ヘルムート・マルコが「主導的役割」 レッドブルF1ホーナー電撃解任の舞台裏
クリスチャン・ホーナーがレッドブルから突如解任されたニュースはF1界に大きな衝撃を与えたが、その舞台裏でヘルムート・マルコが「主導的役割」を果たしていたことが報じられた。

独メディア「Bild」によると、レッドブルのスペシャルアドバイザーであるマルコは、ホーナーの去就を巡る重要な会合に出席しただけでなく、その議論の中心人物でもあったという。

ホーナーは約20年にわたりレッドブルを率い、6度のドライバーズタイトルと8度のコンストラクターズタイトルを獲得。だが7月8日、レッドブル本社のスポーツ部門責任者オリバー・ミンツラフとマルコが同席する形で、突然その任を解かれた。

その前日7日には、ミンツラフ、オーナーのチャラーム・ユーヴィッディヤー、マーク・マテシッツ、そしてマルコによる会合が開かれ、ここでホーナーの解任が正式に決定されていたという。

ホーナー解任の背景には何があったのか
報道によれば、今回の決断は「突発的」ではなく、数週間前から練られていたものだった。

最も顕著な理由のひとつは、レッドブルの競争力低下だ。RB21はマックス・フェルスタッペン以外には手に余るマシンとなり、チームはコンストラクターズ選手権で4位に転落。2024年に絶対王者だった姿は影を潜めている。

さらに今年開幕時、ホーナーは元女性職員から不適切行為を訴えられた(後に嫌疑は晴れた)が、この一件を機に、マルコやフェルスタッペンの父ヨスとの間に深刻な亀裂が生まれたとも言われている。

加えて、創業者ディートリッヒ・マテシッツの死去以降、エイドリアン・ニューウェイ(空力設計)、ジョナサン・ウィートリー(スポーティングディレクター)、ウィル・コートネイ(戦略責任者)、ロブ・マーシャル(チーフエンジニア)、リー・スティーブンソン(フェルスタッペンの担当メカニック)といった主要スタッフが相次いで離脱。体制の混乱が続いていた。

クリスチャン・ホーナー レッドブル F1

マルコも後継指名へ? セバスチャン・ベッテルの名も
この報道と並行して、マルコ自身も近い将来の退任を示唆しており、その後任候補としてかつての4度のワールドチャンピオン、セバスチャン・ベッテルの名前を挙げていることも注目されている。

一連の出来事は、単なる人事異動を超え、レッドブル内の権力構造と今後のF1プロジェクトの行方に直結するものとして、今後も大きな波紋を広げることは間違いない。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング