小林可夢偉
小林可夢偉が、F1日本GPのレース週末を振り返り、ファンへ感謝の気持ちを述べた。

レース前には“他のグランプリと変らない”と語っていた小林可夢偉だが、やはりプレッシャーを感じていたことを認めた。

「日本GPの週末は、色々な部分で変なプレッシャーもあったので、ポイントが獲れてよかったです。おかげさまで決勝の後はだいぶリラックスできましたけど、けっこう大変な週末だったんです」と小林可夢偉はF1日本GPのレース週末を振り返る。

金曜日のフリー走行でバランスに苦しんだ小林可夢偉は、金曜の夜にセッティングを大幅に変更した。

「シンガポールから新しくなった車体パッケージで、クルマはいいだろうと思っていたけど、金曜日のフリー走行は全然バランスがとれなかった。タイヤもオプション、プライムどちらともすぐにタレていた。だから金曜の夜にセッティングを大きく変えたんですけど、土曜日は雨で、朝一のインスタレーションラップだけで終わってしまった」

土曜日の鈴鹿サーキットには豪雨が降り注ぎ、ほぼ走行は不可能な状態。予選開始は15時30分まで延期されたが、最終的に日曜日に順延となった。

「とにかく土曜日は、雨のなか僕たちが走るのをずっと待っていてくれたファンの人たちに本当に申しわけなかったです。あのコース上の水量だと船みたいに浮いてしまうので、走ることは出来ませんでした」

予選でのマシンはQ3も目指せる状態にあったが、Q2のアタックラップのシケインでミス。しかし、結果的にそれが決勝でのプライムタイヤでのスタートに繋がったと小林可夢偉は語る。

「日曜の朝に順延された予選では、Q1の最初に出て行ったときに、セッティングを変えたことでバランスがいい方向に行っているのを確認できたので、Q3進出も見えそうだったんですけどね。あのQ2のセカンドアタックは、シケインだけでコンマ4秒は失った。セクター1、セクター2とうまく行き過ぎてるぐらい行き過ぎていたんですけど、予選でのブレーキングは難しかったです」

「結果的に言えば、もしもう少し前のグリッドからレースをスタートすることになっていたら、決勝でのタイヤ戦略はできなかったと思うので、どっちもどっちというところでしょう」

決勝を14番グリッドからスタートした小林可夢偉は、プライムタイヤの戦略を生かすために果敢な攻めをみせた。

「決勝のスタート直後は、目の前でペトロフとヒュルケンベルグがぶつかって、その破片が全部僕のところに飛んできたんで、それを避けてる間に遅れたんです。そうしたら今度はロズベルグに押し出されたマッサが目の前に戻ってきてリウッツィにぶつかって、あれはほんまにギリギリで当たらずにすみました」

「セーフティーカーランが終わってレースが再開したら、とにかく早いとこアルグエルスアリを抜いて上位集団についていかないとプライムタイヤでスタートした戦略の意味がなかったんです。最初にアルグエルスアリをヘアピンでオーバーテイクしたときは、だいぶというか、かなりリヤが滑って、自分でも『お〜、滑ってる滑ってる』とクルマのなかで思ってました。あれはちょっと中途半端な抜き方でしたね」

新品のオプションタイヤに交換した小林可夢偉は、ポイントを目指しさらにアグレッシブな走りを披露。ハイメ・アグルエルスアリとの攻防ではスペースを空けていたにもかかわらず接触され、マシンにダメージを負った。

「オプションに履き替えてからヘアピンで今度は外側から抜いたんですけど、あれは外側が通常のレーシングラインなので、無理せずブレーキングしたら前に出ていたんです。そのあと立ち上がりでちゃんとあけていたんですけど、何故かぶつけられてクルマがちょっと壊れてしまった」

「バリチェロもヘアピンで抜きましたけど、けっこういやらしかったですよ。ライン取りとかペースとか変えてディフェンスしてきましたから。まあみんな簡単に抜かしてくれるわけはないんですけど。抜いた後もかなりしつこかったですね」

「クルマのダメージもあったので、最後はとにかくクルマにトラブルが起きへんか心配でドキドキでした。チェッカーを受けたときはほんまにホッとしました。ニックも8位に入ったので、おかげさまでチームにとっても今シーズンのベストリザルトを手に入れられた。この結果は応援してくださったファンのみなさんのおかげです。本当にありがとうございました。これからの3レースもポイントを目指して頑張ります」

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カテゴリー: F1 / 小林可夢偉 / ザウバーF1チーム