アンドレッティのF1プロジェクトを影で支えるトヨタの存在
アンドレッティは、参入のための最初の試みを拒否されたものの、2026年にもF1グリッドにつくことを望んでいる。そのために欠かせないのがトヨタ、いや、アンドレッティがF1プロジェクトで使用している風洞の所有者であるトヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパだ。

1月、F1はアンドレッティの参戦をきっぱりと拒否した。このアメリカの巨大モータースポーツ企業は、早ければ2025年、より可能性が高いのは新しいパワーユニットとシャシーのレギュレーションが施行される2026年に11番目のグリッドメンバーとなることを申請していた。

F1はこれを非現実的な目標だと判断し、門戸を閉ざした。しかし、2028年シーズンへの申請については異なる見方をする可能性があることを認めている。

アンドレッティがF1参戦に向け全力投球を続ける一方で、その成功の一端は、おそらく全く縁のなさそうなパートナーであるトヨタとの継続的な関係にかかっているだろう。

トヨタは15年間F1のコンストラクターにはなっていないが、現在も世界の主要モータースポーツシリーズに参戦している。ドイツのケルンを本拠地とするトヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパは、2002年から2009年まで短期間F1に参戦した名残で、2つの風洞を誇っている。

RacingNews365はトヨタのキャンパスを訪問し、風洞マネージャーのアントニオ・パヴェシに話を聞いた。彼はマクラーレンの撤退について語った。チームは風洞を稼働させる前に何年も施設を使用していた。

「マクラーレンのような重要な顧客を失うのは悲しいことだが、人生は続く」とパヴェシは語った。

「風洞のひとつはほとんどマクラーレンが独占的に使用していたため、一時はどうやって風洞を稼働させ続けることができるかという懸念もあったが、幸いにも他のプロジェクトを見つけることができた」

アンドレッティ F1

アンドレッティは空力プロセスを構築できた
注目すべきプロジェクトのひとつがアンドレッティで、アメリカのチームがF1グリッド獲得に向けてトヨタに協力を要請した。ケルンのキャンパスでは、アンドレッティは2つの風洞を利用できる。ひとつは50%の大きさまでの模型を走らせるもので、もうひとつは実寸大のクルマを走らせることができるものだ。

いつ、どのようにして関係が始まったのか尋ねられたパヴェシは「彼らがいつ我々に接触してきたのか正確には覚えていないが、2023年の中頃だったはずだ」と答えた。

「F1参戦を準備する際、彼らにとって風洞を使えることは重要だった。これによってアンドレッティは空力プロセスを構築することができた。彼らは我々に連絡を取り、我々は最終的にここケルンで彼らのためのモデルを構築することになった。 2023年の最後の数か月の初めにそのモデルは風洞でテストされた」

パヴェッシはさらに、風洞の顧客のなかには彼らのためにモデルを製作するよう依頼する者もおり、トヨタもそのような依頼を受けることがあると説明した。

風洞を利用する顧客からの要望はどの程度あるのかという質問に対して「より一般的なことだ」と彼は答えた。

「自分たちのモデルを持って我々のところに来ることができるかどうかを尋ねる顧客もいるが、我々が彼らのためにそのモデルを設計し、製作するかどうかを尋ねる顧客もいる。我々は両方に対応することができる」

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カテゴリー: F1 / アンドレッティ / トヨタ