F1メキシコGP フリー走行1回目 展開:アービッド・リンドブラッドが6番手
2025年F1第20戦メキシコGPのフリー走行1回目(FP1)が、メキシコシティのアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスで行われた。

晴天のもと気温23度、路面温度48度という厳しいコンディションのなか、シャルル・ルクレールが1分18秒380を記録してトップタイムをマーク。ルーキー9名が出走するにぎやかなセッションとなったが、上位勢ではフェラーリ、メルセデス、ザウバーが好調を見せた。

■ セッション序盤:ダスティな路面、オコンが先頭に
セッション開始直後、まずはフレデリック・ベスティ(メルセデス)とアンドレア・キミ・アントネッリが先にコースイン。オープニングラップではエステバン・オコンが1分21秒884で暫定トップに立ち、ルクレールが0.055秒差で続いた。ほとんどのマシンがハードタイヤで走行し、路面の砂ぼこりが舞うなか、各ドライバーは慎重にグリップを探った。

■ ミドルフェーズ:ハジャーが一時トップ、プロスト仕様ヘルメットが話題に
中盤に入ると、アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)がアルヌー=プロスト時代をモチーフにした特製ヘルメットで登場。一時はトップタイムを記録したが、その直後にブレーキングをミスしてランオフエリアへ。幸いマシンに損傷はなく、すぐに復帰した。最終的には1分19秒409で11番手にとどまったものの、安定した走りを披露した。

アイザック・ハジャー メキシコグランプリ

■ アントネッリが好調を維持、ハイペースで周回
メルセデス勢ではアントネッリが好調をキープ。前戦アメリカGPではサインツとの接触でリタイアに終わったが、この日はクリーンな走行でペースを刻み、終盤までトップ付近を走行した。最終的に1分18秒487で2番手につけ、チームメイトのベスティ(14番手)を大きく上回った。

■ ピアストリは4番手、マシンの挙動を慎重に確認
オスカー・ピアストリ(マクラーレン)はセッション中盤にソフトタイヤを投入し、1分18秒784で4番手タイムを記録。しかし、ターン出口で大きなスライドを喫するシーンもあり、ダスティな路面の影響を受けた。チームメイトのランド・ノリスはこのセッションを欠場し、ピットウォールからマシンの挙動を観察した。

■ ルーキー勢の競演:リンドブラッドが6番手の好結果
9人のルーキードライバーが参加した今回のFP1では、レッドブルのアービッド・リンドブラッドが存在感を示した。ソフトタイヤで安定した走行を見せ、1分18秒997で6番手を獲得。角田裕毅(1分19秒090/8番手)を上回るパフォーマンスを披露した。他にもハースの平川亮が16番手、アルピーヌのポール・アロンが15番手と、それぞれ堅実な走行を重ねた。

■ 角田裕毅は8番手、ロングラン中心のプログラム
角田裕毅(レッドブル)は、序盤にソフトタイヤでタイムを出した後、ハードに切り替えてロングランへ。1分19秒090で8番手に入り、リンドブラッドとの差はわずか0.093秒だった。チームは冷却パッケージとリアウイング周りの評価を重視しており、決勝に向けた安定性確認を優先した模様だ。

■ セッション終盤:ルクレールが最速、ザウバー勢も上位に
終盤にルクレールがソフトタイヤでアタックを敢行し、1分18秒380を叩き出してトップに浮上。フェラーリ勢は昨年同地でサインツが勝利を挙げており、今回も高地特性への適応を見せた。ザウバー勢も好調で、ヒュルケンベルグが3番手、ガブリエル・ボルトレトが5番手と上位に食い込んだ。

■ 終盤のハイライト:ダスティな路面、走行ラップ続出
ピアストリがターン出口でスライドするなど、依然として路面のダストは多く、トラクション確保が課題に。アントネッリが最多33周を走破し、全体として長めの走行距離を確保。多くのチームが実戦データの蓄積を優先した。

■ FP1結果(トップ10)
1番手 シャルル・ルクレール(フェラーリ)1分18秒380
2番手 アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)+0.107
3番手 ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)+0.380
4番手 オスカー・ピアストリ(マクラーレン)+0.404
5番手 ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)+0.536
6番手 アービッド・リンドブラッド(レッドブル)+0.617
7番手 エステバン・オコン(ハース)+0.658
8番手 角田裕毅(レッドブル)+0.710
9番手 フランコ・コラピント(アルピーヌ)+0.951
10番手 アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)+1.004

■ まとめ:高地特有の冷却対策と信頼性が鍵に
標高2,200m超のメキシコシティでは、空気の薄さによる冷却効率の低下が大きなテーマ。今回各チームが持ち込んだ“アップグレード”の多くは冷却パッケージであり、パワーユニットとブレーキの温度管理が週末の明暗を分けるとみられる。午後のFP2では、より気温が下がり予選条件に近い走行が期待される。

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カテゴリー: F1 / F1メキシコGP