カルロス・サインツJr. レッドブルF1に異論「僕はフェルスタッペンの隣でも崩れない」
カルロス・サインツJr.が、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてのプレッシャーについて語り、「自分なら耐えられる」と自信を見せた。現在のF1において支配的な存在であるフェルスタッペンと組むドライバーたちは、これまで何人も苦戦してきたが、サインツは「自分は違う」と断言する。

サインツとフェルスタッペンは2015年にトロ・ロッソからF1デビュー。当時は共にルーキーだったが、サインツはそのシーズンでフェルスタッペンに引けを取らないパフォーマンスを見せた。

「マックスと組んでいたとき、僕は今の他のドライバーたちのように苦しむことはなかった」とサインツは《High Performance》ポッドキャストで語った。

「彼の速さには本当に驚かされたし、とんでもないドライバーだ。歴代最高の一人になるだろうし、もしかしたらもうそうかもしれない。でも、あの1年があったからこそ、今の自分は誰とでも戦える自信がある」

「僕はこれまで、シャルル(ルクレール)、ランド(ノリス)、ヒュルケンベルグ、アレックス・アルボンといった本当に速いドライバーたちとチームを組んできた。そうした経験のおかげで、自分は今も“トップと戦いたい”という気持ちでいられる。マックスの隣に座ることに対しても、不安はない。過去にそれを証明してきたと思っている」

ただ一方で、サインツは「なぜレッドブルは自分を選ばないのか分からない」とも語る。実際、サインツはルイス・ハミルトンのフェラーリ加入に伴い2025年末でシートを失うことが決まっており、2026年以降の行き先を探している。

レッドブル入りの噂も出たが、実現はしなかった。レッドブルは一度はセルジオ・ペレスと再契約しながらも、最終的に彼を放出。代役としてリアム・ローソンを2戦のみ起用したのち、角田裕毅を昇格させた。しかし角田裕毅も苦戦しており、直近10戦でわずか7ポイントの獲得にとどまっている。

一方、サインツはウィリアムズと複数年契約を結んだ後も13ポイントを獲得しており、依然として実力を示している。

そんな中、「レッドブルのセカンドシートを避けたがる声がある」との指摘について、サインツは困惑を隠さない。

「僕は本当にマックスと仲が良い。これは外から見ている人には分からない部分だ。確かにデビュー年はライバル関係にあったが、それは健全な競争だった。今はお互い非常にうまくやれている」

「だから、仮にその過去の関係が理由でレッドブルが僕を起用しないのだとしたら、正直理解できない。僕たちはF1で非常に強力なペアになれると思う」

しかし、過去にはレッドブルのモータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコがサインツとフェルスタッペンの関係を「トキシック(毒のよう)」と評したこともあった。

「当時のトロ・ロッソでの2人の雰囲気はかなりトキシックだった」とマルコは振り返る。「父親たちの介入もあってチーム内の緊張感が高まり、あの体制のままでは彼を(レッドブルに)残すことはできなかった」

「実際、サインツはフェルスタッペンとほぼ同レベルだった…ほぼね。だが、最終的にどちらを残すかは明白だった」

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レッドブルはダニエル・リカルドの離脱以降、セカンドドライバーに苦しみ続けており、ピエール・ガスリー、アレックス・アルボン、セルジオ・ペレスと続いたが、長期的な成功にはつながっていない。

今季もローソンや角田裕毅を試しているが結果は出ず、現在レッドブルはコンストラクターズランキング4位。獲得した172ポイントのうち、実に165ポイントをフェルスタッペン一人で稼いでいる“片翼飛行”状態が続いている。

そんな中で、過去にマックスと互角に渡り合った経験を持つサインツの存在は、今もなおチームにとって貴重な選択肢となり得る。

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カテゴリー: F1 / カルロス・サインツJr. / レッドブル・レーシング / マックス・フェルスタッペン