スパ・フランコルシャン:F1サーキット解説
ホンダのテストドライバーであるアレキサンダー・ブルツが、ベルギーGPが開催されるスパ・フランコルシャンのサーキットを解説。
アレキサンダー・ブルツ (ホンダ)
スパは昔ながらのコースレイアウトで、それがすごくいい感じだ。望むべき要素は、ここにすべてある。大きな起伏、高速コーナー、長い直線。天候はまったく予測できないけれど、スパに行くのはいつも楽しみだ。太陽が照っていたかと思えば、10分後には大雨なんてしょっちゅうで、それもまたスパの魅力だ。
1周はすごく長く、そして速い。低速なのはターン1のラ・スルスぐらい。そしてここでの立ち上がりでは、とにかくスピードを乗せないと。ここからオー・ルージュの先のレ・コンブまで、ほとんど全開だからだ。確かにオー・ルージュはV8エンジンになってから、全開で行けるようになった。でもステアリングを切りすぎると、路面との摩擦で簡単に減速してしまうんだ。
レ・コンブまでの直線は、7速全開だ。そしてコーナー左側の縁石に達するまで、決してブレーキを踏んではいけない。だいたい、60メートル手前ぐらい。ここは右左右と連続する複合コーナーで、それぞれがリンクしてる。だから最初の右で攻めすぎると、あとの二つでとっ散らかってしまう。これで簡単に、コンマ5秒は失う。
ターン8のリバージュまで下る間に、5速まで上げる。そしてヘヤピンのブレーキングで、2速に落とす。ここはものすごく滑りやすい上に、ブレーキングポイントに呆れるほど大きなバンプがある。だからここでクルマをしっかり減速させるのは、すごくむずかしい。いかにセットアップを頑張っても、ここでアンダーステアになるのは仕方ない。立ち上がりはわずかに逆キャンバーで、トラクションコントロールの付いてない今年のクルマでは、リアが暴れるのとドライバーが格闘する姿が見られるはずだ。
ターン9は4速の、きわめて速いコーナーだ。マシンを安定させるため、ブレーキはちょんと触る程度に。すぐさまターンインして、クリップで縁石に乗り、スムーズに立ち上がって行く。ここでは突然クルマの挙動が変わりやすく、なのにランオフエリアはないに等しい。そのため、相当慎重に攻める必要がある。
次のプーオンは、すごく速い左の複合コーナーだ。予選では6速でここに達して、わずかにブレーキング。ハーフスロットルのまま、コーナリングして行く。ここは1周のうちで、一番難易度が高いコーナーかもしれない。長いコーナリングの間、ずっとマシンの限界を探っている感じだから。クリップの通過速度は実際には時速230km程度だけど、もっとずっと速く感じる。
ごく短い直線のあと、ファーニュのシケインに到達する。ここの路面はすごくグリップがあり、そのままの勢いで縁石に乗って、スピードを維持する。再び短い直線を抜けると、ターン14、そして15のスタブロが待ってる。ここも滑りやすいけど、立ち上がりの速度がすごく大事だ。ここからバスストップまで、ずっと全開だ。3速でコーナリングして、縁石を目一杯使って立ち上がって行く。
ブランシモンの左コーナーも、全開。その先のバスストップシケインは2006年に改修されて、すっかり遅くなってしまった。最初の右はクリップが後ろの方で、立ち上がりはトラクション不足と格闘することになる。個人的には、全開で立ち上がって行けた昔のバスストップの方が、好きだ。ガードレールにギリギリまで迫りながら全開加速して行くあのスリルは、たまらない。
開催日程:ベルギーGP
カテゴリー: F1 / F1関連
アレキサンダー・ブルツ (ホンダ)
スパは昔ながらのコースレイアウトで、それがすごくいい感じだ。望むべき要素は、ここにすべてある。大きな起伏、高速コーナー、長い直線。天候はまったく予測できないけれど、スパに行くのはいつも楽しみだ。太陽が照っていたかと思えば、10分後には大雨なんてしょっちゅうで、それもまたスパの魅力だ。
1周はすごく長く、そして速い。低速なのはターン1のラ・スルスぐらい。そしてここでの立ち上がりでは、とにかくスピードを乗せないと。ここからオー・ルージュの先のレ・コンブまで、ほとんど全開だからだ。確かにオー・ルージュはV8エンジンになってから、全開で行けるようになった。でもステアリングを切りすぎると、路面との摩擦で簡単に減速してしまうんだ。
レ・コンブまでの直線は、7速全開だ。そしてコーナー左側の縁石に達するまで、決してブレーキを踏んではいけない。だいたい、60メートル手前ぐらい。ここは右左右と連続する複合コーナーで、それぞれがリンクしてる。だから最初の右で攻めすぎると、あとの二つでとっ散らかってしまう。これで簡単に、コンマ5秒は失う。
ターン8のリバージュまで下る間に、5速まで上げる。そしてヘヤピンのブレーキングで、2速に落とす。ここはものすごく滑りやすい上に、ブレーキングポイントに呆れるほど大きなバンプがある。だからここでクルマをしっかり減速させるのは、すごくむずかしい。いかにセットアップを頑張っても、ここでアンダーステアになるのは仕方ない。立ち上がりはわずかに逆キャンバーで、トラクションコントロールの付いてない今年のクルマでは、リアが暴れるのとドライバーが格闘する姿が見られるはずだ。
ターン9は4速の、きわめて速いコーナーだ。マシンを安定させるため、ブレーキはちょんと触る程度に。すぐさまターンインして、クリップで縁石に乗り、スムーズに立ち上がって行く。ここでは突然クルマの挙動が変わりやすく、なのにランオフエリアはないに等しい。そのため、相当慎重に攻める必要がある。
次のプーオンは、すごく速い左の複合コーナーだ。予選では6速でここに達して、わずかにブレーキング。ハーフスロットルのまま、コーナリングして行く。ここは1周のうちで、一番難易度が高いコーナーかもしれない。長いコーナリングの間、ずっとマシンの限界を探っている感じだから。クリップの通過速度は実際には時速230km程度だけど、もっとずっと速く感じる。
ごく短い直線のあと、ファーニュのシケインに到達する。ここの路面はすごくグリップがあり、そのままの勢いで縁石に乗って、スピードを維持する。再び短い直線を抜けると、ターン14、そして15のスタブロが待ってる。ここも滑りやすいけど、立ち上がりの速度がすごく大事だ。ここからバスストップまで、ずっと全開だ。3速でコーナリングして、縁石を目一杯使って立ち上がって行く。
ブランシモンの左コーナーも、全開。その先のバスストップシケインは2006年に改修されて、すっかり遅くなってしまった。最初の右はクリップが後ろの方で、立ち上がりはトラクション不足と格闘することになる。個人的には、全開で立ち上がって行けた昔のバスストップの方が、好きだ。ガードレールにギリギリまで迫りながら全開加速して行くあのスリルは、たまらない。
開催日程:ベルギーGP
カテゴリー: F1 / F1関連