映画『F1/エフワン』 タイムズスクエアでワールドプレミア 角田裕毅ら登場
米ニューヨーク・タイムズスクエアで、F1を題材とした話題のハリウッド映画『F1』のワールドプレミアが盛大に開催された。

主演のブラッド・ピットやプロデューサーのルイス・ハミルトン、ダムソン・イドリスに加え、角田裕毅をはじめ、現役F1ドライバーほぼ全員が出席し、イベントはまさにF1の“映画グリッド”とも呼べる熱気に包まれた。

タイムズスクエアにはF1カーが展示され、巨大スクリーンには劇中映像が映し出される中、ブラッド・ピットとダムソン・イドリスが登場。熱狂的なファンの声援を受けながら、チームメイト役を演じた両者が笑顔で記念撮影に応じた。

この映画は2024年からF1の実際のグランプリ週末で撮影が行われ、架空のチーム「APXGP」がレースに“実在”の形で参加。キャスト陣が実際のグリッドやパドックに立つというかつてない規模での映像制作が行われた。

イベントでは、出演俳優やプロデューサー陣に加え、数多くのF1ドライバーや関係者が映画への期待や感想を語っている。

F1/エフワン F1ドライバー

■ 現役F1ドライバーらの反応
ランド・ノリス(マクラーレン)
「一つ確かなのは、僕は俳優じゃないし、これからも絶対にならないってこと。だけど、この映画はF1がどんなスポーツかをよく描けていると思う。チームで戦う競技であり、ライバル同士の激しい戦いがあり、接戦が繰り広げられている。多くの新しいファンをF1の世界に引き込むと思う」

アレックス・アルボン(ウィリアムズ)
「F1ファンなら何度か笑ってしまうはずだよ。映画の中にはちょっとした小ネタ、いわゆる“イースターエッグ”的なものがあって、それがすごく上手に組み込まれてると思う。レースやモータースポーツに携わってる人なら、きっと細かい部分にも気づいて楽しめると思う」

カルロス・サインツ(ウィリアムズ)
「本当に楽しめたよ。すごく面白かったし、クラッシュのシーンでは少し心が痛んだ。でも全体としては笑えて、感情を揺さぶられて、すごく楽しい時間を過ごせた。撮影中、ブラッド・ピットやダムソン・イドリスがグリッドにいるのはやっぱり変な感じだったな。ブラッドと一緒に何度かグリッドウォークをしたけど、『なんで彼がここに?』って思ったり、『自分は何してるんだ?』って不思議な気持ちになったりもしたよ。映画スターの隣にいるなんて、現実じゃないみたいだった」

角田裕毅(レッドブル)
「とてもクールだった。残念ながら僕は映画の中で何度もブラッドにオーバーテイクされてしまったんだけど(笑)、F1のスピード感がしっかり伝わってきたし、本当にドライバーになったような気分になれた」

シャルル・ルクレール(フェラーリ)
「すごく印象的なイベントだと思う。こんなにも多くの人が集まっているとは思っていなかったから、本当にF1というスポーツがアメリカでどれほど成長してきたかを実感できた。映画も素晴らしい仕上がりで、俳優陣も見事だったから、きっと新しいファンをこのスポーツに引き込んでくれるはず。『Drive to Survive』もそうだったけど、この映画もF1の魅力を伝える大きな力になると思う」

エステバン・オコン(ハース)
「これは今まで観た中で一番のレース映画だと思う。レースシーンの迫力がすごいし、ルイスとプロデューサーがF1のリアリズムをしっかり守ってくれた。とてもリアルに仕上がってる。僕たちドライバーも映画の中に少し登場するから、それも楽しかった!」

オリバー・ベアマン(ハース)
「APXGPがどれだけF1の中に自然に溶け込んでいたかを見て、本当に驚いたよ。こんなに本物のスポーツが映画撮影のために内側まで見せた例って、他にはないと思う。すごくリアルで、映像も良くできている。ちなみに今日のイベントは、モナコの予選ラップより緊張した(笑)」

