メルセデスF1代表 レッドブルの牙城は「エベレスト級」
メルセデスのF1チーム代表を務めるトト・ヴォルフは、今季チームがワールドチャンピオンに及ばないポイントしか獲得できず、ランキング2位に終わったことを受け、レッドブルを追いかける挑戦をエベレスト登頂になぞらえた。

レッドブルは今年、全22戦のうち1戦を除くすべてのレースで優勝を飾り、圧倒的な強さでコンストラクターズタイトルを獲得。一方、マックス・フェルスタッペンは年間19勝という記録を達成し、ドライバーズタイトルを獲得した。

これでフェルスタッペンはタイトル3連覇となり、そのたびにライバルとの差を広げてきた。レッドブルは2022年の新テクニカルレギュレーション導入以降、メルセデスに代わってF1を支配している。

「レッドブルは2022年のこのレギュレーションを大きなアドバンテージを持ってスタートし、それを維持できている」とヴォルフ。「エンジニアリングの面でもドライバーの面でも、彼らの功績に敬意を払う必要がある。現在のレギュレーションの下で彼らを破るのは不利であることは明らかだ」

メルセデスは最終戦アブダビGPでコンストラクターズ選手権2位の座を確保したものの、今季はレッドブルの860ポイントに対してわずか409ポイントしか獲得していない。

来年のクルマの開発は数カ月前から進められており、レッドブルは今年の優勢なRB19の開発を無視して次期RB20の開発に取り組む一方、メルセデスはクルマのコンセプトに大幅な変更を加えることにした。冬の間にパフォーマンスが大幅に向上することを期待している。

「マクラーレンはアップデートでラップタイムを1秒縮めたし、アルファタウリでは最後に力を発揮し、アストンマーティンは冬にそれを実現した。そこにパフォーマンスを劇的に向上させる鍵がある」とヴォルフは語った。

「このマシンは決してチャンピオンシップを争うのに十分なものではないというのが我々の正直な評価だと思う。春には、初心に戻って来年は何か新しいものを考えなければならないという決断を下した。だが、我々の目の前にエベレストが立ちはだかっている」

メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

メルセデスのファクトリーで目にした進歩から、2024年について楽観的かどうか尋ねられたヴォルフは「これまでの人生で楽観的だと感じたことはない。そう言うと惨めに聞こえるかもしれないが、自分の期待を管理し、よりハードにプッシュすることを教えてくれたんだ」と語る。

「だから今日、2位では勝ったが、1位には負けたというほろ苦い気持ちでここに座っている。我々はコンセプトを変更し、シャシーのレイアウト、重量配分、エアフローなど、文字通りほとんどすべてのコンポーネントを変更している。

「だからこそ、私は今日ここに座って、今日は2位で勝ったものの、1位で負けたというほろ苦い思いを抱えている。そこで私たちはコンセプトを変更し、シャーシのレイアウト、重量配分、エアフローから完全に代えている。文字通り、ほぼすべてのコンポーネントが変更されているということだ。なぜなら、そうすることによってのみチャンスがあるからだ」

「期待しているような結果が得られないこともあれば、追いついて大きなステップを踏み出し、上位を争うこともある。今日の私に言わせれば、常に懐疑的だが、それがチームのメンタリティであり、決してあきらめることなく前進する原動力になっている」

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カテゴリー: F1 / メルセデスF1