フェラーリF1 ルイス・ハミルトンの無線騒動に揺れるも「チーム関係は良好」
フェラーリのアンバサダーで元テストドライバーのマルク・ジェネは、チーム内の個人的・職業的な関係は「すべて順調」だと強調している。

現在、フェラーリはパフォーマンスに苦しんでおり、ルイス・ハミルトンのマラネロ移籍後の適応にも課題が浮き彫りになっている。日曜日のレースでは、ハミルトンが無線を通じてエンジニアやチームに対して怒りをあらわにする場面が繰り返し見られ、状況はさらに悪化した。

40歳のハミルトンは、レース中のブレーキングやバトル中に無線で話しかけてくるエンジニアのリカルド・アダミを非難し、さらに「シャルル(・ルクレール)の前に出してほしい」というリクエストを巡っては、「この話をするならティーブレイクでも取ったらどうだ?」と皮肉を交えて応じた。

「これはチームワークとして良くない、それだけだ」とハミルトンは述べ、他にも「ジーザス」や「クソったれ(fricking)」といった言葉で不満をぶちまけた。

ルクレールの方は、マシンの不調に関しては不満を表明したものの、チーム内の他の問題については次のように語った。

「何を言ってよくて、何を言ってはいけないのか分からないけど、話し合う必要がある。『もっと良くなろう』じゃなくて、『良くならなければならない』んだ。チームともっと話す必要がある。ルイスとじゃなくてね。彼に怒ってるわけじゃない。悪気があったわけじゃなくて、彼は僕と同じように最大限の結果を求めただけ」

「ルイスが何を言っていたのかは分からないけど、僕は全然気にしていない。退屈な答えかもしれないけど、あまりコメントはしないよ。ルイスに対して悪感情は全くない。僕らはチームとしてもっと良くなる必要があるんだ」

ハミルトンもチェッカーフラッグ後には冷静さを取り戻したと主張している。

「レース中はイライラしてしまった。でも、あれはその瞬間の感情だ」と7度のワールドチャンピオン。「僕らの目的は何だ? 互いに争うことか? それとも他のマシンを追い抜くことか?」

「でもこれはチーム内で話し合うべきことだ。当時はフラストレーションを感じていたけど、今はもう違う。人々はあの発言を文脈から切り取って、僕が言ってないようなことまで言ったことにする。でも僕はただ皮肉を言っただけなんだ」

さらにハミルトンはこう続けた。

「フレッド(バスール)が僕の部屋に来たとき、僕は彼の肩に手を置いて『落ち着けよ、そんなに個人的に受け取るな』って言ったよ」

それでも、イタリアメディアやフェラーリ上層部の一部では、ハミルトンへの支持が早くも揺らいでいるとの噂もある。

「確かに敏感になっている部分もあるかもしれないけど、僕自身はそういう感情は感じていない」とハミルトン。「僕らはまだ望んでいる位置にはいないんだ」

チーム代表のフレデリック・バスールは、この騒動をいつものように穏やかに受け止めた。

「両者のフラストレーションは理解できる。ポジションを入れ替えるのは常に簡単なことではないからね。でも、我々は2回のポジションスワップを要求し、2回とも彼らは実行した。無線でのやり取りは別の問題だが、彼らは求められた仕事をやったんだ」

また、フェラーリのアンバサダーで元F1ドライバーのマルク・ジェネも、チーム内の不和や対立の噂を否定した。

「エンジニアとドライバーの関係も良好だし、シャルルとルイスの関係も良好だ」とスペイン出身のジェネはSkyイタリアで語っている。

一方で、オランダの著名レーシングパーソナリティ、トム・コロネルは現在のハミルトンに否定的な見解を示した。

「正直に言っていいかい? 僕はもう彼の話を聞きたくないんだ。昔のハミルトンとは違う。インタビュー中にあちこち見たり、ガムを噛んでいたり、あまり興味がなさそうに見えるんだ」

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カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