ホンダF1:2020年 第16戦 F1サヒールGP 金曜フリー走行レポート
2020年のF1世界選手権 第16戦 F1サヒールGPが開幕し、初日のフリー走行2セッションでは、レッドブル・レーシング、アルファタウリ・ホンダともに好調なペースを披露した。

バーレーン・インターナショナル・サーキットの外周レイアウトを使用する今大会は、ロングストレートの連続でブレーキングポイントはわずか4か所と、パワーユニット(PU)の担う役割が多くなる。

FP1では、アレクサンダー・アルボンが他のドライバーと同様にターン2でスピンを喫し、早めに走行を切り上げる形になったが、マックス・フェルスタッペンが2番手、アルボンが3番手と好調な出だしを見せる。アルファタウリ・ホンダ勢も、ダニール・クビアトが5番手、ピエール・ガスリーが6番手と、ホンダのF1パワーユニット勢は全車がトップ6入りを果たし、幸先のいいスタートとなった。

FP2では、ターン8でのトラックリミット違反が厳しく裁定され、多くのラップタイムが抹消される。マックス・フェルスタッペンはセクター2で速さを見せるが、何度もアタック中断を余儀なくされ、最終的にマークしたベストラップはタイヤの状態がベストとは言えない中でも、再び2番手でセッションを終了。

アレクサンダー・アルボンはフェルスタッペンと約0.2秒差につけるが、他のドライバーも僅差となったために5番手に終わり、そこから0.032秒差の6番手にクビアトが続いた。ガスリーは好ペースをマークしていたラップで、前を走行していたバルテリ・ボッタス(メルセデス)がコースアウトする場面もあり、トップから約0.4秒差の9番手で終えた。

初のレイアウトということもあり、ここからは今日の走行で集めたデータを詳細に解析し、明日の予選、日曜の決勝へとつなげていく。

田辺豊治(ホンダ F1テクニカルディレクター)
「今日のサヒールGP初日は、トラブルがなく順調なスタートを切ることができました。初めて走行するサーキットレイアウトなので、今日はシミュレーションをベースとした設定でスタートし、実際の走行状況に合わせて最適化を進めました。まだ初日を終えたところではあるものの、ホンダ PUを搭載した4台すべてがFP1はトップ6、FP2はトップ10圏内で終えられていることは悪くないと思っています。しかし、まだまだPUも車体もセットアップが煮詰めきれていませんので、ここからデータをさらに解析して明日に備えます。事前に想定してはいた通り、全長が短いことからプラクティスでもトラフィックの影響を受ける場面が見られました。予選に向け、セットアップの改善に加えて、ピットマネージメントなどにも考慮してチームと準備を進めます」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)
「バランス面で最適なセットアップを見出せていないこともあり、特にショートランは難しかったです。ロングランは明らかに改善して、FP2はかなりよく見えましたが、さらに上を狙えたと思います。コースは短く、無線では常にトラフィックへの注意が伝えられるので、走っていてすごくエキサイティングというわけではありません。セクター2はブラインドコーナーが続き、2周連続のプッシュではタイヤの温度を下げる必要があるなど簡単ではなく、かなり危険な状況になり得るとも思います。今日の時点で実際に僕らがどのくらいのレベルにあるかは分かりませんが、バルテリ(・ボッタス)の抹消されたタイムを考えると、メルセデスとは0.2秒差ほどあるように見えます。予選までにショートランを改善しなければなりません。また、レースで他のマシンの後ろについてスタックするのも望ましくないので、(オーバーテイクするのに十分な)レースペースを得るための仕事にフォーカスしていきます」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・レーシング)
「この独特なレイアウトを楽しんでいます。結構チャレンジングな箇所もあり、そこを攻めるのは面白かったです。うまくいった部分とそうでない部分を見直さなければなりません。FP2よりもFP1のほうがグリップを感じたので確認しなければなりませんが、全体的なペースは上々でポジティブだとは思うものの、まだ序盤に過ぎません。タイヤの冷却のためにスロー走行を強いられ、アタックするマシンとのスピード差が大きいので、周囲の状況に細心の注意を払って走らなければなりませんし、(その状況を逐次僕たちに伝えるために)エンジニアは忙しくなるはずです。ドライバーとしては、お互いに尊重して走っていますが、一方でタイヤをきちんと作動領域に入れることも必要なので、この点についてドライバーズブリーフィングで話し合うことになると思います」

ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
「今日はいつも通りの金曜となり、予定していたすべてのプログラムを終え、すべてをしっかりとこなすことができました。新たなレイアウトですが、かなり順調だったと思います。今夜はどの部分で改善できるかを確認して、理解をさらに深めていきます。各チームがかなり僅差なので、明日はミスをせずにすべてうまくやることが重要になってきます。全長が短く初めて走るコーナーもあって色々なことを学べるのが楽しいですし、いつもと違うチャレンジができるのも面白いと思っています」

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
「順調な初日となりました。マシンにはなかなか競争力があると思いますし、今日は異なるセットアップを試したことで明日に向けていいアイデアを得られました。FP2ではソフトタイヤの走行がまとめきれず、明日はもう少しパフォーマンスを引き出さなければなりません。ただ、ロングランはよかったので少しの調整をするだけだと思っています。予選に向けて今夜細かい部分を煮詰めていけばいいポジションでレースをスタートできるはずですし、それができればいいレースができると思います」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1バーレーンGP / スクーデリア・アルファタウリ