F1 スタッフの参加レース数を制限する“レースキャップ”をFIAと協議
メルセデスF1のテクニカルディレクターであるジェームス・アリソンは、移動時間を制限し、疲労を防止するレースキャップルールをすべてのF1関係者に課す方向でFIA(国際自動車連盟)と話し合いが行われていることを明らかにした。

F1は、新型コロナウイルスのパンデミックを考慮してキャンセルとなっていた中国GPが5年ぶりに復活し、洪水で今年中止となったエミリア・ロマーニャGPが開催されることで、2024年に記録的な24レースカレンダーを予定している。

F1は、パドックの多くが「残酷」と表現した最終戦を終えたばかり。初開催となったラスベガスGPでは夜間走行が行われ、アブダビGPでは12時間のタイムスウィングを経てシーズンが締めくくられた。

来年は、6つのスプリントイベントとバーレーンでのプレシーズンテストに加えて、2レースの仕事量が増加されるため、可能であれば人員をローテーションする必要性が優先事項となっている。

そのためにアリソンは、チーム代表を含めたすべてのスタッフのレース数を制限する新しい規則が課される可能性があることを認めた。もちろんドライバーは除く。

来年のカレンダーを「かなり過酷なもの」と表現したアリソンは、『Performance People』のポッドキャストで次のように語った。

「冬のテストもあることを考えると、もし移動生活をする人なら、1年の半分以上をロードで過ごすことになる。かなり疲れる働き方で、かなり厳しい」

「ファクトリーでそれをライブでサポートしている人たちも、その重荷を背負わなければならない」

「つまり、スポーツはこの問題に取り組み始めたばかりなのだ。というのも、コストの上限があるため、『十分な数のレースが開催されるようになったので、移動する役割を2倍にして、交互にレースができるようにする必要がある』などと合理的に考えることができないからだ」

「財政的な現実から、コストキャップの範囲内では不可能だ。そのため、非常に管理しにくいシーズンを少しでも緩和するために、このスポーツは、ルールを設けるべきかどうかについて内部で議論を始めたところだ」

「例えば、24レースのシーズンだとすると、ドライバー以外のいかなる個人も24レースすべてに出場することは許されず、おそらく20レースで上限が課せられる。空中から数字を抜き出しただけだがね」

「これまでフル出場していた全員が、20試合しか出場できなくなる。各チームは年に4回、移動するコミュニティーの各メンバーの不在に対処するための代替策を考えなければならない。それは対処すべき興味深い組体操になるだろう」

アリソンは、競技レベルでは、10チームが「すべて一緒にそのハードルに直面する」ため、どのチームも競争上不利になることはないと主張するが、「効果的にその難関をくぐり抜けたチームは、組織的にその難関をうまく処理することで、その難関をアドバンテージに変えることができる」とも付け加えた。

「しかし、正味のプラス面は、少なくとも年に数回の週末は、旅に出る仕事に専念していたとしても、休息と充電ができるということだろう」

「トトのようなチームプリンシパルもそれを尊重しなければならない。ドライバーと最も親密な関係にあるレースエンジニア、ボノ(ピター・ボニントン)とショブ(アンドリュー・ショブリン)の関係は、ラジオから聞こえてくるので多くの人が知っている。ドライバーたちは年に4回も違う声を聞かなければならない」

「我々はそれを良い方法で管理する方法を見つけなければならない」

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カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟) / メルセデスF1