ブロウン・ディフューザー
FIAは、F1イギリスGPからブロウン・ディフューザーを禁止することをF1チーム側に伝えた。

FIAは、先月のF1スペインGPからオフスロットル時にディフューザーに排気ガスを送りダウンフォース効率を高めるブロウン・ディフューザーを禁止することを希望したが、F1チーム側がコストと物流面の問題を訴えたため延期となっていた。

だが、FIAは土曜日にチーム側にF1イギリスGPから禁止することを通達。また、2012年からはさらに厳しく規制することを伝えた。

ブロウン・ディフューザーの禁止は、“ホット・ブローイング”と“コールド・ブローイング”という2種類のブロウン・ディフューザーに適用される。

ホット・ブローイングとは、オフスロットル時でも排気ガスを強制的に送れるようにエンジンの複雑なマッピングを採用しているもの。

コールド・ブローイングとは、スロットルが開いているときにも燃料バルブを閉じることで、エキゾーストからは冷たいガスだけを排出するようになっているものをいう。

両方のタイプとも、マシン後部のダウンフォースを増加させる効果がありが、ホット・ブローイングの方が効果的とされている。

ザウバー、トロ・ロッソ、ウィリアムズ、ヴァージン、ヒスパニア・レーシングは、コールド・ブローイングを採用しており、ホット・ブローイングを採用している上位チーム勢に大きな影響ができるとみられる。

しかし、FIAは2012年からは全てのブロウン・ディフューザーを非合法化し、排出口をマシンの最後部に移動することで排出ガスがダウンフォースに影響を及ぼせなくすることを望んでいる。

ブロウン・ディフューザーを禁止する理由としては、FIAがホット・ブローイングが燃料を無駄に消費していることに不満を抱いており、またブロウン・ディフューザーは全般的にエンジンの可動パーツによって空力に影響させており、可動空力デバイスの禁止というテクニカルレギュレーションに抵触しているためだとみられている。

ウィリアムズのテクニカル・ディレクターを務めるサム・マイケルは、木曜日にテクニカルワーキンググループの会議を行い、それをどのようにFIAの規約に実装するかに同意することになるだろうと Autosport に述べた。

「FIAはその立場を非常に明確にした」とサム・マイケルはコメント。

「彼らは木曜日に詳細について話し合うことを望んでいるが、チャーリー(ホワイティング、FIA技術代表)はホット・ブローイングとコールド・ブローイングをシルバーストンでのグランプリから禁止すると述べた。2012年にはエキゾースト・システムをリアホイールの中心線よりも後方に設置しなければならなくなる。実際、330mm後ろになるので、ディフューザーの後ろに出ることになる」

「これにより、エキゾーストはディフューザーに影響を与えることができなくなる。これがFIAが明確にしたものであり、木曜日には施行される」

メルセデスGPのチーム代表ロス・ブラウンは、チームがブロウン・ディフューザーの禁止を退けることは困難であり、最大の差は予選で現れてくると BBC に述べた。

「チーム側が、そのアプローチが実現不可能で、大きな問題になることを示すことができなければ、それは進められるだろう」

「我々のレースモードではあまり差はないが、予選では0.5秒から1秒くらいラップタイムに影響するだろう」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟)