角田裕毅「自信を失ったわけではない」 レッドブルF1で直面した課題と収穫
角田裕毅は、F1スペインGPの公式記者会見で、レッドブル・レーシング加入からこれまでの適応過程を振り返りながら、「自信を失ったわけではない」と力強く語った。

モナコGPでは予選で赤旗に阻まれ、思うような結果を残せなかったが、角田裕毅はその背景にある自身の理解度について冷静に自己分析した。

「まだ自信という意味でも、いろんな面で少しずつ積み上げている最中です。マシンに対する理解は進んできていますが、最後の数コンマ秒、数ミリ秒を詰めるためには、路面の進化を自然に感じ取れる必要があります」

続けて、マシンの挙動を瞬時に把握するための「直感」の重要性についてこう語った。

「セットアップを変更したときに、どんなバランスになるかが直感的にわかる状態にならないと、トップレベルでは戦えません。新しいマシンでは、そういった部分の理解がまだ十分ではないですし、そこは経験がモノを言うところだと思っています」

以前所属していたVCARBでは、そうした感覚が完全に身に付いていたと振り返る。

「VCARBでは、マシンの反応が完全にわかっていたので、あれこれ考えなくても自然に反応して速く走ることができていました。今はその感覚をもう一度構築している段階です」

イモラで得た“再認識”と今後への確信
イモラでの週末が、今の自分に何を気づかせたのか。角田裕毅はこう述べる。

「イモラでの週末は、自分の理解度を改めて認識させられるきっかけになりました。正直、そういった細かな部分の重要性を少し軽視していたかもしれません」

しかしそれは後悔ではなく、学びとして前向きに捉えている。

「でも、自信をなくしたわけではありません。少しずつ積み上げていけば、必ずしっかり戦えるようになると信じています」

角田裕毅 レッドブルF1 スペインGPF1スペインGPの公式記者会見に出席した角田裕毅

スペインGPでは「マックスよりも自分に集中」
週末のレースに向けては、モナコで感じた手応えに触れながら期待を口にした。

「モナコでは予選までのパフォーマンスはすごく良かったです。赤旗などもあってすべてが計画通りには進みませんでしたが、FP2やFP3ではこれまでで一番良いと感じられるペースでした」

また、ここカタルーニャでのレッドブルの実績について問われると、こう返した。

「バルセロナでレッドブルが勝ってきたというイメージはあまり持っていなかったんですが、マックスがここで4連勝していると聞いて、それは良いニュースですね。でも、自分はマックスのことよりも、自分自身に集中したいと思っています」

プレッシャーの大きいトップチームでの挑戦の中でも、角田裕毅は自らの成長段階を冷静に受け止めている。

「自信を失ったわけではない」。この言葉に込められた意志と客観性が、バルセロナの地でどう表れるのか注目される。

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / F1スペインGP