F1 V8エンジン復活は見送り 関係者「2031年以降が現実的」

来季からはアウディとレッドブルが新規参入するなど、2026年から新たなパワーユニット時代が始まる。各メーカーはハイブリッド化と持続可能燃料の導入を重視しており、現行計画の2030年までを優先する姿勢が確認されている。
F1がV8エンジンへ復帰するのは、早くても2031年以降になる見込みだ。関係者が、提案されていたより早い導入について合意が得られなかったと認識したためである。
次週木曜日にロンドンで予定されていたパワーユニットメーカーとFIA(国際自動車連盟)の会合は、時期尚早と判断され延期されたと、イタリアGPでロイターに語った関係筋が明らかにした。
FIA会長モハメド・ビン・スライエムは、7月にモンツァで記者団に対し、完全に持続可能な燃料と小規模な電動要素を備えた騒々しい自然吸気V型8気筒エンジンを2029年に復活させる可能性に言及していた。
一方で、来季からは新たなエンジン時代が始まり、アウディとレッドブルがエンジンメーカーとして参入する。しかしビン・スライエムは、現在の1.6リッターV6ターボハイブリッド以前に使用されていた自然吸気ユニットへの回帰を強く望んでいる。
2026年からのエンジンはハイブリッド比率が現在のおよそ20%から50%へと増加し、持続可能な燃料によって駆動される。
ある関係者によれば、現在の考え方は2026年エンジンを2030年末まで予定された5年間のサイクルを全うさせる方向にあり、今は会合を急ぐ必要性が薄れているという。
今年4月にバーレーンで開催された会合では、2026年エンジンへのコミットメントが確認された。
ビン・スライエムはモンツァの週末にメーカー各社と協議を行っており、バーレーンでの合意に従って今後も議論が続けられる予定だ。

アウディ、メルセデス、ホンダは、2026年エンジンをフルサイクルで運用すべきだと理解されている。ゼネラルモーターズは2029年からキャデラック向けにエンジンを供給する予定であり、ルノーのアルピーヌは来年からメルセデス製パワーを使用する。
「2026年に関して言えば、アウディは自らの立場を非常に明確にしている」と、チーム代表ジョナサン・ウィートリーは4月に語っている。
「彼らがこのスポーツに参入した理由は、我々が非常に重要だと考える三本柱にワクワクしたからだ。第一に高効率のエンジン、第二に先進的なハイブリッドシステム、そしてもちろん、その基盤となる持続可能な燃料だ」
2026年のパワーユニットには一部改良が必要になる可能性もあるが、その程度がどれほどかは実際に来年稼働してみないと明らかにはならない。
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