転倒リタイア。16年はタイヤの選択がベストではなく4位、昨年はエンジントラブルでリタイアと不運のレースが続いている。
シルバーストンは不安定な天候になることが多く、選手たちを悩ませる。マルケスは過去8回の大会において、フリー走行で転倒を喫した影響でポールポジション(PP)を逃したMoto2時代の12年、最高峰クラスでは、ウエットコンディションの予選となった16年は転倒を喫し5番手だったが、それ以外はすべてトップタイムをマークしている。今年はMotoGPクラスで2年連続5回目、シルバーストンでは通算7回目のPPを目指し、予選の速さを結果につなげる意気込みだ。
3年連続5回目のタイトルを狙うマルク・マルケスは、11戦を終えて5勝を含む9回の表彰台獲得で、2位のバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)に59ポイント差と大きなリードを築いた。13年に史上最年少20歳で初優勝とシリーズチャンピオンを獲得。それ以降、シーズン史上最多優勝、PP、タイトル獲得など、史上最年少記録を数多く塗り替えてきた。今年は25歳で最高峰クラス5回目のタイトル獲得という偉業達成に向けて大きく前進。ここからの8戦、チーム一丸となってタイトル獲りに全力を尽くす。
前戦オーストリアGPを終えて総合8位。第2戦アルゼンチンGP以来、今季2度目の優勝を目指すカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が、ホームGPに闘志を燃やします。クラッチローが、チェコGPでMotoGP初優勝を達成した16年は、シーズン2勝を挙げる大活躍だった。イギリス人が最高峰クラスで優勝したのは1981年のバリー・シーン以来、35年ぶりの快挙。その勢いで迎えた16年のイギリスGPでは、77年のバリー・シーン以来、39年ぶりに英国人ライダーがホームGPでPPを獲得するという偉業に地元ファンは大喜びだった。そして決勝では2位。昨年の大会は4位と表彰台を逃したが、後半戦のスタートとなったチェコGPとオーストリアGPでトップグループに加わって5位、4位と安定しているだけに、今大会は2年ぶりの母国GP表彰台獲得と念願の母国GP制覇を目指す。
今年を最後に現役を引退することを表明しているダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、最後のイギリスGPに気合いを入れている。11戦を終えて総合11位とペドロサにとっては不本意なシーズンとなっている。今大会では、今季初表彰台、初優勝に挑む。これまでシルバーストンでは、12年と13年に3位表彰台に立っている。14年は4位、雨のレースになった15年と16年は5位。昨年は7位と表彰台争いから遠ざかっているが、念願のシルバーストン初制覇に挑む。
11戦を終えて総合17位。ルーキー勢で2番手につけるフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が、前戦オーストリアGPでタイヤの選択に失敗して19位に終わった雪辱に挑む。また、総合21位で前戦オーストリア大会で6戦ぶりにポイント獲得の中上貴晶(IDEMITSU LCR Honda)が、2戦連続ポイント獲得に挑む。シルバーストンは、昨年、Moto2クラスで優勝している。相性のいいサーキットで今季ベストを目指す。トーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)も11戦を終えて依然としてポイント獲得を果たせていない。今大会は念願のポイント獲得に挑む。
マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)
「シルバーストンは高速で、テクニカルなサーキットですが、僕たちのマシンにはとても強い点があるので、いつものようにベストを尽くします。コースは再舗装されたので、パフォーマンスがよくなると思うので様子を見たいです。雨の中で走る機会が今年は長いことありませんでしたしたが、前戦オーストリアではウエットコンディションでも速く走れることが確認できました。これはイギリスでのレースを考えればとてもいいことです。シルバーストンでは天候もまた最大の敵となりますが、どのようなコンディションになっても再び表彰台争いができることを願っています」
カル・クラッチロー(MotoGP 総合8位)
「ブルノとオーストリアでいい結果を出してからシルバーストンへ向かいます。過去2戦の結果からも、ホームレースでは全力を出せます。Hondaは今年、エンジンにおいてすばらしい仕事をしました。シルバーストンは高速サーキットなので、これは重要なことです。家に戻る前のミサノのテストでは一生懸命取り組みました。このテストが役に立つことを願っています。ホームレースではいつも2つのことが頭にあります。表彰台を目標にトップ5に入るいいレースをするか、全力を尽くすかです。でもシンプルに今年は優勝したいです」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合11位)
「シルバーストンはこれまでとてもバンピーで、加えて天候がいつも不安定なので、得意なサーキットではありません。でもアスファルトが再舗装されたので、感触がよくなったかどうかを確認したいです。そしてレースに向けて金曜日の午前中からうまく仕事をこなして準備を整えたいです。天候はいつものように予測不可能なので、それにも備えなければなりません」
