カルロス・サインツJr. ウィリアムズF1移籍を総括「順応には時間がかかった」

2025年シーズン、サインツは2度の表彰台を獲得し、ドライバーズランキング9位でシーズンを終えた。チームメイトのアレクサンダー・アルボンを上回る結果であり、移籍1年目としては印象的な内容だった。
サインツは4シーズン在籍したフェラーリを離れ、ルイス・ハミルトンの加入に伴ってウィリアムズF1へ移籍した。序盤はFW47への適応に苦しんだものの、シーズン後半にかけて着実にペースを向上させ、最後の8戦では48ポイントを獲得。アルボンの3ポイントを大きく上回る結果を残した。
「クルマ、エンジニア、チームと一体になるまでに時間が必要だ」
F1公式サイトのインタビューでサインツは、移籍の難しさについて次のように説明している。
「幸か不幸か、僕はこれまで何度もチームを移籍してきたドライバーだ。だから、新しいチームに適応するのにどれほど時間がかかるかについて、ずっと率直に語ってきた。クルマから最後の数コンマ数秒を引き出し、クルマと一体になること、そしてエンジニアやチーム全体と噛み合うことには時間が必要なんだ」
さらに、かつてはその主張が十分に理解されてこなかったとも振り返る。
「数年前は、僕がそう言っても誰も本気で受け取ってくれなかった気がする。トロ・ロッソからルノー、ルノーからマクラーレンへ移籍した時も、『君たちはF1ドライバーなんだから、すぐできるはずだ』と言われていた。でも最近は多くのドライバーが移籍を経験し、たとえトップドライバーでも時間がかかるということが理解されるようになった。それで、僕の言ってきたことが証明されたと思う」
この発言は、フェラーリ移籍初年度に苦戦したシャルル・ルクレールのチームメイトであるハミルトンのケースを暗に指しているとも受け取れる。

「新加入ドライバーは常に一歩遅れる」
サインツは、新しいチームで即座に高いパフォーマンスを発揮することがいかに難しいかを強調する。
「新しいチームに入って、すぐに高いレベルで走るのは本当に難しい。特に、そのチームに長く在籍しているドライバーと比べるとね。理想的な場合でも同じレベルに到達するのが精一杯で、多くの場合、新加入ドライバーは常に一歩遅れる。すべてのフリープラクティス、すべての予選、そしてすべてのグランプリでだ」
その例としてサインツは、アルボンに加え、フェラーリのルクレール、そしてレッドブル・レーシングで長年チームを牽引するマックス・フェルスタッペンの名前を挙げ、継続性の重要性を改めて示した。
ウィリアムズF1での初年度を通じて、サインツは「移籍は即効性のあるものではない」という自身の持論を結果で裏付けた形だ。新天地での経験は、2026年以降のさらなる飛躍に向けた確かな土台となりそうだ。
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