マクラーレン・ホンダ:2017 F1中国GP レースレポート
4月9日(日)、上海インターナショナル・サーキットで開催されたF1中国GPで、マクラーレン・ホンダは早々にレースを終えるかたちとなった。
レース前に雨は止んだものの、スタート時には路面がまだ濡れた状態であったため、両ドライバーともインターミディエイトタイヤを装着してのスタートを選択。フェルナンド・アロンソ、ストフェル・バンドーンともに好スタートを決めた。
ストフェル・バンドーンのマシンのリアがライバルに接触するトラブルがあったものの損傷はなく、両ドライバーともスタート直後のアクシデントに巻き込まれることなく走行を続けた。
サーキットが急速にドライコンディションに戻る中、チームは2周目に2台同時のピットストップを決断。フェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーンはクルーの完ぺきな作業のあとにソフトタイヤに履き替えた。コース上に戻った両ドライバーは徐々にポジションを上げ、アロンソは7周目までに6番手に浮上。その後、何周にもわたり7番手のポジションをキープした。
ただ残念ながら、チームは信頼性を十分に維持することができず、ストフェル・バンドーンはパワーを失ったあとに燃料系の不具合により18周目でリタイア。一方のフェルナンド・アロンソはドライブシャフトに問題を抱え、34周目でコース上にマシンを止める結果となった。
マクラーレン・ホンダは、連戦となる2戦目を迎える前に気持ちを切り替え、数日後には次戦のバーレーンGPウイークに臨む。
フェルナンド・アロンソ
「非常に難しいコンディションの中、13番手からスタートし、数周後には6番手を走行していた。最初の2周でいい走りができたことが大きいが、うれしいサプライズだった。他のマシンがあちこちでスピンしていたが、この難しい状況が長く続いてほしいと思っていた。他車のスピンにより、労せずしてオーバーテイクできたり、昨日言った通りにうまくチャンスを生かしたりができていた。その後、しばらくは7番手のポジションを死守していたが、コースがドライになるにつれて徐々に順位を落とし始めた。今日は、いい結果を出すために、自分たちにどれほどのハングリー精神があるかを示すことはできたが、残念ながらレースを完走するほどの強さはまだなかった。冬季テストが十分にできなかったために、今、その大きな代償を払う結果となっているが、早急に改善できることを願っている。今日のレースで、ストフェルも僕も完走できなかったことは残念だし、僕は入賞圏内で走行していただけに特に悔しい結果となった。ただ、僕たちができることは、失敗から学び、次戦のバーレーンで(もちろん雨の予報ではないが)今回よりももう少しいい結果を出すことだ」
ストフェル・バンドーン
「僕にとっては短いレースだったが、最初はかなりエキサイティングな展開だった。フェルナンドも僕も好スタートを切り、最初の数周は他チームのマシンに混ざって走行していた。ピットストップ後のポジションはあまりよくなく、その後はさらに難しい状況だったが、実はマシンのペースはかなりよかった。スリックタイヤを装着した際には、実際にかなり手応えがあり、自分がプッシュしたいときにプッシュできた。コーナーではマシンにとてもいい感触があり、自信を持って前方のマシンとの差を詰めることができた。ただ、いったんコースが乾き始めると、他チームのマシンとのスピードの差が歴然と分かるようになり、オーバーテイクすることが非常に難しくなった。僕たちのマシンはストレートでのスピードが足りないため、他チームのマシンと競い合うことができず、その状況で順位を上げることは困難だ。17周目でパワーを失った。はっきりとした理由は分からないが、燃料系の不具合だと思う。今日、完走できなかったことは残念だ。マシンにポテンシャルはあったし、コーナーでは、ライバルチームのマシンに比べてかなり速さがあるように思った。ただ出力が落ちるのを感じ、その直後に非常に低出力になったような気がした。望んでいたような結果ではないし、当然のことながらレースを完走したかった。中国では多くの周回を走行することができなかったが、これが僕たちの現状だ。ここに来る前からそれは分かっていたし、来週末のバーレーン戦では状況が改善することを願っている。それでも、今週末にはポジティブな点もあった。マシンは徐々にいい状態になりつつあり、フェルナンドも僕も自信を持ってプッシュすることができる。早いタイミングでさらに改善できることを願っている。実際にいつごろ改善できるかを予測するのは難しいので、様子を見るしかない。バーレーンは上海とは非常に異なる種類のサーキットだが、僕たちはいつも通り最善を尽くす」
エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)
「路面が濡れて滑りやすい中、フェルナンドはその状況を完ぺきに判断し、13番グリッドからすばらしいスタートを切った。そしてレース開始から数周後の、1回目のバーチャルセーフティカーが導入されるころには、8番手に浮上した。7周目までに6番手につけたフェルナンドは、同じスペイン人のカルロス・サインツ(トロ・ロッソ)と、観客を楽しませるバトルを繰り広げ始めた。そのころには、ストフェルは15番手あたりで周囲のマシンと競い合いながら、ポジションを死守していた。残念ながら、レース開始後のすばらしい走りは、長くは続かなかった。ストフェルはわずか17周を走行したあと、燃料系の不具合によってレースを終え、フェルナンドは34周目にしてドライブシャフトの問題によりリタイアした。これからすぐに、次戦が開催されるバーレーンへ向かう。バーレーンは、我々にとってシルバーストンと鈴鹿に並んで3つの母国グランプリの一つだが、そこでは今回よりもいい週末を迎えられることを願っている」
長谷川祐介 (ホンダ F1プロジェクト総責任者)
「今日は厳しい結果になりました。しかしそんな中でもいくつか前向きに捉えられる点があったと思います。難しいレースコンディションの中でもチームはいつも通り、完ぺきなピット戦略を見せてくれました。フェルナンドは多くのマシンを抜き去るすばらしいスタートを決め、リタイアまでは非常に力強いレースを見せてくれました。ストフェルも残念な結果になってしまいましたが、それまではよく戦ってくれていたと思います。ポイントを十分に獲得できるポジションを走行していただけに、フェルナンドとストフェルがともにメカニカルトラブルでリタイアしなければならなかったことはとても残念です。結果は残念でしたが、我々のPUの信頼性については、開幕戦とここ中国で着実な進化を見せられていると思います。来週のバーレーンでは、今日の途中までのいい流れを最後まで発揮できるという期待を持って臨みます。準備期間は数日しかありませんが、さらにいい結果を目指し、マクラーレンと一緒にさらに努力を重ねていきます」
関連:F1中国GP 結果:ルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウィン
カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム
レース前に雨は止んだものの、スタート時には路面がまだ濡れた状態であったため、両ドライバーともインターミディエイトタイヤを装着してのスタートを選択。フェルナンド・アロンソ、ストフェル・バンドーンともに好スタートを決めた。
ストフェル・バンドーンのマシンのリアがライバルに接触するトラブルがあったものの損傷はなく、両ドライバーともスタート直後のアクシデントに巻き込まれることなく走行を続けた。
サーキットが急速にドライコンディションに戻る中、チームは2周目に2台同時のピットストップを決断。フェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーンはクルーの完ぺきな作業のあとにソフトタイヤに履き替えた。コース上に戻った両ドライバーは徐々にポジションを上げ、アロンソは7周目までに6番手に浮上。その後、何周にもわたり7番手のポジションをキープした。
ただ残念ながら、チームは信頼性を十分に維持することができず、ストフェル・バンドーンはパワーを失ったあとに燃料系の不具合により18周目でリタイア。一方のフェルナンド・アロンソはドライブシャフトに問題を抱え、34周目でコース上にマシンを止める結果となった。
マクラーレン・ホンダは、連戦となる2戦目を迎える前に気持ちを切り替え、数日後には次戦のバーレーンGPウイークに臨む。
フェルナンド・アロンソ
「非常に難しいコンディションの中、13番手からスタートし、数周後には6番手を走行していた。最初の2周でいい走りができたことが大きいが、うれしいサプライズだった。他のマシンがあちこちでスピンしていたが、この難しい状況が長く続いてほしいと思っていた。他車のスピンにより、労せずしてオーバーテイクできたり、昨日言った通りにうまくチャンスを生かしたりができていた。その後、しばらくは7番手のポジションを死守していたが、コースがドライになるにつれて徐々に順位を落とし始めた。今日は、いい結果を出すために、自分たちにどれほどのハングリー精神があるかを示すことはできたが、残念ながらレースを完走するほどの強さはまだなかった。冬季テストが十分にできなかったために、今、その大きな代償を払う結果となっているが、早急に改善できることを願っている。今日のレースで、ストフェルも僕も完走できなかったことは残念だし、僕は入賞圏内で走行していただけに特に悔しい結果となった。ただ、僕たちができることは、失敗から学び、次戦のバーレーンで(もちろん雨の予報ではないが)今回よりももう少しいい結果を出すことだ」
