SUPER GT:au TOM’S GR Supraが優勝で大逆転タイトル獲得!
2021年 SUPER GT 第8戦の決勝レースが11月28日(日)に富士スピードウェイ(1周4,563m×66周)で行われ、GT500クラスは、予選4位から猛追したNo.36 au TOM’S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)が優勝し、シリーズタイトルも逆転で獲得。GT300クラスはNo.60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)が優勝。3位に入ったNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が、SUBARU初のGT300制覇を成し遂げた。

決勝日の富士スピードウェイは富士山も見渡せるほど晴れ間が広がる絶好のコンディション。午後1時、今季最後の戦いの火ぶたが切られた。GT500クラスのスタートでは、予選1位のNo.14 ENEOS X PRIME GR Supraがトップをキープ。これをNo.36 au TOM'S GR Supraなど2台のTOYOTA GR Supra GT500とNo.1 STANLEY NSX-GTが追う展開となる。

序盤、No.12 カルソニック IMPUL GT-RとNo.17 Astemo NSX-GTが接触するアクシデントもあり、この2台は事実上タイトル争いから脱落した。この後、GT300クラス同士の接触で車両がストップしてしまい、セーフティカーが導入された。そしてこのリスタート後に36号車の関口雄飛が14号車を抜いてトップに立つ。

所定のドライバー交代のピットインを終えた後半も、36号車が首位を堅持。タイトルを争う1号車は4番手に下がっていたが、このポジションを守ればタイトルは1号車が連覇となる。ドライブする山本尚貴も堅実な走りでこのまま行くかに思われたが、GT300クラスのマシンのバトルに巻き込まれて、その1台と接触。なんとダメージを負ってしまいピットインし、ポイント圏外となる。

レースは結局36号車が逃げ切って優勝。1号車がノーポイント、No.8 ARTA NSX-GTも6位に終わったため、No.36 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)が、ドライバーとチームの両タイトルを最終戦の大逆転で獲得することとなった。決勝の2、3位はNo.37 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/サッシャ・フェネストラズ)、No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)で、以下5位までをGR Supra GT500勢が占めた。またNISSANが来季はGT500車両変更を発表したため、このレースが最後になるNISSAN GT-R NISMO GT500だが、最上位はNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)の7位となった。

GT300クラスはポールポジションのNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がレース前半をリードする。だが、所定のピットを終えた後半は6番手に下がり、後ろにタイトルを争うNo.55 ARTA NSX GT3とNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが迫る厳しい展開となる。これを何とか凌ぐと、最終的にはライバルに抜かれることなく3位でフィニッシュ。SUBARU念願のGT300チャンピオンを獲得した。レースは後半トップに立ったNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTがトラブルで緊急ピットイン。これでNo.60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)が、第2戦に続き今季2勝を挙げた。

GT500 シリーズチャンピオン&優勝コメント
No.36 au TOM'S GR Supra
関口雄飛
「チャンピオンと言うよりは、スタート前からこのレースを絶対優勝する気持ちで臨みました。とにかく前を抜いていくという強い気持ちで行きました。そして前半をトップで戻って来られたので、交代の時は『行けー!こらぁ!!』と坪井選手に気合いを送りました(笑)。きっとタイヤの状態は辛かったとは思いますが、それを上手くマネージメントして耐えてトップでゴールしてくれたので、彼には感謝しています」

坪井翔
「予選は4位と悔しい思いをして、レース前半に関口選手が魂こもった走りでトップまで上がってくれました。引き継いでから『なんとしても優勝を目指さなければ』と思いました。ただチャンピオンはライバルの順位次第なので、勝つことだけを考えて、第2戦で取り忘れたもの(トップ走行もリタイヤ)を取り戻す気持ちでした。それで優勝できて、結果チャンピオンになれたので、もうこれ以上ないくらい幸せです」


■GT300 シリーズチャンピオン コメント
No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT
井口卓人
「最高です、ありがとうございます。まだチャンピオンという実感はありません。今年デビューの新型BRZで前半は苦しい思いをしましたが、チームの努力が形になりました。そして、レース後半は山内選手が激しいバトルを強い気持ちで走ってくれました。何年も苦しい時期を過ごして、いつか絶対(タイトルが)獲れると思って、SUBARUファンの皆さんとがんばってきました。だから、こんな最高のことはないです。ただ嬉しいです」

山内英輝
「SUBARUファンの皆さん、ありがとうございます! すごく嬉しいです。(担当の決勝後半は)最後までしびれる展開で、挫けそうな気持ちにもなりました。でもSUBARUの旗があちこちで振られるのが目に入って、それを見て絶対にチャンピオンなるため(後続に)抜かれない、(前走の)4号車を抜くことだけを考えていました。最後の最後に上手く前に出られたので、良かったです。ここまで何シーズンも辛いことが多かったのですが、ファンの声援でがんばってこられました。今はその気持ちに応えられた安堵感で、すごく幸せです」

■GT300 優勝コメント
No.60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT
吉本大樹
「やったぞ!という感じです(笑)。昨年は最終戦でやっとポイントが取れたという苦しい思いをしました。今年はクルマがGR Supraに、タイヤもダンロップさんとなり、本当に180度変わった感じです。今日は勝った第2戦と同じようなルーティンにしようと、河野選手が先に乗りましたが、彼が素晴らしいオーバーテイクをしてくれて、良いレースができたと思います。富士は僕らと超相性が良いのですが、来シーズンは他のコースも相性良くできたらと思っています」

河野駿佑
「僕らはチャンピオン争いに残れませんでしたが、第2戦で勝った富士ということだけに、シーズンの締めとして必ずいい結果を持ち帰りたいと思って臨みました。昨日からマシンは調子が良く、天気も僕らの味方をしてくれて、予選は吉本選手が3番手と良い走りをしてくれました。勝った第2戦も予選3位だったので、流れが良いなと思いました。だから、今回も第2戦と同じように僕が前半を走りました。すべてがマッチして上手くいき、最後は運もあった(トップがトラブルで遅れる)かもしれませんが、富士で連勝できて本当によかったです」

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カテゴリー: F1 / SUPER GT