FIA会長ジャン・トッドの“F1スタッフの仕事量”を軽視した発言に批判殺到
F1カレンダーの拡大に反対するF1の人々を批判したFIA会長ジャン・トッドの発言に非難が殺到している。

2020年のF1世界選手権は史上最多の22戦で開催されるが、翌年に導入される新レギュレーションでは将来的に25戦までレース数を拡大できるように変更される。そのためF1チームは数週間から数か月も家族のもとを離れて仕事をするスタッフにかかる負荷にますます神経質になっている。

そんな中、今月初めにジャン・トッドは、F1で仕事ができることは“特権”であり、仕事量が増えることに不満を述べるべきではないと発言していた。

「自分たちの大好きな仕事ができる世界にいることができている我々はとても幸せだ。我々には情熱がある。我々には特権がある」とジャン・トッドはコメント。

「ちなみにF1にいる人々は他のビジネスよりもはるかに高い給料をもらっているので非常に幸せなはずだ」

ジャン・トッドは、彼がフェラーリのチームプリンシパルだったときに、1日18時間働いていたと付け加えた。

「あなたに愛する家族を持っているなら、彼らは理解してくれるだろう。それに一生それをするわけではない」

ハースF1チームでメカニックとして働くロバート・ドブは、そのようなジャン・トッドの発言は彼がF1の内情を把握していないことの表れだと語る。

「彼によると、要するに我々は子供たちに会えないことを嬉しく思えということだ」ロバート・ドブは憤りを露わにした。

「とんでもないことだ。それは金曜日にレースに来て、日曜日に帰っていく人の意見だ。彼は我々ほど現場に時間を費やしていない。我々の多くは何年もこれをやっており、別の仕事を見つけるのは簡単ではない」

ジャン・トッドがプロのモータースポーツキャリアを開始した世界ラリー選手権でフォードのエンジニアを務めたジェラード・クインも、ジャン・トッドの発言を批判した。

「組織によって支払われたプライベート飛行機で移動する機会がある人の言葉だ」ジェラード・クインは語る。

「我々の家族があまりサポートしていなかったら、モータースポーツはまったく違ったものになっていただろう。FIAはこれを理解しなければならない」

F1チームは、スタッフが燃え尽きてしまうのではないかという懸念から、カレンダーにさらにレースを追加するというリバティ・メディアのアイデアを冷静に考えている。

F1チームの代表たちは、レース数の増加により、主要なピットレーンの労働者が家族と一緒に休暇を取ることができるように、職務を分割し、より多くの人員を雇用することを強いられていることを示唆している。

だが、F1では2021年から厳しい予算上限が導入されるため、グリッド上の最大規模のチームにとっても、余剰人件費が問題になる可能性がある。

F1は、チームが各会場で過ごす時間を短縮し、週末の余分な時間を補えるように2021年にレース週末のスケジュール変更を決定している。

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カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟)