マクラーレンF1 昨季最大の武器を喪失 タイヤ管理で後退

マクラーレンは昨年、優れたタイヤ温度管理能力によってライバルを圧倒していたが、チーム代表のアンドレア・ステラは、今年のMCL40ではそのアドバンテージを維持できていないことを認めている。
マクラーレン最大の武器だったタイヤ管理能力
2025年のマクラーレンは、とりわけリアタイヤの温度管理とデグラデーション抑制で大きな優位性を持っていた。
その性能はライバル陣営の間でさまざまな憶測を呼び、「タイヤに水を注入しているのではないか」といった根拠のない噂まで飛び交ったほどだった。
しかし、タイヤへの熱負荷が大きいバルセロナ・カタルーニャGPを前に、ランド・ノリスは現在の勢力図が変わったことを認めた。
「僕たちはメルセデスほどタイヤのデグラデーションに強くないと思う」
「今はメルセデスがこの分野のトップだと思う。僕たちも他チームと比べれば良い方だけど、フェラーリもコーナーでは信じられないほど速い」
ステラ代表も後退を認める
ステラは、タイヤを適正温度に持ち込む能力と、その温度を維持する能力の両面で、昨年ほど競争力がないと説明した。
「我々には改善できる余地があることを理解している」
「カナダのような低温コンディションではタイヤ温度の問題によって競争力を失った。そしてここバルセロナのような高温条件でも、2025年ほどタイヤコンディショニングやデグラデーション管理で優位に立てていない」
「これは開発面で非常に明確な課題だ。プラクティスで見た限り、この分野で特別な優位性は持っていないように見える」
2026年レギュレーション変更が影響
ステラによると、2026年の大幅なレギュレーション変更が影響しているという。
ダウンフォースの減少、小径化されたタイヤ、新しいブレーキ冷却システム、さらに回生エネルギー増加への対応などにより、車両設計全体が大きく変化した。
その結果、昨年まで培ってきたタイヤ管理技術をそのまま適用することが難しくなった。
「タイヤだけではなく、設計上のさまざまな理由からリセットしなければならない部分があった」
「完全な新車を開発する中で、多くの要求を同時に満たす必要があった。我々は今、その中で最も改善余地の大きい領域を微調整している段階だ」
「タイヤ自体の要求が大きく変わったわけではない。むしろ、その要求に応えられるマシンを設計する必要があるということだ」
メルセデスとフェラーリが優勢か
こうした状況を受け、オスカー・ピアストリも決勝レースでは苦戦を覚悟している。
「厳しいレースになると思う」
「予選ではメルセデスに近づけるかもしれないし、フロントローやトップ3争いはできると思っていた。でも決勝距離では隠れる場所はない」
ノリスも、現在はメルセデスとフェラーリの方がタイヤを温存しながら速く走れると分析した。
「彼らはコンマ3秒遅いペースで走りながらタイヤを守っても、それでも僕たちより速い」
「僕はさらにコンマ1秒プッシュしなければならないし、その結果タイヤをオーバーヒートさせてしまう。だから今回は無理に攻め過ぎたくないレースになると思う」
マクラーレンの開発競争が今後の焦点
2025年にタイトル獲得の原動力となったタイヤ管理性能を失ったマクラーレンは、2026年シーズン序盤においてメルセデスとフェラーリの後塵を拝している。
ステラが明言したように、この分野は今後の開発における最優先課題のひとつとなっており、シーズン後半に向けて再び強みを取り戻せるかがタイトル争いの重要な分岐点となりそうだ。
カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム
