アウディF1 ビノット 「2026年マシンをドライバーたちは“楽しみ始めている”」

2026年はF1史上でも最も大胆な技術規則変更が行われる年であり、小型化された車体、新タイヤ、DRS廃止、ハイブリッド比率の変更、そしてグラウンドエフェクトの縮小など、ほぼすべてが作り直される“新時代”が始まる。
ドライバーは当初“否定的”だったが…ビノット「今は楽しみ始めている」
2026年からは、V6ターボハイブリッドの出力が内燃機関と電気の比率が完全に50:50となり、アウディが重視する電動化志向にも沿う形となる。またDRSは廃止され、新たな空力規則によって地面効果は縮小。車体サイズも小さくなる。
初期のシミュレーター段階では、シャルル・ルクレールが「気に入っていない」と語るなど、ドライバーから否定的な声もあった。
しかし、アウディの2026年リバリー発表会に出席したビノットは、状況が変わりつつあると説明した。
「これは少なくとも過去30年で最大の変化だ。大きなチャレンジだよ。正直に言えば、エンジニアたちはこのレギュレーション変更を楽しんでいる。ドライバーも最初は批判的だったが、彼らのコメントを見る限り、今は“楽しみ始めている”ように感じている」
アウディ「2026年F1で最も美しいリバリー」と自信
アウディは今週ミュンヘンで2026年用カラーリングを発表し、正式な参戦準備をさらに一歩進めた。
2026年は、他チームとのパフォーマンス差が3%を超えた場合に“特例措置”が認められる仕組みも設けられ、2014年のような大差の発生を防ぐ狙いもある。
アウディはフォーミュラEやハイブリッドで挑んだダカール・ラリーでの実績を背景に、「特例など必要ない」と強い自信を示す。
ビノットはこの点についても落ち着いた様子で語った。
「最終的には素晴らしいショーになると確信している。今回の変更は、まず“ロードカーにとっての関連性”が重要だ。完全持続可能燃料の採用は燃料メーカーにとってもチャレンジだが、レースの魅力は高まるはずだ」
「大きな変更だから序盤は混乱もあるだろう。チーム間にギャップが生まれる可能性もある。しかし、すぐに全チームが追いつくはずだ。必要があればFIAが規則を適応させていく。それは毎年行われている通常のプロセスだ」
「最終的には本当に素晴らしいレギュレーションになるだろう」

アウディの姿勢は“本気”──2026年レギュレーションは成功するのか
2026年の技術規則は未知数が多いが、ビノットの発言からは、アウディがこの新時代を“脅威ではなくチャンス”と捉えていることが強く伝わる。
F1が電動化を強めていく大転換点において、ハイブリッドの高度化と機械的グリップ重視の方向性は“差を埋めやすい”特性もあるとされる。
■ 新時代は小型化・DRS廃止・電動化の強化
■ チーム格差是正の“3%ルール”で2014年の再現を防ぐ設計
■ ドライバーの評価も初期の否定から「楽しめる」方向へ変化
■ アウディは電動レース実績から自信を持って参戦準備を進行中
2026年は、F1が「速さ」だけでなく「運転の難しさ」「機械的戦い」を取り戻す年になると言われる。
アウディがその中心に立つ可能性は十分にあるだろう。
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