F1 ホンダF1 トロロッソ スペイングランプリ B. ハートレー 本田技研工業
ホンダF1は、F1スペインGPのフリー走行3回目でのクラッシュでパワーユニットを壊したトロロッソ・ホンダのドライバー、ブレンドン・ハートレーへの新型エンジン投入のタイミングに頭を悩ませている。

ブレンドン・ハートレーは、F1スペインGPのフリー走行3回目に高速でバリアにクラッシュ。マシンのリア部分は大破し、ホンダF1はF1パワーユニットの全交換(内燃エンジン、MGU-H、MGU-K、ターボチャージャ、コントロールエレクトロニクス、エネルギーストア)を強いられた。

このクラッシュで予選に出場できなかったブレンドン・ハートレーだが、新しいF1パワーユニットとギアボックスを搭載したマシンで12位でレースを完走している。

ホンダF1は、開幕戦オーストラリアGPでピエール・ガスリーのMGU-Hに問題が発生し、対策を施したパーツを入れるためにブレンドン・ハートレーも2基目のMGU-Hとターボチャージャーを投入していた。そのため、今回の交換でハートレーのMGU-Hとターボチャージャーは年間に使用が許可されてるコンポーネント数の3基に達しており、次に交換する際にはグリッド降格ペナルティが科せられることになる。

2018年はF1カレンダーが21戦に拡大されるにも関わらず、ドライバーが年間に使用できるF1エンジン、ターボチャージャー、MGU-Hは3基までとなり、MGU-K、コントロールエレクトロニクス、エネルギーストアは年間2基に削減されている。

ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は「我々はいくつかの選択を検討しています」と Autosport にコメント。

「クラシュしたパワーユニットはチェックしていますが、大きなダメージを負っているようです。ですから、ホンダはパワーユニット側での選択肢を作り、どのように状況を管理できるかをチームと一緒に取り組んでいくことになります」

「それに次のレースで何が起こるかはわかりませんしね!」

ホンダF1は、6月の第7戦カナダGPで40馬力のパワーアップを実現する大幅アップグレードを投入するとされており、エネルギー回生システムの改善に注力していることを考えれば、新しいMGU-Hを投入しなければならないのはほぼ確実だ。また、通常、ターボチャージャーも完全なアップグレードパッケージの一部として変更される。

パワーユニットを構成する6つのコンポーネントのどれかひとつが制限を超えた時点で10グリッド降格ペナルティが課せられ、2つ目以降のコンポーネントは5グリッド降格となる。

トロロッソ・ホンダは、アップグレードが完成したらすぐにブレンドン・ハートレーに投入するのか、もしくは第2・第3の使用のエンジンに交換する必要が出てくるまで、現在のパーツで残りのレースを耐えるかを決断しなければならない。

ブレンドン・ハートレーがスペインで搭載したコンポーネントで夏休みを迎えることができれば、最適な交換のタイミングは第12戦ベルギーGPということになる。スパ・フランコルシャンはオーバーテイクの機会が多い。

だが、その場合、旧仕様のエンジンでレースをするだけでなく、現在のエンジンで8戦を戦わなければならないことを意味する。

内燃エンジン、MGU-K、コントロールエレクトロニクス、エネルギーストアについてはあと1回フリーで交換できるブレンドン・ハートレーは「正直、そこまで先のことは考えていない」とコメント。

「新しいパーツ導入に関して、それが何を意味するのは僕にはわからない」

開幕5戦でのブレンドン・ハートレーのパフォーマンスには疑問の目が向かられており、F1スペインGPでは、トロロッソ・ホンダはブレンドン・ハートレーの解雇を検討しており、後任としてパスカル・ウェーレインの名前が浮上。だが、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコはこの噂を否定している。

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / トロロッソ / ブレンドン・ハートレー