トヨタ、レクサス高輪で565台の不正車検
トヨタは、レクサス高輪において、指定整備の一部の検査において、基準を満たす値への書き換えや、一部の検査を実施しなかった事実があったことを認めた。

トヨタの発表によると、ヘッドライトの明るさ、フロントタイヤの角度、パーキングブレーキの効きにおける基準を満たす値に書き換えがあり、排気ガスの成分、スピードメーターの精度(誤差)においては、検査を実施しなかった車両があり、合計で565台が対象としている。

「レクサス高輪のオーナー様、またレクサス・トヨタ車をご愛用いただいている多くのお客様、ならびにお取引先の皆さまの信頼を損なう結果となり、多大なるご心配とご迷惑をおかけすることとなりましたことを、深くお詫び申し上げます」とトヨタは声明で発表。

「自動車メーカー、自動車販売店として、お客様の安全と安心を何よりも優先させるべきであるにも関わらず、それらを損なう結果となりましたことを、重く受け止めております」

「対象となるお客様には速やかにご連絡させていただき、お詫びを申し上げ、再検査をさせていただきたいと考えております。
また、国の認可を受けた指定整備事業者としても、国の検査を代行する責任ある立場にも関わらず、絶対にあってはならないことを犯してしまったことを、重ねてお詫び申し上げます」

「今回の不正は、増加する仕事の量に対して、エンジニアを中心とした人員や、設備の増強が追い付いておらず、慢性的に高負荷な状況が続いていたことが一因として挙げられます。また、決められた時間内に車検を終わらせることも、目的となってしまっておりました。一台一台のおクルマには、車種や、走行距離、日々の使われ方や、車両の状態などで、必要な作業時間が異なりますが、当初予定された時間で仕上げることを最優先してしまったために、今回の不正につながりました」

「今後は、必要な人員の増強、サービス機器の更新などを最優先で進め、エンジニアのための十分な休憩スペースを設置するなど、働く環境の改善を実施いたします」

「また、安全・安心なクルマの整備に必要な追加作業にかかる時間などを、今後はお客様にしっかりとご説明してまいります」

「そして、経営陣が店舗のオペレーション上での負荷と悩みを現地現物で把握し、店舗における業務のあり方を抜本的に見直すことにより、全員が目指すべきものに向けて一つになれる環境とお互いが話し合える風土を作り上げてまいります」

「メーカー、販売店一丸となって再発防止に向けてしっかりと取組んでまいります」

1.不正内容と再検査が必要となる台数
5つの検査項目不正内容対象台数
ヘッドライトの明るさ 基準を満たす値に書き換え565台
フロントタイヤの角度
パーキングブレーキの効き
排気ガスの成分 検査を実施しなかった
スピードメーターの精度(誤差)


2.レクサス高輪のお客様への対応について
今回の不正が疑われるレクサス高輪の対象車両のお客様には、担当スタッフから直接連絡をさせていただき、あらためて該当項目の「再検査」を無償にて実施いたします。

3.レクサス高輪の再発防止策とトヨタモビリティ東京(株)としての全社の未然防止策
(1)人員の増強・働く環境の改善
高負荷を軽減するために、サポート要員等の増強ならびに検査機器やサービス機器の更新などを最優先で進めるとともに、店舗で働く社員のために十分な休憩スペースを設置するなど、働く環境を点検して改善を図ります。

(2)サービスオペレーションの見直し
点検整備と検査に関わる時間を一律にせず、個別の車両の状況に応じて設定します。また、ヘッドライト光度検査等の計測値は画像に保存し、検査の信頼を担保します。さらに、現在の車検作業の手順が適正かを、現場の環境に照らして検証し、作業手順の改善を図ります。営業スタッフはご用命を丁寧に伺い、エンジニアとの事前打合せにより、作業に必要な時間と費用を正しくお伝えします。また、お客様をお待たせしないよう改善を図ります。

(3)社内教育の徹底
全検査員を対象に、その任務を再確認するための勉強会を実施しました。また、営業スタッフを含む店舗のスタッフに対して、検査員の職務と業務について周知しました。今後もこの教育を定期的に継続実施します。

(4)コミュニケーション強化
検査員の悩み事や疑問を受け付けるための新たな相談窓口「検査員ヘルプライン」を本社に設置しました。そして、役員および幹部が積極的に現場に足を運び、広く困りごとに耳を傾け、課題に対して真正面に向き合ってまいります。

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カテゴリー: F1 / 自動車ニュース