MotoGP:スズキ 第4戦 チェコGP 決勝レポート
21ラップで行われた2020年シーズン3戦目のチェコGP決勝。タイヤマネージメントが大きな鍵を握ると思われたこのレースは、序盤から過酷で予想不能な展開が繰り広げられ、大健闘の走りを見せたアレックス・リンスは4位に、他車の転倒に巻き込まれ痛恨の転倒を喫したジョアン・ミルはリタイヤとなり、チームスズキエクスターにとっては明暗を分ける結果となった。
リンスは11番手から好スタートを切りすぐに7番手にジャンプアップ。序盤はタイヤの消耗と自身の負傷している肩をセーブし、セカンドグループに留まって様子を伺う。集団が割れ出したタイミングを見計らい、リンスは前を走るA・エスパルガロ(アプリリア)をオーバーテイクして6番手にひとつポジションを上げ、その後エスパルガロと、さらにその後方から追い上げるV・ロッシ(ヤマハ)を引き離しにかかる。P・エスパルガロ(KTM)の転倒により 5番手にポジションを上げたリンスはその後も追撃を緩めることなく、残り5ラップでF・クアルタラロ(ヤマハ)をオーバーテイクして4番手に浮上。痛みが増す肩を庇いつつもさらに3番手との差を詰め、最終ラップまで表彰台獲得を賭けて全力で走行を続けるも、わずか0.139秒差で3位表彰台を逃す結果となった。この大健闘の走りにより、リンスはチャンピオンシップランキングで一気に6番手順位を上げ、10位に浮上した。
週末を通して安定したレースペースで好調ぶりをアピールしていたミルは、決勝に大きな期待を賭けて9番手グリッドから表彰台を狙う。しかしスタート直後に集団に飲み込まれ、4周目、ミルをオーバーテイクしようとした他車がミルのイン側で転倒し、ミルのフロントホイールに接触。ミルはグラベルに弾き出されて転倒し、再スタートを切ることができずにそのまま痛恨のリタイヤを強いられることとなった。ライダーに怪我は無かった。
チームスズキエクスターはこの後オーストリアに移動し、5日後にレッドブルリンクで開催される次戦オーストリアGPに挑む。
河内 健 テクニカルマネージャー
「今日のレースはスズキにとって良いことと悪いことが半々のレースでした。アレックスは肩の痛みがありながらも素晴らしいレースをしてくれて、最後には表彰台まであと少しというところまで頑張ってくれました。アレックスの頑張りに“ありがとう”と言いたいです。一方のジョアンですが、レ―スペースには自信があったものの、他車に巻き込まれて転倒・リタイヤという残念な結果となってしまいました。しかしこれもレーシングアクシデントなので仕方ありません。スズキは次のオーストリアの2レースでも引き続きチャレンジを続け、早く表彰台に戻りたいと思っています。応援よろしくお願いします。」
ダビデ・ブリビオ チームマネージャー
「アレックスは怪我の痛みを抱えながら昨日のフリー走行、予選で素晴らしい仕事をしてくれたと思っていましたが、今日はさらに強いパフォーマンスでチームの皆を感動させてくれました。我々チームスタッフは彼がどれだけ痛みと闘っているかを知っていましたし、その状態で最後までペースを落とすことなくあと一歩で表彰台というところまで迫った事は驚きでしかありません。アレックスとアレックスチームのスタッフ全てに心からお礼の気持ちを伝えたいです。今日はジョアンにも大きなチャンスがあったと思うのですが、残念ながら他車の転倒に巻き込まれて結果を出せずに終わってしまいました。彼のミスではないだけに非常に残念ですが、確実に成長を遂げているので、次戦オーストリアに期待したいと思います。」
アレックス・リンス
「この週末も相変わらず肩の痛みと格闘していて、今日は朝のウォームアップは走行をやめ、セッション終了間際にピットアウトしてスタート練習だけして、決勝に向けて肩を温存する方法を取ったんだ。レース中も常に痛みとの闘いだったけど、周回を重ねる毎に徐々にペースを掴んで、タイヤが消耗してからもさほどラップタイムを落とすことなく、終盤に4位までポジションを上げることができた。まだ肉体的に100%の状態には遠いために他のライダーをオーバーテイクするのは決して楽ではなかったけど、表彰台一歩手前までいくことができて満足しているよ。もちろん表彰台に立てたらもっと良かったけど、今の自分にはこれが精一杯だったし、全てを出し切った結果だから自分でも納得している。」
ジョアン・ミル
「今日はレースで一番起こって欲しくないことが起こってしまったよ。スタートはまずまずだったんだけど、ペトルッチ(ドゥカティ)とのバトルでポジションを落としたせいで集団に飲まれてしまい、ちょっと落ち着いてしっかりリズムを整えようと思っていたんだ。レースペースには自信があったから焦りはなかったしね。ひと息ついてこれからアタックしていこうとした時に、目の前でレクオナ(KTM)が転倒して、そのまま自分もマシンごとさらわれる形で気が付いたらグラベルだったよ。避けようもなかったし、何もすることができなかった。この週末はかなりフィーリングが良くて決勝に賭けていただけに、一瞬で全てが水の泡になってしまったことが本当に悔やまれる。もちろんレーシングアクシデントだから彼を責めるつもりはないけどね。次戦オーストリアは小排気量のマシンでは良い思い出があるサーキットなんだ。昨年ブルノのレース後に行われたテストで転倒・負傷した為にレッドブルリンクをMotoGPマシンで走るのは初めてになるけど、GSX-RRで走るのが今から楽しみだよ。」
