ガスリー、ルクレールに託した勝利「アントワーヌのために勝ってくれ」
ピエール・ガスリーの幼少時代の友人であるアントワーヌ・ユベールは、土曜日にF1のサポートレースとしてスパ・フランコルシャンで開催されたFIA F2のレースで大クラッシュに巻き込まれ22歳でこの世を去った。彼の死によってモータースポーツ界が深い悲しみに包まれるなかでF1ベルギーGPの決勝日を迎えた。
ピエール・ガスリーは9位でフィニッシュ。レッドブルからトロロッソに降格した最初のレースで2ポイントを獲得した。
「22、23歳では、最高の仲間を失うという瞬間に耐える準備なんてできていない。これまでで最も感情的なレースだった」とピエール・ガスリーは語る。
「カートを始めた7歳からみんなと一緒に育った。僕たちはルームメイトだった。同じアパートの同じ部屋に6年間住んでいた。僕たちはクラスメイトだった。連盟のプライベートスクールの同じ教授で13歳から19歳まで彼と一緒に勉強していた。まだショックを受けている」
「どうやったらこんなに早くに頭から消し去れるのかわからない。本当に嫌な気分だ。僕たちの誰も昨日何が起こったのか理解できていない。すでに明日アントワーヌと共通の友人たちみんなで集まることを計画している。ただただ本当に悲しい」
「頭から消し去れなければならなかった。そうでなければ、レースなんてできないからね。ヘルメットをかぶって、フォーメーションラップに行けば、別のゾーンに入って、気持ちも切り替わる。でも、チェッカーフラッグの直後にはもうそのことが頭に蘇っていた。この2ポイントを獲得できてうれしい」
F1ベルギーGPでは、シャルル・ルクレールがF1初勝利を挙げ、アントワーヌ・ユベールに捧げた。
ピエール・ガスリーは、レース前にアントワーヌ・ユベールを称えるために「彼のために勝ってくれ」とシャルル・ルクレールに託していたことを明かした。
「シャルル、アントワーヌ、そして、私自身はみんな同じ年にレースを始めていた。だから、レースの前にシャルルに「アントワーヌのためにこのレースに勝ってくれ」と伝えていた」とピエール・ガスリーは語る。
「実際、2005年にアントワーヌはフレンチカップで優勝した。僕たちは長年レースをして、お互いのことを知っていた。数年前のジュール（ビアンキ）、アンワーヌ、フランスのモータースポーツにとって本当に悲惨なニュースだと思う。彼らは本当に素晴らしくて驚くべきキャラクターの二人だった。本当に実感が沸かない」
「夏休みの間、僕はドライバーではない人たちと安全性について話していた。彼らは『今のF1はとても安全で、以前とはまったく違う』言っていた。彼らに同意したと言わなければならない。なぜなら、そういうこを考えなくなってしまっているからだ」
「クルマに乗っているとき、僕はとても安全だと感じてしまっている。僕たちにはほとんど何も起こらないのでないかと感じてしまっている。でも、このようなスピード、200、250、300のスピードで起こるものは何でも現実に引き戻される。なんでも好きなことができる。常に死の高い可能性があることもドライバーとして受け入れていると思う。でも、残念ながら、本当に危険なスポーツだということを皆に思い起こさせることが起こってしまった。それがレースで一番親しい友人の一人だったことを本当に悲しく思う」
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