フェラーリCEO F1のV8復活構想に言及「FIAとの議論は以前から続いている」
フェラーリのCEOであるベネデット・ヴィーニャが、FIA(国際自動車連盟)との間でF1のV8エンジン復活に向けた議論が以前から進められていることを認めた。

『Motorsport』イタリア版のフランコ・ヌニェスによると、ヴィーニャは2026年第1四半期決算に関するアナリスト向けカンファレンスコールの中で、フェラーリのモータースポーツ部門が収益面でも好調を維持していることを説明。その流れの中で、近年FIA内部で検討が進められている“次世代V8構想”についても言及した。

フェラーリCEOがV8議論を公に認める
ヴィーニャは、現在のF1パワーユニットの方向性について次のように語った。

「我々は3種類のパワーユニットによる推進技術の継続を信じている」

「FIAとの間で進められているこれらの議論については、以前から把握していた」

「FIAレギュレーションと同じように、5年ごとに物事を見直す必要性は確かにあると思う」

「ただし、それによって市販車や我々の戦略に影響が出ることはない」

この発言は、FIA会長モハメド・ビン・スライエムが最近強く推進している“2030年を待たないV8復活構想”を、フェラーリ側も事実上認めた形となる。

現在の2026年F1レギュレーションでは、内燃エンジンと電動システムを50対50で構成するハイブリッドPUが採用されているが、実戦ではエネルギーマネジメントの難しさや出力不足が問題視されている。

そのため、FIA内部では2027年以降に「60対40」へとICE比率を高める議論が進行しており、さらにその先の2030年前後にはV8回帰案も検討されている。

2600cc V8案は想像以上に進展か
今回の報道では、次世代V8が「2600cc」になる可能性にも触れられている。

さらに注目されるのは、交渉が“思われている以上に進んでいる”と報じられている点だ。記事では、2026年末までに次期レギュレーションの大枠がまとまる可能性もあるとしている。

すでに賛同姿勢を示しているとされるのは、フェラーリ、メルセデス、レッドブル・フォード、そしてGM。

一方でアウディは慎重姿勢を崩しておらず、ホンダについても正式な立場は明らかになっていない。

特にホンダは、2026年F1レギュレーションで導入された「電動50%」時代への適応に苦戦しているとされ、FIAが推進する“ICE回帰”の流れにどう対応するかが今後の焦点になりそうだ。

フェラーリが強調した“市販車とは別問題”
今回のヴィーニャ発言で重要なのは、「F1エンジン変更が市販車戦略には影響しない」と明言した点だ。

近年のF1では“市販車技術との関連性”がパワーユニット議論の中心にあった。しかしフェラーリは、高性能ロードカーとF1を完全に同一視する必要はないという立場を示したとも受け取れる。

これは、F1が“自動車メーカーの技術ショーケース”から、“純粋なモータースポーツ”へと再び重心を戻そうとしている現在の流れとも一致する。

FIAが進めるV8回帰構想は、単なる懐古主義ではなく、現在の複雑化したPUレギュレーションを見直す現実的な選択肢として、すでに具体的な段階へ入りつつあるのかもしれない。

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カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ / FIA(国際自動車連盟)