MotoGP:スズキ 2021年 第16戦 エミリア・ロマーニャGP 決勝レポート
数々のドラマを生んだエミリア・ロマーニャGP決勝はリンスが健闘の6位
MotoGP決勝前のミザノワールドサーキット/マルコ・シモンチェリではエキサイティングなエアーショーが行われ、決勝前のサーキットを盛り上げる。轟音が止むと厳かなイタリア国歌が歌われ、その後27周で行われるエミリア・ロマーニャGPがスタートした。
チームスズキエクスターにとっては厳しい展開を強いられた決勝となったが、タイトル争いのふたりのライダーの激しい戦いは、トップを激走するフランチェスコ・バグナイア(ドゥカティ)がレース終盤にまさかの転倒を喫したことにより、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が2021年シリーズチャンピオンを獲得した。
アレックス・リンス、ジョアン・ミルはそれぞれ13番手と18番手のグリッドポジションからスタート。グリッドは後方となるも日曜日は天候が回復し、ドライレースとなったことで決勝に大きな期待を寄せる。ミザノはコース幅が狭く、ストレートが短いためにスタート直後は各ライダー達がポジション取りに苦戦する中、リンスはすぐに11番手にポジションアップし、ミルも15番手となる。しかしレース3周目、ミルにジャンプスタートによるペナルティーが通告される。さらにその直後、ミルはダニーロ・ペトルッチ(KTM)と共に転倒を喫し、ライダーは共に無傷も、再スタートすることなくミルはレースをリタイヤする。
ミルのリタイヤにより唯一のスズキライダーとなったリンスは、上位フィニッシュを目指して徐々にペースを上げ、オーバーテイクを繰り返していく。14周目には7番手までポジションを上げ、さらに翌周には6番手に。トップ4人がハイペースを維持したまま少しずつ後続との差を広げていくが、リンスも諦めることなく5番手グループで走行を続ける。レース終盤には数々のドラマが起こるが、リンスは粘りの走りで6位でチェッカーを受け、チャンピオンシップランキングでは11位に浮上した。
「チームスズキエクスター一同より、新たに2021年シリーズチャンピオンとなったファビオ・クアルタラロ選手および関係者全ての皆様に祝福の言葉をお送りします」
佐原伸一 プロジェクトリーダー&チームディレクター
「我々にとって難しいウィークになりました。天気が安定しなかったことや転倒したことも影響し、スターティンググリッドが後方となってしまい、レースのマネージメントがより難しくなりました。ジョアンは転倒して2周でレースを終えてしまった一方で、アレックスは着実な追い上げを見せてくれましたが、終盤はタイムの維持が難しくなり順位を落としてしまいました。後方グリッドからのスタートの場合、アクシデントの可能性が増えたり、追い上げによるタイヤの消耗の原因となりうるので、予選タイム改善という課題に取り組んで、決勝でパフォーマンスを発揮できるようにしたいと思います。今回のレースで年間チャンピオンを決めたクアルタラロ選手およびヤマハ関係者の皆様を心から祝福いたします。」
河内 健 テクニカルマネージャー
「昨日の予選グリッドを今日の決勝ではもっと挽回できることを期待していたのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。今週のジョアンには全ての不運が集まってしまったかのようにうまくいかないことばかりでしたが、気持ちを切り替えて次のレースではまた新たにチャレンジしたいと思います。アレックスはいつも通り、後方からのスタートながら決勝ではしっかり挽回してくれたのですが、今日は表彰台争いをするペースがありませんでした。非常に残念に思います。全ての面で今後も進歩を続け、成績を向上させていかなくてはいけないと思っています。ラスト2戦しっかりと戦い、また表彰台に戻れるよう努力を続けます。最後になりましたが、今日2021年シーズンのチャンピオンを獲得したクラルタラロ選手とヤマハ関係者の皆様には心より祝福の言葉を送りたいと思います。」
アレックス・リンス
「まずは今日タイトルを決めたファビオにおめでとうと伝えたい。今シーズンの彼は本当に強かったし、チャンピオン獲得にふさわしい素晴らしいパフォーマンスだったからね。自分のレースに関しては、100%の力を出し切って走った結果が6位だったから後悔はないよ。グリッドが後方だったことももちろんレースを難しくした大きな要因ではあったけど、タイヤが新しいうちはなかなかペースを上げることができなくて、思うようにトップグループに近付くことができなかったんだ。ペースを上げることができるようになった時にはトップグループとかなり差が開いてしまったから、とにかく集中してひとりずつオーバーテイクしていった。望んでいた結果ではないけど、6位まで順位をリカバリーすることができたし、前回のミザノは完走できなかったからきっちり結果を残せたことは嬉しい。次戦ポルティマオではもっと上位を狙うよ。」
ジョアン・ミル
「正直この週末は金曜日からずっとうまくいかないことばかりだったけど、今日の決勝はさらに不運の集大成みたいになってしまって本当に残念としか言いようがないよ。スタートではローンチコントロールのスイッチを入れたかどうか不安になってそれを確認した時にマシンがスタートラインからちょっと前に出てしまったみたいでジャンプスタートペナルティーを課せられ、そのペナルティー表示が出た直後に自分のミスで転倒してしまった。そもそもグリッドが後方だったし、厳しいレースになることは予想していたけど、もっとちゃんとレースをマネージメントするべきだったと反省しているし、チームの皆に本当に申し訳ない思いだよ。今シーズン、タイトルを守ることができなかったことは残念だけど、ファビオには素直におめでとうと言いたい。今年の彼のパフォーマンスは本当に素晴らしかったし、彼と彼のチーム皆にチャンピオン獲得の偉業に対して心から祝福するよ。」
