ホンダF1:2021年 第12戦 F1ベルギーGP プレビュー
3週間のサマーブレイクが明け、伝統のスパ・フランコルシャンで行われるF1ベルギーGPで、いよいよ2021年シーズン後半戦がスタートする。

スパは、全長7.004㎞とF1カレンダー上で最も長いサーキット。高低差に富んだ高速コーナーが多く、迫力のバトルが随所で繰り広げられます。全開率も高いため、パワーユニット(PU)への負荷も大きくなる。ホンダF1としては、第二期の1988~91年にアイルトン・セナが4連覇を果たしている。

昨年はレッドブル・レーシング・ホンダのマックス・フェルスタッペンが3位表彰台を獲得。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダは、ピエール・ガスリーが名物コーナーの“オー・ルージュ”でのオーバーテイクを披露するなどライバルたちを果敢に抜き去り、8位入賞を果たした。

今大会は、レッドブル・レーシングとホンダのパートナーシップ50戦という節目のレース。タイトル争いに勢いをもたらすためにも、勝利を目指して全力で挑む。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「8月中旬の2週間のF1サマーブレイクが明け、我々ホンダ F1にとって最後の2021シーズン後半戦に突入します。前半戦以上にタイトなスケジュールとなる後半戦に臨むにあたり、それぞれのメンバーはフィジカル的にも、またメンタル的にも十分リフレッシュできたとことと思います。イギリスGP、ハンガリーGPと夏休み前の2戦は、我々にとって難しいレースが続きましたが、気持ちを切り替えるにもいい機会でした。シーズン後半戦は、伝統のベルギー、スパ・フランコルシャンにて幕を開けます。全長約7kmという長大なコースで、第1セクターと第3セクターにそれぞれ長い全開区間が設けられるレイアウトになっており、PUにとってシーズン中最もタフなサーキットの一つです。また、今回はレッドブル・レーシングとのパートナーシップ締結後50戦の記念レースになります。F1復帰後初勝利や初ポールポジション獲得、ダブルポディウムや5連勝など、いくつもの素晴らしい成果を一緒に残してきました。さらにその記録を伸ばすべく、最終戦に向け両チームとともに一戦一戦大事に全力で戦っていきたいと思います。残念なことに、先日コロナ禍の影響により2年連続での日本GPの中止がアナウンスされました。ホンダのメンバー、また両チームのメンバー一同、ホンダ F1とってのラストイヤーに鈴鹿GPで戦うという想いがあっただけに、本当に残念に思っています。この先のシーズンも全力で戦いますので、引き続き応援よろしくお願いいたします」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「いい夏休みを過ごせました。数週間のオフで少し休息を取り、ジェットスキーに乗るなどして過ごしました。水上を走るのはとても楽しかったです!またレースに戻るのはいい気分です。3連戦は多いと思いますが、それはみんな同じですし、サーキットにたくさんのファンが来てくれるのを楽しみにしています。ホンダとの50戦目というのは特別で、後から振り返っても忘れられないレースになるはずです。これまでの戦いで、ホンダと挙げた初勝利は一番感動的な思い出であり続けますし、彼らがF1を去ってしまう前にいい結果で今シーズンを終えたいと思います。ホンダとの仕事は初めから楽しいものでした。彼らはいつも率直に話をしてくれて、僕らが期待した成果を成し遂げてくれました。チームや僕らと時間をかけてすべてを話し合ってくれましたが、これは僕らドライバーにとってとても重要なことです。スパに戻ってくるのがとても楽しみです。とても気に入っているコースで、多くの高速コーナーと高低差に富んだレイアウトはドライブしていて本当に素晴らしいです。また、僕らを応援してくれるファンの皆さんに会えるのも楽しみで、昨年は無観客だったので今年グランドスタンドが再びオレンジ色に染まる光景はきっと素敵なはずです。チャンピオンシップ争いをリセットするのにもいい舞台だと思います。レースウイークの準備は整っていて、いい気分で向かうことができます」

セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「サマーブレイクでは、再びエネルギーを充電し、新鮮な空気に触れました。2週間にわたって同じ場所にいられるというのはいいですね!一度F1についてのスイッチを完全にオフにすることができました。これはメンタル面でもフィジカル面でも大切なことです。これで、完全にリフレッシュして戻ってこられますし、後半戦はとても激しい戦いになるはずです。シーズンが4カ月も残っているなんておかしな気分です。(ハンガリーがリタイアで終わり) スパだけでなく、後半戦全体に向けて、僕はとてもハングリーです!マシンはどんどん快適に感じられるようになっていますし、正しい方向性へ進んでいるので、シーズンを力強い形で終えられると思います。スパはかなりの高速コースで、現在のF1マシンで走るのはとても楽しいです。天候は不安定になり、コースが長いので、一部ではドライでも別の場所ではウエットという場面も出てきて、コンディションの判断が難しくなります。ホンダはとても情熱的で、彼らのF1にかける熱い想いは見ての通りですが、こうしたエネルギーを持った人たちがそばにいるというのは素晴らしいことです。彼らとの仕事を楽しんでいますし、ここまで最高の経験ができているので、彼らがF1を去る前に今年のチャンピオンシップを勝ち取って報いることができればと思います」

ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「ドライバーというのは、次にコースに出るまでは前回のレース結果の影響を受けるものです。そういう意味では、ブダペストでの結果は前半戦の締めくくりとしてベストな形だったので、サマーブレイクを楽しむことができました。予選は5番手と非常にいい結果で、トップチームのすぐ次、中団勢のトップでした。レースではまたも不運に見舞われて1コーナーで後方に下がってしまい、予選結果を最大限に活かすことはできませんでしたが、ほぼ最後尾から挽回して素晴らしいバトルの末に5位に入りました。チームの2台ともポイントを獲得できたという点が重要ですし、僕にとってはドライバーズランキングで8位まで浮上し、とても満足のいく結果でした。ハンガリーGPを終えた後はスペインへ直行し、他のドライバーと会うなどリラックスした時間を過ごしてから、フランスへ帰って子供の頃からの友人たちとも過ごしました。過密スケジュールとなる後半戦は体力面が重要なので、休息は取りながらもトレーニングプログラムは継続していました。スパに戻って、レースが再開するのを楽しみにしています。スパはお気に入りのサーキットで、大好きですし、常にいい結果を残せています。シングルシーターでの初勝利がここだったことが特に記憶に残っています。2019年のことは、アントワーヌ(ユベール選手)への想いととともに決して忘れることはないですし、そうした気持ちも含めてたくさんの思い出があります。コースレイアウトは素晴らしく、いつもいいレースを演出します。サマーブレイクを楽しみ、3連戦で始まるタイトな後半戦に向けてフル充電はできたので、ハンガリーでの勢いを継続して後半戦をスタートできればと思います」

角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「シーズン前半戦は予想していなかったことがたくさんあり、とても面白く、楽しむことができました。シーズン前にこうなるだろうと思っていたようにはなっておらず、いいことも悪いことも多くあり、パフォーマンスの波は大きかったです。ただ、振り返ってみれば、僕が入賞したこともあってスクーデリア・アルファタウリは前半戦で唯一、全戦でポイント獲得を果たしたチームとなったので、うれしく思っています。後半戦のスタートでもこれを継続していく必要があります。ハンガリーを終えて、ミルトンキーンズでのシミュレーターに向かい、ハンガロリンクの振り返りと次の3戦に向けた予習をしました。そこからイタリアへ行き、ファエンツァのファクトリー近くの新居を整理しました。この休みで準備をしっかりとしましたし、楽しむこともできました。スパではいい思い出があるので、ここでシーズンが再開するのはとてもいい気分です。昨年のF2ではフィーチャーレース(レース1)でポールポジションから優勝し、その前年のF3では自身初の表彰台登壇を果たしました。コースも好きなので楽しみですし、F1マシンで初めて走るときには、とても特別な感覚が起こるサーキットの一つだと思います。F1マシンでオー・ルージュを駆け上がるのはとても面白い経験になるはずです」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1ベルギーGP / スクーデリア・アルファタウリ