フェリペ・マッサ
フェリペ・マッサが、F1カナダGPへの意気込みを語った。

フェリペ・マッサ (フェラーリ)
ほぼ一週間サンパウロの自宅で過ごして、ちょっと前にモントリオールに到着した。2つの都市は1時間しか時差がないので、時差ぼけの問題がないのはいいね。最後にブラジルに帰ってからかなりの時間が経っていたので、家で友人と家族と過ごす以外はあまり多くのことはしなかった。

そんなに驚くことではないけど、セナのフィルムはブラジルでも他と同じように大きなインパクトがあったし、僕も映画館に観に行った。ディレクターは僕たちが見たことがなかった映像を見つけ、テーマもアイルトンのキャリアのハイライトだけでなく、彼を取り巻く政治的な状況もカバーしていたので楽しかった。F1に興味がない人にも説得力のある映画だと思う。もちろん、トレーニングにも取り組んでいたし、マシンにどのような開発物が届くかを確認するためにファクトリーのスタッフとも連絡を獲り続けていた。以前は、カナダに着く頃にはチャンピオンシップはすでにほぼ決まっていたけど、今はカレンダーがとても長くなっているので、まだ確実に決まっているとは言えない。マラネロの全員が、僕とフェルナンドがここ数レースで示したようなコンペティティブなレースをできるように、マシンの改善を続けるべくそれぞれの分野で全力で作業している。ポイントに関しては困難な時期を経験しているけどね。カナダではそれが終わってくれることを期待している。

モントリオールは行くのが楽しみな場所だ。実を言うと、お気に入りのサーキットではないんだ。でも、都市自体は素晴らしいし、ファンの間でもフェラーリの応援は多いし、人々もとても歓迎してくれてF1に熱心だ。ここではあまり良い結果は残せていないし、最高は2005年の4位だ。2008年もピトストップでの給油問題までは表彰台を争っていたし、とても良いレースができていた。5位でフィニッシュするために後方グループから多くのドライバーを追い越さなければならなかった。少なくとも、今週末はこれまでのカナダGPでの最高結果を目指しているし、表彰台でフィニッシュできたら素晴らしいだろう。トラックにはいろんな種類の面白いチャレンジがあるし、週末ずっと路面は進化するし、実質的に金曜日の午前中はまったくグリップがないので、マシンのセットアップは簡単ではない。縁石でうまく働いて、低速コーナーの出口で優れたトラクションのあるマシンが必要だけど、実際には速いトラックなので、トップスピードも必要だ。ドライバーとエンジニアにとって、最高のセットアップと適切なレベルの空力ダウンフォースを見つけることは複雑な仕事だ。サーキットに合わせてより多くのスピードを生み出すためにかなり低いダウンフォースを走らせるし、空力面でのアップグレードのおかげで、僕たちにはかなり競争力があると思う。タイヤのデグラレーションはかなり高いと思うので、作業をさらに難しくなると思う。モアナコと同じタイヤコンパウンドだけど、今週末1ストップレースを試みる人はいないだろう。

チャンピオンシップに関して、フェラーリが戦いを諦めることはない。でも、セバスチャン(ベッテル)が素晴らしい仕事をしているのはかなり明白なことだ。1レースを除いて全てのレースで勝っているし、その時も彼は2位でフィニッシュしている! 彼と彼のチームはとても強いけど、僕たちは1レースごとチャンピオンシップに取り組んでいるし、シーズンの終わりまで戦い続けられるように全員がマシンをコンペティティブにするために非常に懸命に取り組んでいる。今週末はモントリオールでのグランプリとは別に、プライベートチームをサポートする様々なファクトリーがフェラーリ458と430GTでル・マン24時間に取り組むので、世界規模でフェラリにとっては非常に忙しい週末になるだろう。耐久レースは、スプリントレースのF1とは完全に異なる。ドライバーは暗闇でレースをしなければならないし、かなり違ったチャレンジに対処しなければならない。いつか僕のF1キャリアに終わりがくるときには検討するかもしれないし、レースをする全てのフェラーリにとって成功した週末になることを願っている。

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カテゴリー: F1 / フェリペ・マッサ / スクーデリア・フェラーリ / F1カナダGP