MotoGP:ホンダ 2023年 第3戦 アメリカズGP 初日レポート
2023年 MotoGP 第3戦アメリカズGPのプラクティスは、厚い雲が空を覆い、断続的に小雨が降る難しいコンディションとなった。しかし、午後に行われたP2は雲の切れ間から青空がのぞき、まずまずのコンディションの中で行われた。

その中で、アメリカズGPの舞台となるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を得意とするアレックス・リンス(LCR Honda CASTROL)が3番手と好走を見せた。

午前中、時折り、小雨が降ったP1は2分4秒097で14番手だったが、P2では1.702秒タイムを短縮し、2分2秒395をマークして一気にポジションを上げた。トップとの差は、0.217秒。ダイレクトでQ2進出を果たしたリンスは、明日の予選では、今季初のフロントロー獲得に挑む。

リンスはこれまでCOTAでは、13年にMoto3クラスで優勝、Moto2クラスでは16年に優勝、そしてMotoGPクラスでは19年に優勝と3クラス制覇を達成している。LCR Honda CASTROLに移籍した今年は、開幕戦ポルトガルGPで10位、第2戦アルゼンチンGPでは9位。このレースでは、上位グループで好走を見せるも、ウエットコンディションの中で視界不良のため9位までポジションを落とす悔しい結果に終わっているだけに、今大会はHonda移籍初表彰台、初優勝が期待される。

前戦アルゼンチンGPのスプリントレースで転倒し、首や足を負傷して日曜日の決勝レースを欠場したジョアン・ミル(Repsol Honda Team)は、11番手だった。P1は2分4秒312で11番手。P2では1.408秒タイムを短縮する2分2秒904をマークしたが、ポジションを一つ落とし12番手で初日を終えた。前戦アルゼンチンGPのケガの影響で体調はまだ100%ではないが、Q1からQ2進出を狙い、上位グリッドを目指す。

チームメートの中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、P1で9番手とまずまず好調なスタートを切った。P2でもトップ10内のタイムを連続でマークするが、セッション終盤のアタックで13番手へとポジションを落とした。中上も、P1からP2にかけて0.931秒タイムを短縮したが、全体的にタイムが上がり、ダイレクトでのQ2進出は果たせなかった。しかし、チームメートのリンスが好タイムをマークしており、土曜日の予選では、チームメートのデータを活かし、Q2進出を狙う。

開幕戦ポルトガルGPの決勝レースで右手親指を骨折、アルゼンチンGPから2戦連続で欠場のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)の代役としてステファン・ブラドルが出場した。ブラドルは、大会直前にスペインのヘレスでテスト走行を行い、そのままアメリカ入りするというハードな日程となったが、着実にタイムを短縮し、トップから1.951秒差の20番手だった。今大会は、マルク・マルケスのマシンでセットアップに集中し、マルケスの復帰に向けて多くのデータを収集する意気込みだ。

アレックス・リンス(LCR Honda CASTROL)
「アルゼンチンより一歩前進することが出来ました。P2では、ポルトガルの状態で走り、ベストラップもアベレージもよかったです。今日の結果には満足しています。このコースは以前から好きなコースで、今日も楽しく乗ることが出来ました。まだ改善すべき点はありますが、前進したことは間違いありません。チームのみんなに感謝したいです」

ジョアン・ミル(Repsol Honda Team)
「今日はポテンシャルがありました。最後の転倒がなければ、あとコンマ5秒は速いタイムをマークできたかも知れず、トップ10に入っていたかもしれません。でもこのようなことはレースではたまに起きるものです。今のMotoGPは、小さなミスをしたり、何かが足りないなど本当にちょっとしたことで、今日のように6位から12位まで下がってしまいます。まだ100%の状態ではありません。ここはシーズンを通して最も体力的にきついサーキットなので、それも影響しています。でも明日は前進できる可能性があると思います」

中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)
「午前中のP1はトップ10に入れたので、まずまずいいスタートが切れました。しかし、午後のP2がドライならタイムが上がることは間違いないので、自分もタイムを上げなくてはいけないと思っていました。実際、1秒近くタイムを短縮したのですが、予想していたより全体的にタイムが上がり13番手へとポジションを落としました。今日は、P1、P2ともにプッシュできたのですが、セクター3でタイムロスしているのが影響しました。今日はチームメートのリンスが自分より約1秒速いタイムをマークしているので、そのデータを確認して、コピーできる部分があればコピーして明日に挑みたいです。序盤の2戦、グリッドの悪さが決勝に影響しているので、明日は何としてもQ2に進出したいです」

ステファン・ブラドル(Repsol Honda Team)
「セッションの最後にミスをしてしまいましたが、今日のライディングにはかなり満足しています。あのラップを走り切っていたら、いくつかポジションは上げられたと思います。でも、全体的にはいい一日でした。このサーキットはとても体力を使います。レースに戻ってくることは常にチャレンジですが、ここはさらにたいへんです。幸い、いつも楽しく走っているし、フィーリングもすぐに取り戻すことができました。これから休んで、明日へ向けてプランを練り、初めてのスプリントに備えたいと思います」

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カテゴリー: F1 / MotoGP