ストフェル・バンドーン
「僕にとっては短いレースだったが、最初はかなりエキサイティングな展開だった。フェルナンドも僕も好スタートを切り、最初の数周は他チームのマシンに混ざって走行していた。ピットストップ後のポジションはあまりよくなく、その後はさらに難しい状況だったが、実はマシンのペースはかなりよかった。スリックタイヤを装着した際には、実際にかなり手応えがあり、自分がプッシュしたいときにプッシュできた。コーナーではマシンにとてもいい感触があり、自信を持って前方のマシンとの差を詰めることができた。ただ、いったんコースが乾き始めると、他チームのマシンとのスピードの差が歴然と分かるようになり、オーバーテイクすることが非常に難しくなった。僕たちのマシンはストレートでのスピードが足りないため、他チームのマシンと競い合うことができず、その状況で順位を上げることは困難だ。17周目でパワーを失った。はっきりとした理由は分からないが、燃料系の不具合だと思う。今日、完走できなかったことは残念だ。マシンにポテンシャルはあったし、コーナーでは、ライバルチームのマシンに比べてかなり速さがあるように思った。ただ出力が落ちるのを感じ、その直後に非常に低出力になったような気がした。望んでいたような結果ではないし、当然のことながらレースを完走したかった。中国では多くの周回を走行することができなかったが、これが僕たちの現状だ。ここに来る前からそれは分かっていたし、来週末のバーレーン戦では状況が改善することを願っている。それでも、今週末にはポジティブな点もあった。マシンは徐々にいい状態になりつつあり、フェルナンドも僕も自信を持ってプッシュすることができる。早いタイミングでさらに改善できることを願っている。実際にいつごろ改善できるかを予測するのは難しいので、様子を見るしかない。バーレーンは上海とは非常に異なる種類のサーキットだが、僕たちはいつも通り最善を尽くす」
エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)
「路面が濡れて滑りやすい中、フェルナンドはその状況を完ぺきに判断し、13番グリッドからすばらしいスタートを切った。そしてレース開始から数周後の、1回目のバーチャルセーフティカーが導入されるころには、8番手に浮上した。7周目までに6番手につけたフェルナンドは、同じスペイン人のカルロス・サインツ(トロ・ロッソ)と、観客を楽しませるバトルを繰り広げ始めた。そのころには、ストフェルは15番手あたりで周囲のマシンと競い合いながら、ポジションを死守していた。残念ながら、レース開始後のすばらしい走りは、長くは続かなかった。ストフェルはわずか17周を走行したあと、燃料系の不具合によってレースを終え、フェルナンドは34周目にしてドライブシャフトの問題によりリタイアした。これからすぐに、次戦が開催されるバーレーンへ向かう。バーレーンは、我々にとってシルバーストンと鈴鹿に並んで3つの母国グランプリの一つだが、そこでは今回よりもいい週末を迎えられることを願っている」
長谷川祐介 (ホンダ F1プロジェクト総責任者)
「今日は厳しい結果になりました。しかしそんな中でもいくつか前向きに捉えられる点があったと思います。難しいレースコンディションの中でもチームはいつも通り、完ぺきなピット戦略を見せてくれました。フェルナンドは多くのマシンを抜き去るすばらしいスタートを決め、リタイアまでは非常に力強いレースを見せてくれました。ストフェルも残念な結果になってしまいましたが、それまではよく戦ってくれていたと思います。ポイントを十分に獲得できるポジションを走行していただけに、フェルナンドとストフェルがともにメカニカルトラブルでリタイアしなければならなかったことはとても残念です。結果は残念でしたが、我々のPUの信頼性については、開幕戦とここ中国で着実な進化を見せられていると思います。来週のバーレーンでは、今日の途中までのいい流れを最後まで発揮できるという期待を持って臨みます。準備期間は数日しかありませんが、さらにいい結果を目指し、マクラーレンと一緒にさらに努力を重ねていきます」
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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム