メルセデスF1代表 “アントネッリが譲った”発言のフェルスタッペン陣営を批判
メルセデスF1チーム代表のトト・ヴォルフは、2025年F1カタールGP終盤におけるジャンピエロ・ランビアーゼ(マックス・フェルスタッペンのレースエンジニア)の無線発言を「ブレインレス(考えなし)」と痛烈に批判した。

問題となったのは、ランド・ノリスがキミ・アントネッリをペナルティメットラップで追い抜いた場面について、ランビアーゼがフェルスタッペンに「アントネッリがただ脇に寄ってノリスを行かせたように見える」と伝えたこと。これにヴォルフが強く反応し、レース後の取材で厳しい言葉を投げかけた。

ノリスの逆転オーバーテイクが引き起こした火種
レース終盤、ノリスはアントネッリの後ろでしばらく苦戦していたが、メルセデスの新人がターン10でワイドにふくらんだことでオーバーテイクが成立。この2ポイント差がタイトル争いに大きく影響し、最終戦アブダビへのノリスのリードは 12ポイント に。

ランビアーゼはこの場面について無線でフェルスタッペンに「アントネッリはただ引き返ってノリスを行かせたように見える」と伝え、これがヴォルフの逆鱗に触れた。

ヴォルフ「完全なナンセンス。腹が立つ」
ヴォルフはレース後のSky Sportsの取材で、明確に怒りを表した。

「これは完全にナンセンスだ。そんなことを言うなんて信じられない」

「我々はコンストラクターズ選手権の2位を争っている。キミ自身もポディウム(3位)を狙って戦っていた。どうすればこんなことを言えるのか?腹が立つ。レース内容にもミスにも怒っているが、この発言は本当に理解できない」

ヴォルフは、アントネッリの走行が“意図的”である可能性を強く否定した。

ジャンピエロ・ランビアーゼ(マックス・フェルスタッペンのレースエンジニア)

ランビアーゼはすでに謝罪、ヴォルフも「空気はクリアになった」
一方、彼はすでにランビアーゼ本人と会話したことも明かした。

「GP(ランビアーゼ)と話した。彼はあの瞬間とてもエモーショナルだったのだろう。彼らはP3が必要だったんだ。今の結果ではタイトル争いの条件が変わってしまった」

「私は彼に言った。『キミはただオフしただけだ』と。前のコーナーで少し挙動が乱れ、その影響で次の左コーナーの進入スピードが落ち、そこでアクセルを入れた時にああいうことは起こり得る。GPとはすべてクリアだ」

ランビアーゼは「状況を見ていなかった」と釈明し、SNSで騒ぎになったことへの謝罪も行ったという。

アントネッリ「予想外の“マッシブ・モーメント”。ただのミス」
当のキミ・アントネッリも、ノリスへの“譲り”疑惑を完全否定した。

「正直、とても悔しい。ポディウムが近かっただけにね」

「カルロス(サインツ)の後ろで多くの時間を失った。ダーティーエアがきつくて、タイヤのオーバーヒートも酷かった。ハードでカルロスに追いつくためにプッシュした結果、ターン9で少し速く入りすぎて大きなスライドが出た」

「予想外だったけど、とにかくリアを失ってコースオフした。ただのミスだよ。あそこでポジションを失ったのは本当に残念だった。あと2ポイントあったはずなのに」

アントネッリは状況を具体的に説明し、パフォーマンスの限界を攻めた結果だったと語った。

タイトル争いは最終戦アブダビへ
この結果、ランキングは以下のように推移した。

・ランド・ノリス:首位、フェルスタッペンに対して 12ポイント差
・マックス・フェルスタッペン:2位
・オスカー・ピアストリ:首位から 4ポイント差の3位

最終戦アブダビは、3者によるタイトル決定戦となる。

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カテゴリー: F1 / メルセデスF1 / マックス・フェルスタッペン / F1カタールGP / アンドレア・キミ・アントネッリ