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Movistar Yamaha MotoGPのマーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシは、ウエットからドライへ変わる難しいコンディションのなか冷静な走りをキープ。

第4戦スペインGPのフリープラクティスに臨んだマーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシ。第1セッションはウエット・コンディションとなり、ペースが上がらなかったが天候が回復した第2セッションではラップタイムを短縮、それぞれ6位と12位を獲得した。

トップ10入りを目指していたマーベリック・ビニャーレスは、コースに慣れようと早々にスタートしたものの、ウエット・コンディションのもとで慎重な走りをキープ。午後から天候回復が期待されていたため、リスクを避けて冷静に走り切り、1分53秒555のベストタイムで10位を獲得した。トップとの差は0.907秒。

午後は太陽が顔をのぞく、ドライ・コンディションでラップタイムが向上。マーベリック・ビニャーレスは1分41秒718まで短縮し、さらにペースを上げるも、些細なミスをきっかけに転倒。幸い怪我はなく、一旦ピットへ戻ってから再びコースへ復帰。このあとセッション終了まで果敢にプッシュを続け、1分40秒379のベストタイムで総合6位を獲得した。トップとの差は0.959秒。

一方のバレンティーノ・ロッシも、午前中のウエット・コンディションでは我慢の走り。この時期のスペイン・アンダルシア地方では珍しい雨に見舞われたこのセッションを、ウエット用セッティングの調整と、今後に向けたデータ収集に当てた。45分間のセッション終盤になって少しずつペースを上げると、1分53秒263を記録してトップに1.615秒差の16位。

午後になって路面が乾き始めると、所々に残る水たまりを巧みに避けながらコースの感触を確認。セッティング作業を継続しながら、最後のアタックで1分41秒台の壁を破る1分40秒698を記録したが、順位は12位に留まりトップ10入りを逃した。

Monster Yamaha Tech3のジョナス・フォルガーとヨハン・ザルコにとって、今季初のヨーロッパ・ラウンド。第4戦スペインGPで好成績を目指すべく、フリープラクティス初日から全力投球。

午前中の第1セッションはウエット・コンディションとなるも、ジョナス・フォルガーは手を緩めることなく果敢に走り切って6位を獲得。午後には晴れて路面が乾くと13位へ後退したものの、6位のマーベリック・ビニャーレスに0.394秒差まで近づいた。一方のヨハン・ザルコも好調な走りを見せていたが、第2セッションでテクニカル・トラブルが発生したため途中で切り上げた。

マーベリック・ビニャーレス (初日フリー走行総合6番手1分40秒379)

「僕は大丈夫。ただレース・ラインをちょっと外れて水たまりに乗ってしまったんだ。チームにも話したんだけれど、マシンを立て直すことができずに転倒してしまった。すぐにピットに戻って修復し、再スタートしたあとはフィーリングも上々だったから心配はないよ。それでもまだ課題は残っているけれど、ラップタイムが上がってきているし総合的には満足。明日は直接Q2へ進めるよう、フリープラクティス第3セッションでベストを尽くす。空気抵抗を考慮したエアロ・フェアリングを試してみたけれど、今日はこんなコンディションだったから判断は難しいので、明日もう一度トライしてから決めたい」

バレンティーノ・ロッシ (初日フリー走行総合12番手/1分40秒698)

「路面がひどく濡れていた。とくに午前中はフル・ウエットで、最初からかなり苦労させられそうな印象だったんだ。実際、なかなかペースが上がらず、多くの課題が残ってしまった。午後になるとようやく路面が乾き始めたが、依然として水たまりが消えなかったため慎重に行くしかなかった。しかもいくつか問題も出てしまい、結局、速さにつなげることができなかった」

マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)

「予報通りに雨が降り、フリープラクティスの第1セッション、第2セッションは大きな影響を受けた。午前中は路面コンディションが非常に難しかったが、明日、明後日は晴れてドライになりそうだから、今日はリスクをおかさず慎重に走りきることが重要だった。ほとんどの時間をウエット用のセッティング作業に費やしたが、それでもまだ足りないくらいだった。午後からは天候が回復したものの水たまりがたくさん残っていて、マーベリックは不運にもそのひとつに捕まって転倒してしまった。怪我がなかったのは不幸中の幸いだ。バレンティーノもこの状況のなかでいくつか困難にぶつかり、順調に作業を行うことができなかった。明日のフリープラクティス第3セッションまでに、ふたりのマシンのセッティングを磨き上げ、同時に路面コンディションの回復にも期待する。それによってわれわれのマシンの最大の長所を引き出すことができると確信している」

ジョナス・フォルガー (初日フリー走行総合13番手/1分40秒773)

「最終的にはまずまずのところまで来ることができた。でも途中で何度か厳しい状況も経験したんだ。午前中の第1セッションはウエット・コンディション。午後になって路面が乾いてきたのでセッティング作業を開始すると、ようやく好タイムを記録することができるようになった。でも初めのうちはフロントが柔らか過ぎて、後半はリアに荷重がかかり過ぎた。そして今は、ブレーキングから加速までの間にフロントからリアへとある程度の移動が感じられる状態になっている。僕自身については、今日もとても多くを学ぶことができたし、このコースを楽しんで走ることができた。明日、しっかりとマシンをセットアップすることができれば、明後日の決勝では好成績を狙えるだろう」

ヨハン・ザルコ (初日フリー走行総合15番手/1分41秒019)

「いろいろな面で難しい状況だったけれど、そのなかでも貴重なデータを収集することができたことは大きな収穫。僕自身の調子も上向きだ。第1セッションは雨がたくさん降って大変だったけれど、僕にとっては、MotoGPマシンで初めてここのウエット・コンディションを走る貴重なチャンスになったんだ。だから序盤は慎重にスタートし、YZR-M1とそのパワー、そしてこのコースについて時間をかけて理解していった。最終ポジションは期待したほどは上がらなかったが、限界はまだまだ先にあるので、ここからの追い上げにはもう少し時間が必要になると思う。それでも、午後のドライ・コンディションでは素早くペースをつかむことができた。前回大会のときに計画した通りにセッティングを変更したら、全体的なフィーリングが向上したんだ。ここヘレスでもうまく機能してくれたことが重要で、この調子なら他のどのサーキットへ行っても使えるだろう。でも最後は残念ながら、ちょっとしたテクニカル・トラブルが出てしまって、それ以上プッシュできなくなった。リスクをおかしたくなかったので走行中止を決断。それが最善の選択だったと思っているよ。明日も落ち着いて取り組み、また一歩、前進を目指したい」

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カテゴリー: F1 / MotoGP