カテゴリー: F1 / MotoGP
MotoGP決勝前のミザノワールドサーキット/マルコ・シモンチェリではエキサイティングなエアーショーが行われ、決勝前のサーキットを盛り上げる。轟音が止むと厳かなイタリア国歌が歌われ、その後27周で行われるエミリア・ロマーニャGPがスタートした。
チームスズキエクスターにとっては厳しい展開を強いられた決勝となったが、タイトル争いのふたりのライダーの激しい戦いは、トップを激走するフランチェスコ・バグナイア(ドゥカティ)がレース終盤にまさかの転倒を喫したことにより、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が2021年シリーズチャンピオンを獲得した。
アレックス・リンス、ジョアン・ミルはそれぞれ13番手と18番手のグリッドポジションからスタート。グリッドは後方となるも日曜日は天候が回復し、ドライレースとなったことで決勝に大きな期待を寄せる。ミザノはコース幅が狭く、ストレートが短いためにスタート直後は各ライダー達がポジション取りに苦戦する中、リンスはすぐに11番手にポジションアップし、ミルも15番手となる。しかしレース3周目、ミルにジャンプスタートによるペナルティーが通告される。さらにその直後、ミルはダニーロ・ペトルッチ(KTM)と共に転倒を喫し、ライダーは共に無傷も、再スタートすることなくミルはレースをリタイヤする。
ミルのリタイヤにより唯一のスズキライダーとなったリンスは、上位フィニッシュを目指して徐々にペースを上げ、オーバーテイクを繰り返していく。14周目には7番手までポジションを上げ、さらに翌周には6番手に。トップ4人がハイペースを維持したまま少しずつ後続との差を広げていくが、リンスも諦めることなく5番手グループで走行を続ける。レース終盤には数々のドラマが起こるが、リンスは粘りの走りで6位でチェッカーを受け、チャンピオンシップランキングでは11位に浮上した。
「チームスズキエクスター一同より、新たに2021年シリーズチャンピオンとなったファビオ・クアルタラロ選手および関係者全ての皆様に祝福の言葉をお送りします」
佐原伸一 プロジェクトリーダー&チームディレクター
「我々にとって難しいウィークになりました。天気が安定しなかったことや転倒したことも影響し、スターティンググリッドが後方となってしまい、レースのマネージメントがより難しくなりました。ジョアンは転倒して2周でレースを終えてしまった一方で、アレックスは着実な追い上げを見せてくれましたが、終盤はタイムの維持が難しくなり順位を落としてしまいました。後方グリッドからのスタートの場合、アクシデントの可能性が増えたり、追い上げによるタイヤの消耗の原因となりうるので、予選タイム改善という課題に取り組んで、決勝でパフォーマンスを発揮できるようにしたいと思います。今回のレースで年間チャンピオンを決めたクアルタラロ選手およびヤマハ関係者の皆様を心から祝福いたします。」
河内 健 テクニカルマネージャー
「昨日の予選グリッドを今日の決勝ではもっと挽回できることを期待していたのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。今週のジョアンには全ての不運が集まってしまったかのようにうまくいかないことばかりでしたが、気持ちを切り替えて次のレースではまた新たにチャレンジしたいと思います。アレックスはいつも通り、後方からのスタートながら決勝ではしっかり挽回してくれたのですが、今日は表彰台争いをするペースがありませんでした。非常に残念に思います。全ての面で今後も進歩を続け、成績を向上させていかなくてはいけないと思っています。ラスト2戦しっかりと戦い、また表彰台に戻れるよう努力を続けます。最後になりましたが、今日2021年シーズンのチャンピオンを獲得したクラルタラロ選手とヤマハ関係者の皆様には心より祝福の言葉を送りたいと思います。」
アレックス・リンス
「まずは今日タイトルを決めたファビオにおめでとうと伝えたい。今シーズンの彼は本当に強かったし、チャンピオン獲得にふさわしい素晴らしいパフォーマンスだったからね。自分のレースに関しては、100%の力を出し切って走った結果が6位だったから後悔はないよ。グリッドが後方だったことももちろんレースを難しくした大きな要因ではあったけど、タイヤが新しいうちはなかなかペースを上げることができなくて、思うようにトップグループに近付くことができなかったんだ。ペースを上げることができるようになった時にはトップグループとかなり差が開いてしまったから、とにかく集中してひとりずつオーバーテイクしていった。望んでいた結果ではないけど、6位まで順位をリカバリーすることができたし、前回のミザノは完走できなかったからきっちり結果を残せたことは嬉しい。次戦ポルティマオではもっと上位を狙うよ。」
ジョアン・ミル
「正直この週末は金曜日からずっとうまくいかないことばかりだったけど、今日の決勝はさらに不運の集大成みたいになってしまって本当に残念としか言いようがないよ。スタートではローンチコントロールのスイッチを入れたかどうか不安になってそれを確認した時にマシンがスタートラインからちょっと前に出てしまったみたいでジャンプスタートペナルティーを課せられ、そのペナルティー表示が出た直後に自分のミスで転倒してしまった。そもそもグリッドが後方だったし、厳しいレースになることは予想していたけど、もっとちゃんとレースをマネージメントするべきだったと反省しているし、チームの皆に本当に申し訳ない思いだよ。今シーズン、タイトルを守ることができなかったことは残念だけど、ファビオには素直におめでとうと言いたい。今年の彼のパフォーマンスは本当に素晴らしかったし、彼と彼のチーム皆にチャンピオン獲得の偉業に対して心から祝福するよ。」
カテゴリー: F1 / MotoGP