レッドブルF1 リンドブラッド昇格を決断?「角田裕毅には心地よくはなかった」
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、2026年のドライバーラインナップについて「グランプリ後に発表する」と明かした。ティーンエイジャーの逸材、アービッド・リンドブラッドがレーシングブルズのレギュラーシートをほぼ確実に手に入れたと見られている。

18歳のリンドブラッドはメキシコGP金曜フリー走行1回目でマックス・フェルスタッペンのマシンを引き継ぎ、堂々とした走りを披露。チームメイトの角田裕毅を上回るラップタイムを記録したことが話題を呼んだ。

マルコはオーストリア紙『Kleine Zeitung』にこう語った。

「それはもちろん角田にとっては心地よいことではなかった。だがリンドブラッドは冷静だった。『マシンを壊すな、フロアは1枚しかない』と皆に言われたのに、それでも最速のルーキーだった」

リンドブラッドの昇格、アイザック・ハジャーはレッドブルへ
マルコによると、リンドブラッドは2026年からレーシングブルズでフルタイム参戦する見込みが極めて高い。代わってアイザック・ハジャーがレッドブル・レーシングへ昇格する方向で調整が進んでいるという。

これにより、残る1つのシートを巡って角田裕毅とリアム・ローソンが争う構図となる。マルコは「すべてはグランプリ後に評価し、その上で発表する」とメキシコで語った。

角田裕毅の近年のパフォーマンスは上向き傾向にあるものの、依然として予選での不安定さが評価に影響しているようだ。

「角田は予選2回目のセッションで脱落した。結果は上向いているが、常に予選ではレースより後方にいる。彼はそれをコントロールする術を学ぶ必要がある」とマルコは指摘した。

角田裕毅 レッドブル F1

セルジオ・ペレスが語る“レッドブルの現実”
一方、2026年にキャデラックF1チームからF1に復帰する元レッドブルドライバーのセルジオ・ペレスは、ホームレースの地メキシコで角田裕毅やリアム・ローソンが直面している厳しい現実について言及した。

「レッドブルとの契約が終わったとき、次にあのチームに行くドライバーは本当に大変な思いをするだろうとわかっていた。僕自身もあの環境で生き残るのがやっとだった」とペレスは記者団に語った。

ペレスは、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとして戦うことの難しさを強調する。

「マックスの隣で走るのは本当に難しい。ほとんどの人はそれを理解していないと思う。ハミルトンやルクレールを同じマシンに乗せても、みんな苦戦するだろう」

“フェルスタッペン仕様”のマシン特性
ペレスによると、その理由はフェルスタッペン特有のセットアップ哲学にあるという。彼はマイケル・シューマッハがフェラーリ時代に好んだように、極端にフロント寄りのマシンバランスを求める。

「マックスのドライビングスタイルに合わせなければならない。マシンが悪いわけではないが、バランスはとても特殊だ。彼のように運転しなければ完全に迷子になる」とペレスは説明する。

さらにこう続けた。

「外からは見えないことがたくさんある。速く走るだけじゃない。プレッシャーや期待にどう向き合うかも重要だ。本当にタフな世界だ。レッドブルに来てすぐに結果を出せると思ったら、それは大間違いだ」

分析:リンドブラッド昇格が意味する“世代交代”
今回のマルコ発言で、リンドブラッドのF1昇格は事実上確定路線となった。レッドブルは若手育成プログラムの刷新を進めており、マックス・フェルスタッペンを軸に2026年の新レギュレーション下で新時代を築く構えだ。

角田裕毅とリアム・ローソンの争いは、メキシコGPと最終2戦の結果次第で決まる可能性が高い。どちらにせよ、レッドブルは次世代を担うドライバー陣をすでに明確に描いている。

アービッド・リンドブラッドの台頭は、2026年のレッドブル体制における“世代交代”の象徴的な一歩となるだろう。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / 角田裕毅 / ビザ・キャッシュアップRB / アービッド・リンドブラッド