ルイス・ハミルトン 『F1/エフワン』続編構想とアニメ映画企画を進行中

同作でハミルトンはジェリー・ブラッカイマーとApple Original Filmsとともに製作総指揮を務め、全世界で6億2,950万ドル(約950億円/Box Office Mojo調べ)を記録。米国30%・海外70%の構成比で、スポーツ映画として歴史的な興行成績を収めた。
映画は、ジョセフ・コシンスキー監督のもと、ブラッド・ピットがF1界に30年ぶりに復帰するベテランドライバー「ソニー・ヘイズ」を演じ、架空チーム「APXGP」の再建を描いた作品。国際的なF1人気が高まる中で公開され、実際のF1レース週末に撮影が行われたリアルな映像が話題を呼んだ。メルセデスF1が車両提供とトレーニング協力を行い、ハミルトンが実現を後押しした。
物語への情熱と新プロジェクト
フェラーリ公式インタビューの中で、ハミルトンは次のように語った。
「いくつかアイデアがあるんだ。今はその形を探っているところだけど、ストーリーテリングにはすごく情熱を感じている。世の中が暗い時代だからこそ、希望を与えるような物語が必要だと思うんだ。コメディも好きで、テレビシリーズの企画も頭の中にあるよ」
さらに続けてこう述べた。
「アニメーション映画の企画もいくつか進めている。『F1/エフワン』が成功してから、信じられないほど多くの提案が来ているんだ。でも、たくさんやることが目的じゃない。クエンティン・タランティーノのように“量より質”でいきたいね」
『F1/エフワン』続編構想も始動
映画は公開からわずか数カ月で『カーズ2』を超え、世界興行収入で史上最高のスポーツ映画となった。AppleとF1が築いた経済的・文化的成功は、Appleによる2026年からの米国独占放映権獲得(年間1億4,000万ドル超と報道)にもつながっている。
製作総指揮のジェリー・ブラッカイマーもフォーブス誌のインタビューで、ハミルトンと続編について話し合っていることを明かした。
「数週間前にルイスと会って、続編のアイデアをいくつか話し合ったんだ」と語り、『トップガン』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』などで知られる82歳の名プロデューサーが再び指揮を執る可能性を示唆した。
“映画技術”がF1にもたらす新たな視点
ハミルトンは、映画で用いられた高性能カメラ技術が今後のF1中継にも活かせると強調している。
「Appleが使った複数の高精細カメラによる撮影は、これまでにない迫力を生んだ。こうした技術をF1の放送にも導入できれば、ファン体験は劇的に進化すると思う」

F1と映画産業の“融合”がもたらす未来
『F1/エフワン』は単なる映画の成功ではなく、F1ブランドそのものをエンターテインメントの中心に押し上げた。Netflix『Drive to Survive』以降の“第2波”として、Appleとブラッカイマーによるこのプロジェクトは、F1を新たな文化的文脈で再定義した。
ハミルトンが次に手がけるアニメ映画やコメディ企画は、ドライバーとしてのキャリアを超え、彼自身を“ストーリーテラー”へと進化させる第一歩となるだろう。F1が映画・配信・ゲームと連動しながら拡張していく今、その中心にハミルトンがいることは象徴的だ。
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