MotoGP:ホンダ 2025年 第1戦 タイGP 決勝レポート
マリーニはHondaでの最高位タイ、ミルはトップ10争いで奮闘
2025年ロードレース世界選手権(MotoGP)の開幕戦、タイGPはHonda HRC Castrolにとってポジティブな内容で週末を締めくくった。ルカ・マリーニは序盤のミスから挽回し12位でフィニッシュ。ジョアン・ミルはトップ10圏内のペースを維持していたものの、不運にも転倒を喫した。

2025年MotoGPシーズン最初の日曜日を迎えたチャーン・インターナショナル・サーキットで、Honda HRC Castrolのガレージ内では着実な進歩が続いていた。午前中には気温が40℃近くまで急上昇する過酷なコンディションだったが、ルカ・マリーニとジョアン・ミルは動じることなく、ウォームアップで最後の微調整を行い、決勝レースに備えた。

26周のタイGP決勝で、マリーニは序盤のミスから挽回するレースとなった。スタート直前に発生したミスの影響で、第1コーナーでは最後尾まで後退したが、そこから落ち着いて着実に順位を上げ、すぐにポイント争いに復帰した。最終的にはジャック・ミラーから0.5秒差の12位でフィニッシュを決めた。この結果は、2024年シーズンの、同じくタイGPで達成した自己最高位に並ぶものだった。マリーニが持つ本来の実力を完全に発揮するには至らなかったが、次戦に向けてHonda RC213Vとともに万全の準備を整え、満足のいく形でタイを後にする。

一方、ジョアン・ミルはスタート直後から抜群のダッシュを見せ、トップ10圏内でのバトルを展開。昨シーズンからの大幅なペース向上を証明する走りを続けていた。しかし、ジャック・ミラーを追う中、最終コーナーで転倒。レースの続行は叶わず、2020年MotoGP王者はここでレースを終えることとなった。それでもミルは、今週末の全体的な展開と結果に自信を深めており、2024年のタイGPとは明らかに異なる手応えを感じている。

Honda HRC Castrolチームは、わずかな休息をはさみ、約2週間後の3月14日から16日まで開催されるアルゼンチンGPで再び戦いの舞台に立つ。

CASTROL Honda LCRのザルコが開幕戦で7位入賞
3月2日(日)、ロードレース世界選手権(MotoGP)の開幕戦タイGPの決勝がチャン・インターナショナル・サーキットで行われ、CASTROL Honda LCRのヨハン・ザルコが7位入賞を果たしました。

12番手からスタートしたザルコは、高い気温の中でもすばらしいパフォーマンスを発揮し、戦略的にペースをコントロールしながら、終盤には7位まで順位を上げました。この結果は2023年以降のタイGPにおけるHonda勢の最高成績で、ザルコにとっては移籍後のベストリザルトとなりました。

IDEMITSU Honda LCR チャントラが母国開催の開幕戦を完走
IDEMITSU Honda LCRのソムキアット・チャントラは、母国でのMotoGPデビュー戦で堅実なパフォーマンスをみせて完走を果たしました。

チャントラはプッシュし続ける中でライバルたちと接戦を繰り広げ、貴重な経験を積みました。彼にとってはチャレンジングな一戦でしたが、レースを冷静にコントロールし、最終的に18位でフィニッシュ。MotoGPクラスでのキャリアにおける重要な一歩を踏み出しました。

ホンダ MotoGP タイGP

ルカ・マリーニ(Honda HRC Castrol)
フィジカルとメンタルの両面において、良いテストになり、今週末の成果には満足しています。週末を通してペースを上げることができましたし、決勝レースはスプリントほど身体的にきつくはなかったです。このようなフルレースでは走り方が異なりますし、今日は雲も出ていました。まだまだ伸びしろがありますし、前回ここに来た数か月前と比べても本当に大きな進歩を遂げることができています。スタートでは、遅れて到着し急いでいたためスタート手順を間違えましたが、その後はしっかりとしたレース運びができ、第1コーナーでは最後尾だったものの12位まで挽回できました。このミスがなければ、ミルやザルコとともにトップ10争いができていたと思います。今回の成果には満足していますし、シーズンが進むにつれてさらに良い結果を出せると信じています。

ジョアン・ミル(Honda HRC Castrol)
本当に良い週末で、そして良いレースになりそうでした。転倒までは、自分やチームがオフシーズンに積み重ねてきた進歩を証明できていたと思います。ジャックを追いかける中で小さなミスをしてしまい、このコンディションではリカバリーできませんでした。スタート直後にポジションを少し落としたものの、その後は順調にレースを組み立てられていました。バイクはとても熱くなっていましたが、これは他のライダーにとっても同じでしたし、同様のコンディション下での今後のレースでは、対策をしっかりと考えていく必要があります。トップ5争いができるポテンシャルがあったと思うので、こういう形でレースを終えたのは残念です。昨年はこうした感触すらなかったことを考えると、確実に進歩を遂げていると思います。今週末は試練の連続でしたが、これからさらに前進していきます。

ヨハン・ザルコ(CASTROL Honda LCR)
気温がとても高く、タフなレースでしたが、それは全員にとって同じ状況なので、終盤に向けて温存していました。マシンの感触はとてもよく、ライバルたちを追い抜いて、目標を達成できました。シーズンをすばらしい結果でスタートできたので、この週末を通して尽力してくれたチーム、 そしてHRCの皆さんに感謝しています。

ソムキアット・チャントラ(IDEMITSU Honda LCR)
すばらしい経験ができました。レースは大変でしたが、ミスをしないように集中しベストを尽くしました。これからも学習を進めて、改善し続けなければなりません。地元のファンの皆さんの前でレースができて、とても感慨深かったです。

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カテゴリー: F1 / MotoGP