マックス・フェルスタッペンは2025年F1で「仕事をやり遂げる」とエクレストン

94歳となった今もF1の歴史において圧倒的な存在感を放ち続けるエクレストンだが、今回の予想はスリリングなシーズンを予感させるものとなった。
2024年シーズンでは4チーム7人のドライバーが勝利を収めたため、選手権争いはこれまで以上に激しいものになると予想されているが、エクレストンのフェルスタッペンに対する自信は、レッドブルのスタードライバーの圧倒的な強さを示すものとして際立っている。
来週、メルボルンで2025年のF1グランプリレースが開幕するが、それは歴史的なマイルストーンとなる可能性がある。フェルスタッペンが5連覇を達成すれば、2000年から2004年にかけてフェラーリで同様の偉業を達成したミハエル・シューマッハと肩を並べることになり、1994年と1995年にベネトンで獲得したタイトルと合わせて、7度のワールドチャンピオンに輝くことになる。
2022年5月以来、1,000日以上もドライバーズランキング首位を走り続けているフェルスタッペンは、復活した強豪たちからの手強い挑戦に直面しているが、エクレストンはレッドブルのドライバーを疑う理由はないと考えている。
「私は依然としてマックスが勝つと思っている。彼が勝てない理由はない」とロイターとの会話で断言した。
「彼にマシンがあれば、議論の余地はない。間違いなく優勝するだろう。マシンがそれに見合うものであれば、彼は仕事をやり遂げるだろう」

競争の構図:マクラーレンとフェラーリが参戦
2024年にレッドブルがマクラーレンにコンストラクターズタイトルを奪われたにもかかわらず、フェルスタッペンはドライバーズランキングで無傷のまま昨シーズンを終え、2位となったマクラーレンのランド・ノリスを大きく引き離した。
ブレイクイヤーとなったノリスは、ブックメーカーの一番人気となっており、特にバーレーンテストでレッドブルの走行距離が限られていたことがポテンシャルの脆弱性を示唆していることから、最大の脅威となりそうだ。
フェルスタッペンの新しいチームメイト、リアム・ローソンは、セルジオ・ペレスの2024年の低迷により生じた穴を埋めることになり、レッドブルの勢力図に不確実性の要素が加わることになる。
しかし、エクレストンは動じることなく、逆境を乗り越えるフェルスタッペンの能力に期待を寄せている。とはいえ、競争は一面的なものではない。
「私は、この選手権がこのようにオープンになっていることを、多くの点で喜んでいる。そして、それは良いことだ」とエクレストンは述べ、F1を活性化させた予測不可能な状況を歓迎した。
「マクラーレンを考えるのは当然だが、私はフェラーリが勝つところを見たい」と彼は述べ、現状に挑戦するスクーデリア・フェラーリのポテンシャルに対する称賛の意を示した。
エクレストンにとって、2025年のタイトル争いは単にフェルスタッペンだけの問題ではなく、新たな深みを増したスポーツの繁栄にかかっている。

フェラーリの期待はルクレールに
フェラーリでは、シャルル・ルクレールにスポットライトが当たっている。エクレストンは、ルクレールこそがフェルスタッペンを王座から引きずり下ろす最善の策だと考えている。
モナコ出身のドライバーは、マラネロの主力ドライバーであり、2025年には7度の世界チャンピオンに輝いたルイス・ハミルトンをチームメイトとして迎えるが、エクレストンはルクレールがフェラーリの最優先事項であり続けると信じている。
「彼はこれまでずっとそこにいた。だから、ルイスと差し替えることはまずないだろう」と彼は述べた。
「ルイスが不可能だと言っているわけではない。ただ、彼らはルクレールが仕事をやり遂げることを期待し、見守ることをやめないだろう」
この姿勢は、フェラーリの微妙なバランス感覚を強調している。メルセデスでの輝かしい経歴を経て加入するハミルトンは、他に類を見ない経験をもたらすが、ルクレールの継続性と向上心が天秤を傾ける可能性もある。
昨シーズン、ルクレールの安定した走りがフェラーリをタイトル争いに残した。そして、ポテンシャルのあるマシンを手に入れた今、彼はその実力を最大限に発揮できるだろう。
エクレストンが27歳のルクレールに賛同したことは、フェラーリがタイトル獲得を目指すには、ハミルトンのキャリア終盤に見せたような魔法のような走りに頼るのではなく、自国の才能を育てる必要があるという信念の表れである。
ヤングガンとロングショット
また、エクレストンはメルセデスのルーキー、アンドレア・キミ・アントネッリにも懐疑的な目を向けている。ハミルトンの抜けたシートに座る18歳のイタリア人ドライバーは、大きな期待を背負っての参戦となるが、エクレストンは彼がすぐに注目を浴びるようになるとは確信していない。
「ハミルトンの後任である18歳のイタリア人ドライバー、アンドレア・キミ・アントネッリが今シーズン中にレースで優勝するなどとすれば、私は非常に驚く」と彼は語った。
ハミルトン自身のデビューシーズンとなった2007年には、9戦連続で表彰台に上り、2勝を挙げてランキング2位となったが、エクレストンはアントネッリがF1という容赦ない舞台で自分の居場所を見つけるには時間がかかると見ている。
シーズンが迫る中、エクレストンのビジョンは、野心に満ちたドライバーたちの中で、フェルスタッペンが歴史を塗り替えるという執拗なまでの追求を続けるというものだ。
マクラーレンの勢い、フェラーリのルクレール主導の攻撃、そしてローソンやアントネッリのような新顔の予測不可能性は、手に汗握る物語を約束する。
しかし、かつてのF1の重鎮にとって、優位に立つのはフェルスタッペンだ。メルボルンで、この物語の第1章が始まる。
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