アルボン F1カナダGPの“辛口”無線に釈明「全部は放送されていない」

モントリオールでの難しいレースの中盤、「なぜ僕の言うことを聞いてくれないんだ」といった無線が放送され、続いて数周後のタイヤ交換時にもピットとやり取りする鋭いトーンの無線が紹介された。このため、ウィリアムズ・レーシング内に緊張感があるのではと憶測が広がった。
だが、レース後のアルボンは笑顔を交えつつ、こう釈明した。
「正直、テレビ側がうまく演出してるよね。僕は毎周同じように言っていたのに、都合のいいタイミングのものだけ使われた感じだった」
つまり、感情をあらわにしたように聞こえた無線も、実際はレース中ずっと続いていた冷静な主張の一部に過ぎず、放送されたのはそのごく一部だったという。
レース内容には手応えも、PUトラブルでリタイア
アルボンのフラストレーションの背景には、ポイント獲得が狙えたはずの週末を逃した悔しさがあった。
予選では10番手につけ、決勝でも力強い走りを見せていたが、46周目にパワーユニットのトラブルで無念のリタイアとなった。
「今週末はチャンスを逃した。予選でもうまくまとめきれなかったし、まだタイヤの理解や風の影響への対応など、改善すべき点がある」とアルボンはコメント。
とはいえ、レース中のFW47には確かな競争力があったという。
「決勝のペースは本当に良かった。楽にトップ10に入れていたと思う。だからこそリタイアは悔しい」
さらに、自身の序盤の走りにも課題を感じていたと述べた。
「1周目は良くなかった。自分自身、もっといい仕事をしないといけない」

エンジントラブルは空力にも原因?
アルボンによれば、今回のリタイアの原因となったPUトラブルは偶発的なものではなく、集団走行による“ダーティエア”の影響で吸気が妨げられたことも要因だったという。
「前のマシンの乱気流にずっとさらされていたことで、クリーンな空気が吸気に入らなかった。それが問題を引き起こした」と語り、「今回だけの話じゃない。今後も起こり得る」と警鐘を鳴らした。
無線の“演出”には冷静な対応
ドラマチックに編集された無線が話題を呼んだものの、アルボン本人は終始冷静だった。ウィリアムズの実力が発揮されつつある中で、次こそはマシンの信頼性と戦略の精度が噛み合い、放送でも“全貌”が伝わることを願っている。
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