マクラーレン WEC新チーム「マクラーレン・ユナイテッドAS」を正式発足
マクラーレン・レーシングは6月14日、1995年のル・マン24時間レース初参戦初優勝からちょうど30年の節目となる記念日に、FIA世界耐久選手権(WEC)ハイパーカークラスへの本格参戦に向けた新チーム「マクラーレン・ユナイテッドAS(McLaren United AS)」を正式に発足した。これはマクラーレンが1995年にJ.J.レート、ヤニック・ダルマス、関谷正徳の3人のドライバーとともにF1 GTRでデビュー戦優勝を飾った伝説的勝利を記念する形での発表となった。

新チームは、マクラーレンとユナイテッド・オートスポーツの共同運営により編成される。両チームはともにザク・ブラウンCEOが所有する企業グループに属しており、今回のパートナーシップは長期的な耐久レースプログラムの基盤を築くものとされている。

2027年からWECのハイパーカークラスに参戦するマクラーレンの新型マシンは、LMDhレギュレーションに準拠したシャシーをダラーラが製作。パワートレインには、マクラーレン・レーシングとマクラーレン・オートモーティブが共同開発したV6ツインターボエンジンを搭載し、ATM社の協力により供給される。

ザク・ブラウンはその理由について「当初IMSAのLMDh規定に合わせたが、いまやLMHも含めた柔軟な対応が可能になっている。我々としては世界中の耐久レースに挑戦できるプラットフォームを選びたかった」と語っている。

この新たな耐久レース体制を率いるチーム代表(Team Principal)には、フォーミュラEでジャガーTCSレーシングを率いてきたジェームス・バークレイが就任。バークレイは、現在のフォーミュラEシーズン終了後となる2024年9月にチームに正式合流し、マクラーレン・レーシングのエグゼクティブ・リーダーシップチームの一員として、CEOであるザク・ブラウン直属で活動する。

バークレイは2016年にジャガーのフォーミュラE参戦を主導して以降、同チームを勝利に導き、1991年以来の世界選手権制覇も達成した豊富な経験を持つ。ブラウンは「マクラーレン・レーシングがWECに復帰するこの新たな章において、ジェームスのリーダーシップは極めて重要だ」と語った。

「彼とは長年の知己であり、モータースポーツ界における豊富な経験を高く評価している。フォーミュラEでの成功実績もあり、何より“レーサー”だ。商業的な感覚も持ち合わせており、成功に必要な要素をすべて備えている。まさに理想的な人材だ」

マクラーレン・ユナイテッドASジェームス・バークレイがマクラーレン・ユナイテッドASのチーム代表に就任

ハイパーカークラスへの参戦を決断した理由については、次のように述べた。

「F1やインディカーでの我々の強さがあること。そして新たなプラットフォームの成功が見え始めている今、このタイミングは絶好だと判断した」

マシンのテストはまだ行われていないが、近くファンに向けたプレビューの発表を予定しているという。

「まだマシンのテストはしていないが、開発は順調に進んでいる。ジェームスの指揮のもと、チームの未来が形になっていくのを楽しみにしているし、2027年仕様のレースカーをファンに初披露する日が待ち遠しい」

また、ル・マン現地では6月14日午前10時(CEST)より、マニュファクチャラーズ・ビレッジにて、2027年型ハイパーカーの初公開イベントが行われる予定で、ザク・ブラウンCEO自らがプレゼンテーションを行う。

ザク・ブラウン(マクラーレン・レーシング CEO):
「マクラーレンのWEC復帰は、我々にとってまったく新しい、そして極めて刺激的なチャプターの始まりだ。1995年の勝利は我々の歴史の中でも象徴的な瞬間であり、再びル・マンの頂点に挑む準備が整いつつある。ジェームスのリーダーシップのもと、マクラーレン・エンデュランス・レーシングはすぐに競争力あるチームとして確立されると確信している。ファンの皆さんに新型車をお披露目できることを心から楽しみにしている」

ジェームス・バークレイ(マクラーレン・ユナイテッドAS チーム代表):
「このような伝統あるブランドの一員になれることを誇りに思う。マクラーレンが体現するレーシングスピリットと成功への情熱には常に感銘を受けてきた。世界最高峰の舞台で戦えるチームを築き上げ、マクラーレンの革新性と情熱を代表する存在になりたい」

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / ル・マン24時間レース / WEC (FIA世界耐久選手権)