インディ500 予選 ポールデー
世界一の歴史を誇るインディアナポリス500(インディ500)の独特な予選が行われ、Hondaドライバーのスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が今年のポールポジションを獲得した。

スターティンググリッドを決める予選は単独走行での4周連続アタックで競われ、各自の記録はラップタイムではなく、4周の平均時速で表されるのがインディ流。予選が土曜日と日曜日の2日間に渡って開催されるのも今大会ならでは。

1日目には最速9人を選ぶために4周連続のアタックをエントラントたちは行った。そして、予選1日目に10~33番手だったドライバーたちは、2日目に10~33グリッドの順番を決定するための予選に出場する。

栄えあるポールポジション、そして3列目グリッドまでを決定するのは、予選2日目の夕方5時に始まるファスト9。予選1日目に9番手のスピードを記録したドライバー、8番手だったドライバーというように順番にコースインし、4周のアタックを行う。

今年のファスト9には、6人のHondaドライバーが進出し、7番目にコースインしたディクソンが232.164mphの4ラップ平均をマークし、第101回インディ500のPPを獲得した。彼は2008年にポールポジションからインディ500初優勝を飾っている。

予選3番手は昨年度インディ500でルーキーながら優勝したアレクサンダー・ロッシ(Andretti Herta Autosport with Curb-Agajanian)。彼は231.487mphを記録した。そして4番手には佐藤琢磨(Andretti Autosport)が食い込んだ。彼自身のインディ500でのベストグリッドとなり、日本人ドライバーの歴代最上位グリッドともなった。

F1チャンピオンドライバー、フェルナンド・アロンソ(McLaren-Honda-Andretti)のインディ500初挑戦には世界中が注目している。予選1日目に7番手のスピードをマークしたアロンソは、予選2日目にさらにスピードを上げ、5番グリッドを獲得した。もちろん、ルーキー最上位グリッドとなる。

2013年ウイナーのトニー・カナーン(Chip Ganassi Racing)は7番手、マルコ・アンドレッティ(Andretti Autosport)は8番手。そして、14年ウイナーのライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)は、ファスト9には入れなかったが10番手。ルーキーのエド・ジョーンズ(Dale Coyne Racing)も見事な走りで11番手に食い込んだ。

予選1日目のアタック中にアクシデントを起こして負傷したセバスチャン・ブルデー(Dale Coyne Racing)は、土曜日の晩に手術を受け、その後も順調に回復を続けている。彼のマシンには2度のインディ500出場経験を持つジェイムズ・デイビソンが、明日から搭乗する。

スコット・ディクソン (ポールポジション)

「予選アタック1周目のスピードをコクピットで見たときには、間違ったスピードが表示されているのかと思いました。自分たちでもあそこまでのスピードが出るとは予想していなかったです。チームにとって、本当に大きな意味を持つ一日になりました。私たちがインディ500のポールポジションを獲得したのですから。セバスチャン・ブルデーに喜びを伝えたいです。彼に今朝会ってきました。彼は元気にしていました。彼とは他のカテゴリーでのチームメートなので、ここ何年かの間は長い時間を一緒に過ごしてきています。彼はすばらしいドライバーです。彼が早く回復することを願っています。早くマシンに乗ることができるようになってほしいです。今日、私たちは予選で力を発揮し、レースは最高の位置からスタートできることになりました。レースでそのポジションを保ち続けるのは大変ですが、全力で優勝を目指したいと思います。決勝レースからは新しいスポンサーもつきます」

アレクサンダー・ロッシ (3番手)

「スコット・ディクソンのアタックはすばらしかったです。彼にポールポジションはふさわしいと思います。しかし、私たちもフロントローからレースのスタートを切ることができます。これは私たちのチームにとってとても大きなことです。クルーたちが本当にがんばってくれています。予選を終えた今、私たちは決勝にフォーカスしています。月曜と金曜に走る機会があるので、決勝に向けたマシンを用意します」

佐藤琢磨 (4番手)

「今日の予選は攻めた走りをしました。3周目と4周目は本当に限界の走りとなっていて、壁にホイールを接触させたほどでした。しかし、そのまま走り続けることができました。私としては、グリッド2列目に着くことができて本当にうれしいです。もちろんフロントローの方がよかったですけど。今日の予選で私たちはすばらしいチームワークを発揮しました。そのおかげで手にできたスターティンググリッドにとても満足しています。決勝は予選とは違ったシナリオとなるでしょうが、私たちのマシンは高い戦闘力を備えています。レースでそれを証明できることを楽しみにしています」

フェルナンド・アロンソ (5番手:ルーキー最速)

「今日の予選でのマシンは限界ギリギリの状態にありました。ポールポジションが獲得できるマシンになっていたのか、私には分かりませんが、かなりそれに近いものに仕上がっていたのは間違いないでしょう。2ラップ目の最終コーナーの立ち上がりでブースト圧が上がり過ぎる症状が出ましたが、そのときにはブレーキを踏んでしまったかのようでした。そこでギアを1つシフトダウンし、スピードを再び上げるよう努めました。コントロールラインを横切ったときのスピードは225mphあたりで、もう予選アタックは失敗だとピットレーンに戻ろうとしたほどでした。しかし、私は走り続け、次のラップを速く走ることができました。この結果には、うれしい驚きと達成感、そして喜びを感じました。インディ500は世界最大のレースです。それをここへ来た最初のときから感じています。週末になってスピードを上げることができ、マシンをさらに感じ取れるようになりました。予選を見るためにとても多くのファンが集まっています。インディ500は特別なイベントです」

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カテゴリー: F1 / インディカー / ホンダF1