マクラーレン、インディ500予選落ちの裏で犯した様々な失態
2019年のインディ500で予選落ちを喫したマクラーレンだが、すでにその失敗は数カ月前から始まっていた。最初のテストではステアリングホイールさえ用意されていなかった。
世界3大レースでの“3冠”を目標にしているフェルナンド・アロンソとともにインディ500に挑んだマクラーレンだが、予選で36台中34位となり、決勝進出をすることなくインディアナポリスを去ることになった。
醜態を晒して英国に戻ったマクラーレンは、早速オペレーション責任者であるボブ・ファーンリーを解雇している。
マクラーレンのCEOを務めるザク・ブラウンは「我々はインディ500を過小評価していたわけではない。我々は準備ができていなかった。我々はレースに値していなかった。我々自身の失敗だ。我々は際立ってしなかったし、ベストを尽くすことができなかった。我々は自分自身に負けたのだ」と AP通信 に語っている。
ステアリング問題
インディ500への失敗へのカウントダウンは、4月にテキサス・モータースピードウェイでのテストから始まっていた。ザク・ブラウンはテストで使うためのステアリングホイールをコスワースから個人的に確保していた。そして、そこからミスが重なった。
「我々は正午までコースに出ることができなかった。ステアリングホールが間に合わなかった。準備とプロジェクト管理組織のスキル不足にすぎない。プロジェクト管理において全てのことが転げ落ちて行った。ザク・ブラウンがステアリングホールを探し求めるべきではなかった」
カラーリング問題
マクラーレンはインディ500にむけて強力な予算を用意した。スポンサー枠は完売し、成功は保証されているように見えた。だが、その時期のザク・ブラウンはF1プログラムの再建に焦点を当てており、インディカー・プログラム全体を監督するジル・ド・デランの任命が遅すぎたと考えている。
インデアナポリスのパドックの床を塗装して、F1テイストのつい立でマシンを隠すというヨーロッパスタイルの運営で異彩を放っていたマクラーレンだが、マシンカラーリングというパフォーマンスとはまったく関係のない問題でも時間を浪費していた。
先月のオープンテストで電気系トラブルに見舞られたマクラーレンは、ミスをした従業員を解雇。だが、プラクティス初日に再び電気系トラブルが発生し、オルタネーターと配線を取り替えなければならなかった。2日目にフェルナンド・アロンソはクラッシュ。カーリンのスペアを再構築するのに3日目の全てを逃した。最終的にはオレンジの色合いの問題だった。
マクラーレンは技術パートナーのカーリンからマシンを購入。マクラーレンが受け取った時点でマシンはオレンジに塗装されていたが、それはマクラーレンの適切な“パパイヤオレンジ”ではなかった。テスト後に再塗装しなければならかったが、水曜日にフェルナンド・アロンソがクラッシュを喫したことで必要となったスペアカーには適切な塗装が施されていなかった。
カーリンのスペアカーはトラックから30分のペイントショップにあったが、カラーリングの問題でマクラーレンはほぼ2日間の走行時間を失うことになった。他チームはほんの数時間でスペアカーを走らせており、土曜日の予選でクラッシュを喫したジェームス・ヒンチクリフが午後にスペアカーでコースに復帰したことを考えても馬鹿げた行動である。
カーリンへの不満
カーリンは、2台体制のチームだったが、マクラーレンとの提携によってインディ500では3台体制に拡大した。しかし、ザク・ブラウンはカーリンにはマクラーレンのためのリソースはなかったと批判する。
「彼らに3台を走らせる能力がなかったのは明らかだった」とザク・ブラウンは語る。
事実、予選失格となったのはマクラーレンのフェルナンド・アロンソに加え、マックス・チルトン、パトリシオ・オワードと全てがカーリンのマシンだった。
予選での迷走
フェルナンド・アロンソは予選の最初の走行でタイヤのパンクに見舞われた。ザク・ブラウンは、チームは間違ったタイヤセンサーを購入し、事前にそれが検出されなかったとしている。
“ラストロウ・シュートアウト”に回ってパニックに陥ったマクラーレンは、アンドレッティ・オートスポーツからダンパーのデータをもらうなどしてマシンを再構築。しかし、英国のメートル法と英国のインチ法への変換にミスがあり、日曜日の午前のプラクティスで修正を強いられたことでアロンソは5周しかできななかった。
他チームからのセットアップとアシストによってマシンはスピードを上げたマクラーレンだったが、フェルナンド・アロンソはカイル・カイザーからわずかに0.0129秒差で33台のグリッドから弾き出された。予選後、ザク・ブラウンはギア比の設定が間違っていたと明かした。
「実際、我々は229mphを出せるクルマを持っていた、ギアは227.5mphのものだった。ほぼ成し遂げていたが、再び自分自身に負けた」
マラクレーンは、フェルナンド・アロンソに他チームから出場権を購入することを提案したが、アロンソはそれを拒否した。
ザク・ブラウンは、マクラーレンは来年インディ500に戻ってくると語る。「ファンとスポンサーに義務があると感じている。我々は約束を全うできなかった。謝罪以上のものが必要だと思っている」
カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム
世界3大レースでの“3冠”を目標にしているフェルナンド・アロンソとともにインディ500に挑んだマクラーレンだが、予選で36台中34位となり、決勝進出をすることなくインディアナポリスを去ることになった。
醜態を晒して英国に戻ったマクラーレンは、早速オペレーション責任者であるボブ・ファーンリーを解雇している。
マクラーレンのCEOを務めるザク・ブラウンは「我々はインディ500を過小評価していたわけではない。我々は準備ができていなかった。我々はレースに値していなかった。我々自身の失敗だ。我々は際立ってしなかったし、ベストを尽くすことができなかった。我々は自分自身に負けたのだ」と AP通信 に語っている。
ステアリング問題
インディ500への失敗へのカウントダウンは、4月にテキサス・モータースピードウェイでのテストから始まっていた。ザク・ブラウンはテストで使うためのステアリングホイールをコスワースから個人的に確保していた。そして、そこからミスが重なった。
「我々は正午までコースに出ることができなかった。ステアリングホールが間に合わなかった。準備とプロジェクト管理組織のスキル不足にすぎない。プロジェクト管理において全てのことが転げ落ちて行った。ザク・ブラウンがステアリングホールを探し求めるべきではなかった」
カラーリング問題
マクラーレンはインディ500にむけて強力な予算を用意した。スポンサー枠は完売し、成功は保証されているように見えた。だが、その時期のザク・ブラウンはF1プログラムの再建に焦点を当てており、インディカー・プログラム全体を監督するジル・ド・デランの任命が遅すぎたと考えている。
インデアナポリスのパドックの床を塗装して、F1テイストのつい立でマシンを隠すというヨーロッパスタイルの運営で異彩を放っていたマクラーレンだが、マシンカラーリングというパフォーマンスとはまったく関係のない問題でも時間を浪費していた。
先月のオープンテストで電気系トラブルに見舞られたマクラーレンは、ミスをした従業員を解雇。だが、プラクティス初日に再び電気系トラブルが発生し、オルタネーターと配線を取り替えなければならなかった。2日目にフェルナンド・アロンソはクラッシュ。カーリンのスペアを再構築するのに3日目の全てを逃した。最終的にはオレンジの色合いの問題だった。
マクラーレンは技術パートナーのカーリンからマシンを購入。マクラーレンが受け取った時点でマシンはオレンジに塗装されていたが、それはマクラーレンの適切な“パパイヤオレンジ”ではなかった。テスト後に再塗装しなければならかったが、水曜日にフェルナンド・アロンソがクラッシュを喫したことで必要となったスペアカーには適切な塗装が施されていなかった。
カーリンのスペアカーはトラックから30分のペイントショップにあったが、カラーリングの問題でマクラーレンはほぼ2日間の走行時間を失うことになった。他チームはほんの数時間でスペアカーを走らせており、土曜日の予選でクラッシュを喫したジェームス・ヒンチクリフが午後にスペアカーでコースに復帰したことを考えても馬鹿げた行動である。
カーリンへの不満
カーリンは、2台体制のチームだったが、マクラーレンとの提携によってインディ500では3台体制に拡大した。しかし、ザク・ブラウンはカーリンにはマクラーレンのためのリソースはなかったと批判する。
「彼らに3台を走らせる能力がなかったのは明らかだった」とザク・ブラウンは語る。
事実、予選失格となったのはマクラーレンのフェルナンド・アロンソに加え、マックス・チルトン、パトリシオ・オワードと全てがカーリンのマシンだった。
予選での迷走
フェルナンド・アロンソは予選の最初の走行でタイヤのパンクに見舞われた。ザク・ブラウンは、チームは間違ったタイヤセンサーを購入し、事前にそれが検出されなかったとしている。
“ラストロウ・シュートアウト”に回ってパニックに陥ったマクラーレンは、アンドレッティ・オートスポーツからダンパーのデータをもらうなどしてマシンを再構築。しかし、英国のメートル法と英国のインチ法への変換にミスがあり、日曜日の午前のプラクティスで修正を強いられたことでアロンソは5周しかできななかった。
他チームからのセットアップとアシストによってマシンはスピードを上げたマクラーレンだったが、フェルナンド・アロンソはカイル・カイザーからわずかに0.0129秒差で33台のグリッドから弾き出された。予選後、ザク・ブラウンはギア比の設定が間違っていたと明かした。
「実際、我々は229mphを出せるクルマを持っていた、ギアは227.5mphのものだった。ほぼ成し遂げていたが、再び自分自身に負けた」
マラクレーンは、フェルナンド・アロンソに他チームから出場権を購入することを提案したが、アロンソはそれを拒否した。
ザク・ブラウンは、マクラーレンは来年インディ500に戻ってくると語る。「ファンとスポンサーに義務があると感じている。我々は約束を全うできなかった。謝罪以上のものが必要だと思っている」
カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム