メルセデス 2025年F1マシンに持続可能なカーボンファイバー複合材料を導入

カーボンファイバー・コンポジットは、チームのレースカーの素材のおよそ75%を占め、パフォーマンスと安全性の両方を実現する。この分野におけるイノベーションは、マシンの二酸化炭素排出量を大幅に削減する大きなチャンスとなる。また、2040年までにあらゆる分野でネットゼロを達成するというシルバーアローの目標に向けた新たなステップにもなる。
カーボンファイバー・コンポジットは主に2つの主要コンポーネントで構成されている。すなわち、ファイバー(約60%)と樹脂システム(約40%)である。持続可能なカーボンファイバー・コンポジットを実現するには、この両方のコンポーネント、すなわちファイバーと樹脂システムの両方に取り組む必要がある。
メルセデスはサプライチェーンと協力し、年内に導入する2つのプロジェクトを進めている。1つは樹脂システム、もう1つはカーボンファイバーそのものに取り組むものである。

各カーボンファイバー・コンポジット・コンポーネントには、最終製品を納品するために4~8社のサプライヤーが関与しているが、レースカーに使用するには、各コンポーネントは厳格なラボ試験に合格しなければならない。
チームは、関連するレギュレーションの範囲内でFIAと緊密に協力しながら、持続可能なカーボンファイバー・コンポジットが従来の素材と同等の技術的難度を要求する要件を満たすことを実証することが目的であると述べている。
また、持続可能な高性能を追求するチームの取り組みの1つとして、シルバーアローは、このような技術革新が、航空や航空宇宙から技術性能ファブリックに至るまで、モータースポーツ以外の分野にも発展する機会を提供できると信じている。
チーム代表兼CEOのトト・ヴォルフは次のようにコメントした。「パフォーマンスと革新を組み合わせると、進歩が生まれる。私は、持続可能な変化をもたらすことに専念する問題解決チームを率いることを誇りに思う」

「我々の革新的な取り組みを支援してくださるパートナーの皆様、そしてこうした素材のテストを可能にしてくださるFIAに感謝する」
「我々は力を合わせて持続可能な製品の開発を進め、F1が世界最速の研究所であり続けることを示している」
メルセデスのサステナビリティ部門の責任者であるアリス・アシュピテル氏は次のように付け加えた。「私たちは、このスポーツにおける持続可能なイノベーションの最前線に立つことを誇りに思っている」
「リーダーシップは革新によって推進されなければならない。我々のチームのこの分野における努力は、世界で最も持続可能なグローバルスポーツチームのひとつになるという我々の野望の最新の証明だ。今シーズン、持続可能な素材の応用を探究することを楽しみにしている」
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