カテゴリー: F1 / MotoGP
リンスは11番手から好スタートを切りすぐに7番手にジャンプアップ。序盤はタイヤの消耗と自身の負傷している肩をセーブし、セカンドグループに留まって様子を伺う。集団が割れ出したタイミングを見計らい、リンスは前を走るA・エスパルガロ(アプリリア)をオーバーテイクして6番手にひとつポジションを上げ、その後エスパルガロと、さらにその後方から追い上げるV・ロッシ(ヤマハ)を引き離しにかかる。P・エスパルガロ(KTM)の転倒により 5番手にポジションを上げたリンスはその後も追撃を緩めることなく、残り5ラップでF・クアルタラロ(ヤマハ)をオーバーテイクして4番手に浮上。痛みが増す肩を庇いつつもさらに3番手との差を詰め、最終ラップまで表彰台獲得を賭けて全力で走行を続けるも、わずか0.139秒差で3位表彰台を逃す結果となった。この大健闘の走りにより、リンスはチャンピオンシップランキングで一気に6番手順位を上げ、10位に浮上した。
週末を通して安定したレースペースで好調ぶりをアピールしていたミルは、決勝に大きな期待を賭けて9番手グリッドから表彰台を狙う。しかしスタート直後に集団に飲み込まれ、4周目、ミルをオーバーテイクしようとした他車がミルのイン側で転倒し、ミルのフロントホイールに接触。ミルはグラベルに弾き出されて転倒し、再スタートを切ることができずにそのまま痛恨のリタイヤを強いられることとなった。ライダーに怪我は無かった。
チームスズキエクスターはこの後オーストリアに移動し、5日後にレッドブルリンクで開催される次戦オーストリアGPに挑む。
河内 健 テクニカルマネージャー
「今日のレースはスズキにとって良いことと悪いことが半々のレースでした。アレックスは肩の痛みがありながらも素晴らしいレースをしてくれて、最後には表彰台まであと少しというところまで頑張ってくれました。アレックスの頑張りに“ありがとう”と言いたいです。一方のジョアンですが、レ―スペースには自信があったものの、他車に巻き込まれて転倒・リタイヤという残念な結果となってしまいました。しかしこれもレーシングアクシデントなので仕方ありません。スズキは次のオーストリアの2レースでも引き続きチャレンジを続け、早く表彰台に戻りたいと思っています。応援よろしくお願いします。」
ダビデ・ブリビオ チームマネージャー
「アレックスは怪我の痛みを抱えながら昨日のフリー走行、予選で素晴らしい仕事をしてくれたと思っていましたが、今日はさらに強いパフォーマンスでチームの皆を感動させてくれました。我々チームスタッフは彼がどれだけ痛みと闘っているかを知っていましたし、その状態で最後までペースを落とすことなくあと一歩で表彰台というところまで迫った事は驚きでしかありません。アレックスとアレックスチームのスタッフ全てに心からお礼の気持ちを伝えたいです。今日はジョアンにも大きなチャンスがあったと思うのですが、残念ながら他車の転倒に巻き込まれて結果を出せずに終わってしまいました。彼のミスではないだけに非常に残念ですが、確実に成長を遂げているので、次戦オーストリアに期待したいと思います。」
アレックス・リンス
「この週末も相変わらず肩の痛みと格闘していて、今日は朝のウォームアップは走行をやめ、セッション終了間際にピットアウトしてスタート練習だけして、決勝に向けて肩を温存する方法を取ったんだ。レース中も常に痛みとの闘いだったけど、周回を重ねる毎に徐々にペースを掴んで、タイヤが消耗してからもさほどラップタイムを落とすことなく、終盤に4位までポジションを上げることができた。まだ肉体的に100%の状態には遠いために他のライダーをオーバーテイクするのは決して楽ではなかったけど、表彰台一歩手前までいくことができて満足しているよ。もちろん表彰台に立てたらもっと良かったけど、今の自分にはこれが精一杯だったし、全てを出し切った結果だから自分でも納得している。」
ジョアン・ミル
「今日はレースで一番起こって欲しくないことが起こってしまったよ。スタートはまずまずだったんだけど、ペトルッチ(ドゥカティ)とのバトルでポジションを落としたせいで集団に飲まれてしまい、ちょっと落ち着いてしっかりリズムを整えようと思っていたんだ。レースペースには自信があったから焦りはなかったしね。ひと息ついてこれからアタックしていこうとした時に、目の前でレクオナ(KTM)が転倒して、そのまま自分もマシンごとさらわれる形で気が付いたらグラベルだったよ。避けようもなかったし、何もすることができなかった。この週末はかなりフィーリングが良くて決勝に賭けていただけに、一瞬で全てが水の泡になってしまったことが本当に悔やまれる。もちろんレーシングアクシデントだから彼を責めるつもりはないけどね。次戦オーストリアは小排気量のマシンでは良い思い出があるサーキットなんだ。昨年ブルノのレース後に行われたテストで転倒・負傷した為にレッドブルリンクをMotoGPマシンで走るのは初めてになるけど、GSX-RRで走るのが今から楽しみだよ。」
カテゴリー: F1 / MotoGP