FIA、2026年F1マシンの最低重量引き上げを否定「ダイエットが必要だ」

2026年F1シーズンに向けた大規模なレギュレーション変更の一環として、最低重量は現行より32キロ軽い768キロに設定されている。2025年の最低重量が800キロだったことを考えると、大幅な軽量化だ。
ただし、すべてのチームが開幕時点でこの数値を達成できるとは限らず、実際には数キロ重い状態でスタートするマシンも出てくると見られている。その結果、重量削減を巡る開発競争が激化し、コスト増につながる可能性があるとして、一部チームが最低重量の引き上げを求めていた。
しかしFIAは、その要望を受け入れない姿勢を示している。
「我々はF1をダイエットさせたい。肥満から過体重へ、そして将来的にはさらにもう一段階進める必要がある」とFIAのシングルシーター部門ディレクター、ニコラス・トンバジスは語った。
トンバジスによれば、F1マシンは過去15年でおよそ180キロも重くなっており、それは明らかに行き過ぎだという。
「だからチームの要請で重量を調整するつもりはない。この点については非常に断固としている。ダイエットと同じで、結果を出すには規律とプレッシャーが必要だ」
トンバジスは、重量増加の背景として、性能向上のために次々と追加されてきたシステムの存在を挙げた。
「過去には、チームがパフォーマンスを高めるために多くのシステムをマシンに載せてきた。これらのシステムは、クルマを走らせるために必須というわけではないが、段階的に性能を向上させてきた。その結果、現代のF1マシンは20年前に比べて、もしかすると50倍も複雑になっている」
そうした流れの中で、システムを追加した後に重量増を理由に最低重量の引き上げを求めるケースが続いてきたという。
「チームは『クルマが5キロ重すぎる。最低重量を上げるべきではないか』と言ってくる。過去には我々も柔軟に対応し、歩み寄ったことがあった。しかし今年は違う。『これが限界だ。これでやりなさい』と伝えている」
FIAの把握では、すでに最低重量を下回っているチームも存在しており、768キロは十分に達成可能だとしている。
「設計段階で、各システムについてより意識的に考える必要がある。『このシステムはラップタイムをX向上させるが、1.5キロ重くなる。それだけの価値があるのか』と。その判断をきちんとしなければならない」

FIAは将来的にさらなる軽量化を目指す
FIAの考えでは、軽量化は2026年にとどまらない。
「軽いクルマは運動性能が高まる。将来的には、さらに最低重量を下げていきたいし、実際そうなると確信している」とトンバジスは述べた。
重量増加の要因としては、安全性の向上が大きな割合を占めてきたが、そこについて妥協するつもりはないという。
「この20年で重量が増えた理由はいくつかある。まず安全性だ。クルマは格段に安全になったし、そこは決して譲らない。ただし、安全面で増えた重量の中には、すでに“確保しきった”部分もある」
そのほかにも、持続可能なパワーユニット、バッテリーやターボ、そしてマシンの大型化が重量増につながってきたと説明した。
「大まかに言えば、それらが主な要因だ」
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