フランコ・コラピントの活躍もF1アルゼンチンGP実現には課題が山積み
アルゼンチンの前副大統領で、現在は観光大臣を務めるダニエル・シオリは、アルゼンチン自動車連盟会長のセザール・カーマンを含む代表団を率いて、F1のCEOであるステファノ・ドメニカリと予備的な会談を行った。
アルゼンチングランプリがカレンダーに復帰し、前回開催されたサーキットと同じ、1950年代に建設されたアウトドローモ・オスカル・イ・ファン・ガルベスで開催されることが夢だ。理想的には、1990年代に使用された窮屈で人気のないレイアウトではなく、現代のF1カーが脚を伸ばせるよう、より長いオリジナルのループの一部を組み込むことだ。
ダニエル・シオリのプッシュのタイミングは、フランコ・コラピントがウィリアムズでF1デビューを果たした時期と重なり、21歳の彼はさまざまな点で注目を集めた。コース上でのパフォーマンスがレッドブルの関心を呼び、レッドブルは4人のドライバーの1人として彼を起用することを検討し始めた。一方、コース外では、コラピントは母国のファンやスポンサーから大きな関心を集め、その関心は、選手権がアメリカ大陸で直近のレースを行ったことでさらに高まった。
何千ものアルゼンチンのファンがインテルラゴスで新しいF1ヒーローを応援する中、ダニエル・シオリと代表団は、アルゼンチンの首都にF1レースを再び誘致するために必要なことについて調査する目的で、ドメニカリに自己紹介を行った。
ダニエル・シオリは「コラピントがアルゼンチン人として生み出していることに、私はとても誇りを感じている」とオートスポーツ誌に語った。
「彼のカリスマ性、人間性、ドライバーとしての資質は素晴らしい。F1が成長し、ますます期待が高まっている今、政治や社会に影響を与えるなど、スポーツの枠を超えた出来事だ」
アルゼンチンのピラールでシンガポールグランプリを観戦するアルゼンチン人ファン。フランコ・コラピントの出身地であるピラールにて。F1との会合について尋ねられたダニエル・シオリは「我々は、F1をアルゼンチンに再び呼び戻す可能性について取り組み始めている」と答えた。
「ステファノはアルゼンチンをよく知っており、我々の国について最高の思い出を持っている。あらゆる意味で世界で最も洗練されたイベントの組織化について話していることを踏まえれば、会合は非常に友好的なものだった」
「目的を達成するには、多くのハードワークが必要だ。我々は、コース上での作業、そしてこの上なく洗練されたイベントのあらゆる要件に取り組まなければならない」
ダニエル・シオリは、実現までに何年かかるかについては「組織次第」と述べるにとどまり、時期については明言を避けたが、ハビエル・ミレーリ大統領率いる自由主義政権の厳格な政策に従い、プロジェクトは民間資金に全面的に依存しなければならないと認めた。
メルカドリブレやグロバントといったアルゼンチンのスポンサー企業数社は、コラピントに続いてF1参戦を果たしたが、ブエノスアイレスの南側にあるかつてのF1サーキットを近代的なF1の基準にまで引き上げるために必要な大規模な改修プロジェクトを担うだけの企業的関心を、アルゼンチンが引き出せるかどうかはまだわからない。
また、フランコ・コラピントはまだF1での長期契約を獲得していないため、アルゼンチンがF1開催の準備を整える頃に、この若いアルゼンチン人がグリッドに並ぶことができる保証もない。
オートスポーツ誌は、F1がアルゼンチンからの関心の高まりを歓迎していると理解しているが、アルゼンチンは過酷な競争に直面しており、スケジュールに組み込むのは難しい状況にある。年間24レースに限定されているカレンダー枠のため、F1開催地となることを検討する場合は、商業面と長期的な持続可能性の両面で、魅力的な入札を行う必要がある。
F1は現在もアジアでの拡大を視野に入れており、タイと韓国との間で協議が続けられているほか、2026年以降のカレンダーに余裕を持たせるため、ヨーロッパの特定のレースのローテーション・システムを準備している。
来月、FIAの授賞式を主催するルワンダもまた、レース開催地として長期的な候補地として浮上しており、アフリカ大陸でのレース開催という長年の目標を達成することになる。一方、南アフリカ政府高官が同国がF1復帰に近づいていると示唆したという報道は時期尚早であると理解されている。
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