ノリスがフェルスタッペンに苛立ちの中指 F1マイアミGPで揺れた葛藤

フェルスタッペンはポールポジションからスタートし、序盤は前を走るも、圧倒的なマシン性能を誇るマクラーレン勢に対して劣勢を強いられた。優勝は3連勝となるオスカー・ピアストリが飾り、ノリスはチームメイトにポイント差を広げられる結果となった。
そうした状況のなか、ノリスはフェルスタッペンとの接触寸前のバトルに直面する。ターン2では外側に押し出され、ポジションを落とす展開となり、ここで感情が爆発。車内からフェルスタッペンに向けて中指を立てるという異例の行動に出た。
レース後、ノリスはその理由について語った。
「マックス相手だと、ぶつかるか抜けないかのどちらかだ。彼は自分のレースを台無しにしている。賢い走りではない」
言葉は強いが、その背景には自らの中で膨らむ葛藤と苛立ちがあった。ピアストリが躍進を続ける一方で、チームメイトとしての責任、タイトル争いへの焦燥感、そして友人でもあるフェルスタッペンとの戦いへの戸惑い。全力で勝利を目指す中で、理性と感情のはざまで揺れる心境が、あの一瞬のジェスチャーに表れていた。
Rywal - w tym przypadku Verstappen - nie zjeżdża Norrisowi z drogi i nie rozwija przed nim czerwonego dywanu, więc należy pozdrowić go środkowym palcem. Typowa F1 według przegrzanego Lando.#F1PL #ElevenF1 #F1 pic.twitter.com/W17yXpUg4d
— Mateusz Mróz (@MateuszMrz8) May 4, 2025
フェルスタッペンは、マクラーレン勢との差を認めつつ、「何もできることはない」と語り、結果に対してどこか達観したような姿勢を見せた。
「もちろん、何か試そうとはしたよ」とフェルスタッペン。「でもマクラーレンには明らかに敵わない。僕には失うものなんてないし、少し遊んでみただけさ。もうできることなんてそれくらいしかない」。
さらに、フェルスタッペンはジョージ・ラッセルの黄旗違反疑惑をめぐってレッドブルが提出した抗議についても「正直、どうでもいい」と一蹴。
「3位だろうが4位だろうが、大して変わらない。僕はそういう順位を目指してここにいるわけじゃない」と述べ、「途中からは『もう帰ってもいいかな』と思っていた」と吐露した。
その言葉の端々には、シーズンを通じて浮かび上がってきたマシン性能への不満、そして現状を静かに受け入れたような達観の姿勢がにじむ。
ノリスが苛立ちと葛藤に揺れながら感情をあらわにした一方で、フェルスタッペンは冷静に現実を受け入れ、もはや勝てないレースに執着しないという姿勢を見せていた。
激しさと冷静さ、苛立ちと諦観──マイアミGPは、2人のトップドライバーの対照的な心理が浮き彫りとなった一戦だった。
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