ガブリエル・ボルトレト(キック・ザウバー)
「この映画は、F1を全く知らない人やちょっとだけ知ってる人にとって、すごく魅力的な入口になると思う。観たらF1に興味が湧いて、実際のレースを観たくなるはず。それだけの力がある作品だと感じた」

ニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)
「正直、グランプリ週末のグリッドにAPXGPがいても、違和感なく馴染んでいたよ。すごく自然でオーガニックな雰囲気だったし、僕たちにとって特に邪魔になることもなかった。映画の中でもそのリアルさが出ていて、本当に良かった。『Drive to Survive』とはまた違った視点からF1を見せてくれているし、F1の“グラマー(華やかさ)”がついに映画で表現された感じがする」

F1/エフワン ブラッド・ピット

■ 制作陣・俳優陣の声
ブラッド・ピット(主演/ソニー・ヘイズ役)
「ようやくみんなとこの作品を共有できるのが嬉しい。この映画には3年をかけてきた。1年半はF1と共に過ごして、レースの現場にどっぷりと入り込んだ。F1のチームやドライバー、チーム代表のみなさんが本当に親切で、彼らの協力なしにこの映画は完成しなかった」

「このクルマに乗ってると、すべてがうまくいってる瞬間には本当に平穏で、静けさすらある。あれほど“完璧な感覚”を味わえるのは、他では経験したことがない」

ジェリー・ブラッカイマー(プロデューサー)
「F1という世界は信じられないほど素晴らしく、そこに私たちの技術を注ぎ込んで、さらにブラッド・ピットを加える。それはもう特別なものになる。感情に満ちた作品で、F1の楽しさと興奮を描きながらも、心を揺さぶる“再起の物語”がある」

ケリー・コンドン(出演)
「これは単なる映画じゃない、“体験”になるはず。観ている人は“コクピットに座っているような気分”になると思う。これまで使われたことのないカメラや、細かい音のこだわり、ギアの切り替え音も実際と完全に一致してる。ロマンスもあるし、ユーモアもあるし、そしてアンダードッグの物語がある。私はそういう話が大好き」

キム・ボドゥニア(APXGPチーム代表役)
「この映画に関わるのは楽しくて仕方なかった。愛にあふれた作品だったし、現場も同じ。F1ってひとつの大きな愛の物語なんだ。ファンもドライバーもメカニックも、みんなが同じ場所で共に働いて、ひとつの世界を作っている」

「F1には家族の中に昔から熱狂的なファンがいたけど、自分自身は詳しくなかった。でもこの世界に入ってからは、もう抜け出せない」

トビアス・メンジーズ(出演)
「出演を決めた理由は、関わっている人たちがとても魅力的だったから。正直、F1についてはあまり知らなかったから、ちょっと勉強したよ」

ハビエル・バルデム(APXGPオーナー役)
「アブダビでの最後の撮影シーンは一生忘れない。レース終盤、リアルなドライバーと一緒に表彰台に上がって、花火が打ち上がる中にいた。あの瞬間は魔法みたいだった。心から“ありがとう”って思った」

■ 作品概要
映画『F1』は、90年代に活躍しながら事故で表舞台から退いた元F1ドライバー、ソニー・ヘイズ(ブラッド・ピット)が、低迷する新興チームAPXGPのために現役復帰し、若きチームメイト、ジョシュア・ピアース(ダムソン・イドリス)と共に戦う姿を描く。監督は『トップガン・マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキー、製作はジェリー・ブラッカイマーが務める。

この映画は実際のF1グランプリ週末に撮影されており、現役ドライバーたちとの共演や実在のサーキットが多数登場するなど、これまでにないリアルさが話題となっている。

映画『F1/エフワン』は、6月25日に国際公開され、日本では6月27日(金)に劇場公開される。F1ファンはもちろん、モータースポーツ初心者にとっても見逃せない一本となりそうだ。




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カテゴリー: F1 / F1動画