ウィリアムズF1 モナコGPでW入賞も戦略に不満「レースというよりゲーム」

ウィリアムズはこれで4戦連続で両ドライバーがトップ10入りを果たすこととなったが、そのためにはライバルを封じ込めるための“異例の戦術”を用いる必要があった。
先にこの戦略を仕掛けたのはレーシングブルズだった。後方を走るリアム・ローソンが意図的にスローペースで集団の後続を抑え、その前方にいるアイザック・ハジャーに十分なギャップを作らせたのだ。
これによりハジャーは、2回の義務ピットストップをほとんど順位を失うことなく完了することができた。この戦術は後続のアルボンを含むドライバーたちにとっては苛立たしいものだったが、非常に効果的であり、ウィリアムズも同様の手を打って両車をポイント圏に送り込んだ。

「正直、気に入らなかった。カルロスも気に入ってなかったと思う」とアルボンはレース後に語った。
「これが僕らの望むレースのやり方ではない。でも結局は戦術勝負なんだ。レーシングブルズが仕掛けてきたから、こっちも合わせるしかなかった。そうやってレースがグチャグチャになる」
「枕とコーヒーでも持ち込んでリラックスしたいくらいだったけど、実際はすごく遅いペースで走りながら集中力を保つのが意外と難しいんだ」
「見た目は良くないけど、チームのためにポイントが取れたのは良かった。現実的には、土曜の予選でレースを失った感じだ。タイヤが決まらなかったし、そのツケを払うことになった。今日はそれがすべてだった」
「もっとポイントを持ち帰れなかったのはフラストレーションだけど、それでも着実に前進してる。今週末はちょっと残念だった。最大限の成果を出し切れなかった気がしてるし、後ろには怒ってたドライバーが何人かいたと思う」

サインツもまた、ローソンの走りを「ペースの操作」と表現し、批判的な立場を取ったが、自分たちが同じ戦術を取ったことでウィリアムズが9位と10位でゴールできたことも認めた。
ウィリアムズにとっては、もはやトップ10圏内の最下位にあたる9位・10位という結果ですら、物足りなさを感じるようになってきた。アルボンは今季すでに3度も5位フィニッシュを記録しており、それ以上の成果を求める声も強まっている。
「9位と10位で週末を終えて悔しい気持ちになるのは、良い兆候だと思う」とサインツは説明した。
「以前のウィリアムズなら9位・10位は大成果だったわけで、それを前向きに受け止めている」
「レースまではちょっと調子が悪かったけど、決勝ではスピードを感じていた。次のバルセロナでは再び競争力を取り戻せるようにしたい。でもバルセロナは僕たちにとって厳しいサーキットになるかもしれない」
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