ホンダF1 メルセデス比5%差 ADUO強化はイギリスGP投入へ 2027年に照準

その差は単なる調整レベルではなく、構造的な遅れとも言える規模に達している。短期的な改善は見込まれているものの、チームはすでに中長期戦略へと舵を切り始めている可能性が高い。
メルセデス比で約5%のパフォーマンス差
ホンダの2026年型パワーユニットは、現時点でグリッドの基準となっているメルセデスと比較して大きな性能差を抱えていると報じられている。
スペインメディアの推計では、その差は約5%。これはF1において“別カテゴリー”に近い開きであり、シーズン中の改善で埋めるには極めて困難な水準だ。
ADUOとは何か
こうした格差是正のために導入されたのが、FIAの「ADUO(追加的開発・改善機会)」だ。
これは、性能面で大きく遅れているパワーユニットメーカーに対し、開発と改良の機会を追加的に与える救済措置である。各PUのパフォーマンスは継続的に評価され、シーズン中(第6戦・第12戦・第18戦後)に見直しが行われる仕組みとなっている。
基準となるのはトップとの差で、
・2%以上4%未満 → 1段階の改善
・4%以上 → 2段階の改善
が認められる。さらに、開発時間の追加やホモロゲーション制限の緩和なども含まれる。
つまり、今回報じられている“5%差”が事実であれば、ホンダは最大枠の支援対象に該当する可能性が高い。

ADUOによる強化はイギリスGP投入が有力
レギュレーション上はモナコGP以降に改善導入が可能とされるが、実際に準備が整うかは別問題だ。
モナコはエンジン依存度が低く、テスト効果も限定的であることから、より実戦的な評価が可能なサーキットでの投入が現実的とみられている。
現時点で有力視されているのが、7月のイギリスGPだ。アストンマーティンの本拠地シルバーストンであり、開発・輸送の面でも最も合理的なタイミングとなる。
ただし、このアップデートが即座に勢力図を塗り替える可能性は低い。差が大きすぎる以上、効果は“改善”にとどまる見通しだ。
焦点はすでに2027年へ
こうした状況を踏まえ、チームの戦略はすでに次のフェーズへ移行しつつある。
今季型パワーユニットは、振動問題や性能不足など複合的な課題を抱えており、全面的な作り直しなしにトップ争いへ復帰するのは現実的ではない。
そのため、リソースの大半を2027年プロジェクトに振り向ける判断が現実味を帯びている。実際、シーズン序盤の段階で次世代エンジンへの移行が示唆されている。
2026年を“延命”ではなく“準備期間”と位置づけるのか──ホンダとアストンマーティンの判断が、次の勢力図を左右することになる。
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / アストンマーティンF1チーム
