マクラーレン・ホンダ F1
スペイン・バルセロナでの第2回公式テストは3日目を迎え、ストフェル・バンドーンが開幕前最後の走行に臨んだ。セッション開始時点では順調に進み、これまでのテストと同様に空力の相関作業(シミュレーションと実走データの整合性を確認する作業)とデータ収集を行った。

24周目を終えてところで、バンドーンのマシンは電源供給を失ったことよってストップ。ピットに戻って問題の調査とマシンの再起動を行って走行を再開すると、さらに9周を走行した。

午前中のセッション終盤に問題が再発したため、またもコース上でマシンを止めざるを得ず、セッションは赤旗中断となった。チームはさらなる確認を行うために部品を取り外し、いくつか電装系の部品を交換したが、原因解明には至らなかった。

バンドーンは午後3時45分に再びコースイン。ハンドリングを調整するとともに、メルボルンでの開幕戦に向けた準備として、必要な手順のリハーサルも行った。

この日の走行はトータル48周。明日は最後のテストとなり、フェルナンド・アロンソがプログラムを引き継ぐ。

ストフェル・バンドーン
「シーズン前テストで私が担当した4日間での走行距離を見れば、万全の内容とは言えません。ただ、それもマシンを学ぶ過程の一部です。マシンはきちんとプッシュできて性能を最大限出せると感じられたのは、いいことだと思います。いくつかの問題を抱えて理想的な状況とは言えませんが、メルボルンまでに大きく改善すべく必死に取り組んでいます。私たちのペースを評価するのは難しいです。それ以外に注視すべきことや確認すべき手順が多かったので、問題解決のためにハードワークをしてメルボルンに向けて前進していければと思います。自分自身は100%の準備ができています。これまで数年にわたってマクラーレンとともに取り組んできました。テストで望んでいた走行距離をこなすことはできませんでしたが、それでも開幕が楽しみなことは変わりません。メルボルンまでに残された時間は、チームと一緒に懸命に取り組み、テストから持ち帰ったデータとシミュレーターで仕事を続けます。開幕戦にはいくつかのアップデートを持ち込み、いい兆候を得たいです」

エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)
「今日のスタートは順調で、空力のテストプログラムやメルボルンに向けた準備などに取り組むことができました。ストフェルはすばらしいフィードバックをもたらしてくれて、開幕戦が近づく中で前進することができました。残念ながら、昼休み前の数周で、2度電装系に問題が起こりました。2つとも同じ問題だと思いますが、詳細はまだ分かっていません。マシンのチェックに時間がかかり、ストフェルがコースに戻ったのは午後になってしまいましたが、再発予防のためテストプログラムを早めに終えることにしました。今夜は明日の最後の走行に向けて懸命に取り組まなければなりません。オーストラリアGP前の最後の機会を有効に活用したいと思います。重要なのは、シミュレーションデータの有効性を確認し、マシンについての理解を深めることですが、その点については正しい方向に進んでいます。明日は信頼性の問題が収まるはずですし、最後のテストを全力でプッシュしていきたいと思います」

長谷川祐介 (ホンダ F1プロジェクト総責任者)
「今日も難しい一日でした。午前中にストフェルのマシンに電気系の問題が起こり、ピットで解決にあたる時間を取らねばなりませんでした。コース上での時間を確保するため、チームは今日もストフェルが少しでも早く走行を再開できるよう懸命に努力してくれました。今日起こった問題については原因を解明すべく分析中です。もちろん、こうした問題が起きることでガレージに留まる時間が増えていくことは望ましくありませんが、これがテストの目的のひとつでもあり、走れば走るほどそこから学べることは増えていきます。テスト日程の7日を終えて、マシンがパッケージ全体としてどう機能するかについての理解を深められてきています。明日もプログラムを少しでもリカバーするためにテストを進めていきます。メルボルンに向けたデータを少しでも多く集めなければならないので、明日は忙しい一日になりますが、最終日もチーム全員が全力を尽くして臨みます」

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / ホンダF1