F1統治の地殻変動 “戦術的対応”からの脱却を促す新コンコルド協定

2026年から施行される新レギュレーションと、新たに締結されたコンコルド協定を前に、ドメニカリのビジョンは今後のF1の発展において極めて重要だ。
モータースポーツの最新インタビューにおいて、ドメニカリは次のように語った。
「経済的な側面については、すでに合意に至っている。残る課題はガバナンス、すなわちFIAおよび各チームを含めた統治体制の確立にある」
「これは、F1の規制運営における安定性を保証する上で、極めて重要なステップである」
「我々が改めねばならぬのは、物事に対する姿勢である。すなわち、短期的な対応に終始する“戦術”ではなく、将来を見据えた“戦略”的視座を持って取り組まねばならない」
「この取り組みには、FIAならびにすべてのチームの協調的な関与が不可欠である」
同氏は、2023年に語った“F1の未来に向けた戦略的構想”が、今まさに具現化しつつあるとも述べた。
「現在、その戦略的構想が現実として立ち現れている」
また、バーレーンで行われたFIAおよび全エンジンメーカー(GMを含む)との会合についても次のように言及した。
「一部においては、現行レギュレーションの延長を求める声が見受けられた。しかし、それは断じて容認できない。
これまで膨大な資金と労力を投じてきた関係者に対して敬意を払うべきであり、今さら規則の根幹を揺るがすことは、極めて誤った判断となる。
過去に下した決定を安易に問い直すような行為は、F1全体の信頼を損なうものである」
さらにドメニカリは、競技の健全性とファンの期待に対しても責任を果たすべきだと強く訴える。
「一つのチームが長きにわたり覇権を握る状況は、競技全体にとって望ましいものではない。
我々のスポーツは、今や世界的な模範となり得る存在へと成長した。この成果を誇ると同時に、慢心することなく慎重な判断を下していくべきである」
F1は今、大きな転換期を迎えている。ドメニカリが提唱する“戦略的思考”は、新時代のF1をかたちづくる礎となるだろう。
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