フランコ・モルビデリ(MotoGP 総合17位)
「レースウイーク中はマシンを理解するための時間がなかなか取れないので、ミサノのテストは貴重な時間となりました。自分にとってもよかったです。MotoGPマシンでコースを学び、データを収集できたので、本当に重要なテストでした。たくさん周回し、本当に楽しく走れました。そしてシルバーストンを見据えてテストを行うことができました。シルバーストンはコースが長いですが、とても速く、MotoGPマシンのポテンシャルをフルに引き出せるチャンスがあるので、今週が本当に楽しみです。目標は明確です。FP1から戦闘的になり、再びポイント圏内争いをすることです」
中上貴晶(MotoGP 総合21位)
「昨年のシルバーストンではMoto2クラスで優勝しました。ほかの年も表彰台を獲得したいるので、僕にとっては特別な場所です。また、カルのホームレースなので、チームにとっては特別なレースになります。2人ともいい結果を出せたらとてもうれしいです。高速コーナーが好きなので、シルバーストンを走るのは楽しいです。今年はMotoGPマシンで走るので、とても楽しみです。最高の気分だと思います。シルバーストンへ行く前にミサノでテストを行い、感触とスピードを上げるためにがんばりました」
トーマス・ルティ(MotoGP 総合24位)
「ミサノのテストはポジティブでした。9月の大会に向けていろいろ経験できたのでボーナスのようなものでした。ミサノは非常に暑かったですが、今後のレースでもっと強くなれるようにいろいろ試すことができます。シルバーストンはコースが幅広く、高速で、天候が大きな役割を担うので、いつも厳しいチャレンジになります。シルバーストンのような高速で歴史あるサーキットで走ることはうれしいです。天気がよくなることを願っています。日曜日の目標は、前のライダーたちとのギャップを縮められるように努力して、ポイント圏内に入ることです」
カテゴリー: F1 / MotoGP
イギリスGPは、1949年から1976年までは「Tourist Trophy」として、マン島の公道コースで開催されていた。マン島は、ホンダが世界に初挑戦した舞台で、最高峰クラスでは、1966年と67年にマイク・ヘイルウッドが優勝している。その後、77年~1986年の10年間はシルバーストンへと舞台を移し、84年にはランディ・マモラ、85年にはフレディ・スペンサー、そして86年にワイン・ガードナーと、グランプリの歴史に名を刻む名選手たちが、Hondaのマシンで優勝した。
87年~2009年の23年間は、ドニントンパークで開催された。そして、2010年には再び、コースの全面改修を終えたシルバーストンで、グランプリが開催されるようになった。
シルバーストンは、1周5.9km。現在、グランプリが開催されているサーキットでは、最も長いコース。アベレージスピードは時速175km前後。オーストリアGPのレッドブル・リンク、イタリアGPの開催地であるムジェロ、オーストラリアGPが行われるフィリップアイランドと並び、カレンダー屈指の高速サーキット。ホンダは過去8度の大会では、11年にケーシー・ストーナーが、14年にマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が優勝している。それ以降、優勝がないホンダ勢としては、今年は4年ぶりの大会制覇を目指す。
過去、シルバーストンでマルク・マルケスは、10年に125cc(現Moto3)クラスで優勝、12年にはMoto2クラスで3位。MotoGPクラスにステップアップした13年は2位になり、14年の大会では優勝した。以後、雨のレースとなった15年は優勝争いに加わるも転倒リタイア。16年はタイヤの選択がベストではなく4位、昨年はエンジントラブルでリタイアと不運のレースが続いている。
シルバーストンは不安定な天候になることが多く、選手たちを悩ませる。マルケスは過去8回の大会において、フリー走行で転倒を喫した影響でポールポジション(PP)を逃したMoto2時代の12年、最高峰クラスでは、ウエットコンディションの予選となった16年は転倒を喫し5番手だったが、それ以外はすべてトップタイムをマークしている。今年はMotoGPクラスで2年連続5回目、シルバーストンでは通算7回目のPPを目指し、予選の速さを結果につなげる意気込みだ。
3年連続5回目のタイトルを狙うマルク・マルケスは、11戦を終えて5勝を含む9回の表彰台獲得で、2位のバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)に59ポイント差と大きなリードを築いた。13年に史上最年少20歳で初優勝とシリーズチャンピオンを獲得。それ以降、シーズン史上最多優勝、PP、タイトル獲得など、史上最年少記録を数多く塗り替えてきた。今年は25歳で最高峰クラス5回目のタイトル獲得という偉業達成に向けて大きく前進。ここからの8戦、チーム一丸となってタイトル獲りに全力を尽くす。
前戦オーストリアGPを終えて総合8位。第2戦アルゼンチンGP以来、今季2度目の優勝を目指すカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が、ホームGPに闘志を燃やします。クラッチローが、チェコGPでMotoGP初優勝を達成した16年は、シーズン2勝を挙げる大活躍だった。イギリス人が最高峰クラスで優勝したのは1981年のバリー・シーン以来、35年ぶりの快挙。その勢いで迎えた16年のイギリスGPでは、77年のバリー・シーン以来、39年ぶりに英国人ライダーがホームGPでPPを獲得するという偉業に地元ファンは大喜びだった。そして決勝では2位。昨年の大会は4位と表彰台を逃したが、後半戦のスタートとなったチェコGPとオーストリアGPでトップグループに加わって5位、4位と安定しているだけに、今大会は2年ぶりの母国GP表彰台獲得と念願の母国GP制覇を目指す。
今年を最後に現役を引退することを表明しているダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、最後のイギリスGPに気合いを入れている。11戦を終えて総合11位とペドロサにとっては不本意なシーズンとなっている。今大会では、今季初表彰台、初優勝に挑む。これまでシルバーストンでは、12年と13年に3位表彰台に立っている。14年は4位、雨のレースになった15年と16年は5位。昨年は7位と表彰台争いから遠ざかっているが、念願のシルバーストン初制覇に挑む。
11戦を終えて総合17位。ルーキー勢で2番手につけるフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が、前戦オーストリアGPでタイヤの選択に失敗して19位に終わった雪辱に挑む。また、総合21位で前戦オーストリア大会で6戦ぶりにポイント獲得の中上貴晶(IDEMITSU LCR Honda)が、2戦連続ポイント獲得に挑む。シルバーストンは、昨年、Moto2クラスで優勝している。相性のいいサーキットで今季ベストを目指す。トーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)も11戦を終えて依然としてポイント獲得を果たせていない。今大会は念願のポイント獲得に挑む。
マルク・マルケス(MotoGP 総合1位)
「シルバーストンは高速で、テクニカルなサーキットですが、僕たちのマシンにはとても強い点があるので、いつものようにベストを尽くします。コースは再舗装されたので、パフォーマンスがよくなると思うので様子を見たいです。雨の中で走る機会が今年は長いことありませんでしたしたが、前戦オーストリアではウエットコンディションでも速く走れることが確認できました。これはイギリスでのレースを考えればとてもいいことです。シルバーストンでは天候もまた最大の敵となりますが、どのようなコンディションになっても再び表彰台争いができることを願っています」
カル・クラッチロー(MotoGP 総合8位)
「ブルノとオーストリアでいい結果を出してからシルバーストンへ向かいます。過去2戦の結果からも、ホームレースでは全力を出せます。Hondaは今年、エンジンにおいてすばらしい仕事をしました。シルバーストンは高速サーキットなので、これは重要なことです。家に戻る前のミサノのテストでは一生懸命取り組みました。このテストが役に立つことを願っています。ホームレースではいつも2つのことが頭にあります。表彰台を目標にトップ5に入るいいレースをするか、全力を尽くすかです。でもシンプルに今年は優勝したいです」
ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合11位)
「シルバーストンはこれまでとてもバンピーで、加えて天候がいつも不安定なので、得意なサーキットではありません。でもアスファルトが再舗装されたので、感触がよくなったかどうかを確認したいです。そしてレースに向けて金曜日の午前中からうまく仕事をこなして準備を整えたいです。天候はいつものように予測不可能なので、それにも備えなければなりません」
フランコ・モルビデリ(MotoGP 総合17位)
「レースウイーク中はマシンを理解するための時間がなかなか取れないので、ミサノのテストは貴重な時間となりました。自分にとってもよかったです。MotoGPマシンでコースを学び、データを収集できたので、本当に重要なテストでした。たくさん周回し、本当に楽しく走れました。そしてシルバーストンを見据えてテストを行うことができました。シルバーストンはコースが長いですが、とても速く、MotoGPマシンのポテンシャルをフルに引き出せるチャンスがあるので、今週が本当に楽しみです。目標は明確です。FP1から戦闘的になり、再びポイント圏内争いをすることです」
中上貴晶(MotoGP 総合21位)
「昨年のシルバーストンではMoto2クラスで優勝しました。ほかの年も表彰台を獲得したいるので、僕にとっては特別な場所です。また、カルのホームレースなので、チームにとっては特別なレースになります。2人ともいい結果を出せたらとてもうれしいです。高速コーナーが好きなので、シルバーストンを走るのは楽しいです。今年はMotoGPマシンで走るので、とても楽しみです。最高の気分だと思います。シルバーストンへ行く前にミサノでテストを行い、感触とスピードを上げるためにがんばりました」
トーマス・ルティ(MotoGP 総合24位)
「ミサノのテストはポジティブでした。9月の大会に向けていろいろ経験できたのでボーナスのようなものでした。ミサノは非常に暑かったですが、今後のレースでもっと強くなれるようにいろいろ試すことができます。シルバーストンはコースが幅広く、高速で、天候が大きな役割を担うので、いつも厳しいチャレンジになります。シルバーストンのような高速で歴史あるサーキットで走ることはうれしいです。天気がよくなることを願っています。日曜日の目標は、前のライダーたちとのギャップを縮められるように努力して、ポイント圏内に入ることです」
カテゴリー: F1 / MotoGP